ものづくり補助金平成25年度製造業北海道

抗原製造における集菌作業効率化及び品質向上のためのプロセス開発

常盤化学工業株式会社

成果この工程だけで作業時間が60%も減少した。

この事例のポイント

  • ウサギの体内から目的菌体を摘出する工程が人の手によるハサミでの手作業のため、膨大な時間を要していた。
  • ウサギの体内から目的組織を裁断する作業を機械化するため、機械装置製作を担当する協力会社と連携して装置を開発した。
  • この工程だけで作業時間が60%も減少した。機械化により裁断工程の作業時間が大幅に短縮され、摘出した菌体の損傷がなくなって品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名常盤化学工業株式会社
所在地北海道 遠軽町
業種化学工業
技術分野バイオ,材料製造プロセス
従業員数33人
資本金4,000万円
設立1981年

事業の背景

常盤化学工業は昭和56年設立で、梅毒診断薬の原料となるTP抗原を製造している。原料は固体ではなく形がそれぞれ異なるため、工程上の諸問題の解消が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ウサギの体内から目的菌体を摘出する工程が人の手によるハサミでの手作業のため、膨大な時間を要していた。
  • 品質・精度手作業での裁断は目的の組織を傷つけることがあり、品質のロスが多くなっていた。

やったこと

ウサギの体内から目的組織を裁断する作業を機械化するため、機械装置製作を担当する協力会社と連携して装置を開発した。当初は電動で処理数の多い大型モデルを構想したが、人の手のような繊細な動きを大型機で再現することが難しいため、手動レバーで刃を回転させる方式に転換した。試作と検証を何度も繰り返し、実験では組織の損傷や組織片の機器への詰まり、不要組織の混入などの問題に対処した。機器のサイズはコンパクトに抑え、複数メーカーのカッター刃の規格を試して最も綺麗に効率良くカットできるものを採用した。

  • 加工機手動レバー式の組織裁断機

事業の効果

  • この工程だけで作業時間が60%も減少した。
  • 摘出した菌体には損傷がなく、最終製品の取れ高が約16.7%増加した。

機械化により裁断工程の作業時間が大幅に短縮され、摘出した菌体の損傷がなくなって品質が向上した。最終製品の取れ高も約16.7%増加し、安定した品質での出荷が可能になると見込まれている。作業時間の削減により生産能力に余裕が生まれ、海外を含めた販売拡大も検討されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    臨床検査向け診断試薬原料の製造を行う企業で、集菌工程の機械化を取り組みとして示しているが、過去の取組との連続性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    工程の品質向上や安定出荷が期待されるとあるが、市場動向や競争優位との関係は記載がなく、わずかにうかがえるに留まる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で1羽ずつ行う裁断に膨大な時間を要するという課題を示し、作業時間が60%減、取れ高が約16.7%増と数字で成果を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工程だけで作業時間が60%減少、最終製品の取れ高が約16.7%増加と具体的な数値目標と実績が記載されている。

  • 事業を進める体制2

    機械装置製作を協力会社と連携して進めたとあるが、人材や事務処理体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質向上と安定出荷が顧客に価値をもたらすとあるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的に示されていない。

  • 事業化までの道筋4

    大型電動機から手動レバー式へ転換し、試作と検証を繰り返した経緯や、今後の品質比較データ検証の計画が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    診断試薬原料の分野に特化した記述はあるが、普及度や高付加価値化の水準についての記載はわずかである。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医学分野での社会貢献や地域(白滝)からの技術創出がうかがえるが、国が補助する積極的理由としての波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    作業時間60%減と取れ高16.7%増という効果は読み取れるが、補助金投入額に対する費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による製造時間短縮は書かれているが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は記載がない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    北海道遠軽町白滝の小さな町から世界へ向かう技術創出と記され、地域性は読み取れるが雇用や成長への効果は具体的でない。

今後の展望

従来方法と自動化後の成果物の品質比較データを多方面から検証し、最終製品の品質への影響をさらに検討する予定。顧客ごとの製品カスタマイズなど、多様な展開も期待される。

事業者の声

最終仕様をコンパクトなタイプにしたとは言え、やはり従来の手作業と比べて処理速度が格段に速くなりました。この工程だけで作業時間が60%も減少したんですよ。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。