ものづくり補助金平成25年度製造業北海道

キンキやマツカワ鰈、ホタテを活用した醸造事業の強化とそれに伴う設備投資の実施

株式会社中井英策商店

この事例のポイント

  • いずしの主力は秋・冬に生産が集中し、その時期に大量の人員が必要になる一方、シーズンが終わる春・夏は生産がなく通年雇用が難しい。
  • 食品加工研究センターの協力を得て、高級魚キンキの身や骨、エンガワなどを素材に塩と糖だけで長期間発酵熟成させる魚醤の生産を始めた。
  • 魚醤の生産は1年を通じて行えるようになり、スタッフの通年雇用を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中井英策商店
所在地北海道 伊達市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数12人
資本金300万円
設立1927年

事業の背景

主に東日本全域に広がる伝統的な発酵食品「いずし」を製造している。主力のいずしは秋・冬の商品で、生産が季節に偏るため従業員の通年雇用が難しかった。新規事業として、水産素材を活用した魚醤部門の立ち上げを検討していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能いずしの主力は秋・冬に生産が集中し、その時期に大量の人員が必要になる一方、シーズンが終わる春・夏は生産がなく通年雇用が難しい。
  • 人手・技能以前は秋・冬の限定勤務で働いてもらっていたが、オフシーズンに他の仕事に就いてしまい、戻ってきてもらえなかった。

やったこと

食品加工研究センターの協力を得て、高級魚キンキの身や骨、エンガワなどを素材に塩と糖だけで長期間発酵熟成させる魚醤の生産を始めた。研究開発段階では工場内にプレハブ小屋を作って実験を重ねたが、北海道の冬には小屋を電気ストーブで温めても壁面にウレタン加工を施しても40度を維持できなかった。そこで大型の保温庫を導入して温度管理を自動化し、発酵までのきめ細かな作業や製造技術を習得した。製品はキンキ、噴火湾産のマツカワ、洞爺湖産のヒメマスやワカサギなど素材ごとに展開し、製造工程はほぼ変わらないため素材を変えるだけで商品を増やせるようにした。

新しい製品・サービス:キンキ、マツカワ、ヒメマス、ワカサギなど水産素材を使った高級路線の魚醤

事業の効果

魚醤の生産は1年を通じて行えるようになり、スタッフの通年雇用を実現した。保温庫による温度管理で製造が安定し、水産素材の活用という従来の技術をベースに新たな商品群を展開できるようになった。素材の種類を変えるだけで商品を増やせるため、多彩な高級魚醤の品ぞろえにつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    公開事例では、秋冬限定雇用の課題を受けて魚醤生産を始め、水産素材活用の既存技術をベースにできたと書かれており、事業の一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    キンキやマツカワ鱗など多彩な水産素材を使う点は書かれているが、市場動向や競合に対する自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    通年雇用の実現と生産の安定化という課題認識は読み取れるが、高付加価値化の定量的な計画や成長見込みの数字は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    食品加工研究センターの指導を受け、発酵技術をマスターしたとあるが、体制や人材の確保状況の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    キンキなどを使った高級路線の商品ラインナップと隠し味としての用途は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    プレハブ小屋での実験から大型保温庫導入で温度管理を解決したという課題解決の流れは書かれているが、中長期の計画やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    魚醤は東日本の伝統食の中でも北海道では見られず、新分野と書かれ、キンキ等を使った高級路線も明示されている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用の創出として通年雇用を実現したとあり、地域の雇用面でのわずかな効果がうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    西いぶり地域の水産素材を活用し、洞爺湖産や噴火湾産の素材で商品化しており、地域特性を活かす取組は読み取れる。

今後の展望

魚醤の生産を続けるとともに、休止中の魚介類を使った魚みその開発も検討している。

事業者の声

以前は秋、冬の限定勤務という事でお仕事をお願いしていたこともありましたが、オフシーズンに他の仕事に就いてしまい、なかなか戻って来てもらえない状況だったんです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。