ものづくり補助金平成25年度製造業熊本県

甘夏ミカンの花の芳香成分(ネロリ)の特殊抽出による量産体制の確立。

株式会社ネローラ花香房

この事例のポイント

  • 当時の抽出装置は小規模で生産量が少なく、国内外の化粧品原料卸や大企業からOEMによる大量生産体制の確立を求められていた。
  • まず小型の抽出ろ過器で抽出方法とろ過方法を確認し、ろ紙の選定を行った。
  • 独自の抽出技術を確立したことで、以前に比べて製造能力が約20倍となった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ネローラ花香房
所在地熊本県 熊本県水俣市
業種化学工業
従業員数3人
資本金2,000万円
設立2009年

事業の背景

当社は当初、芳香蒸留水を中心に化粧水を製造していた。オーガニックコスメ市場は1990年代にヨーロッパで始まり、アメリカやアジアへと主要市場を移しながら拡大してきた。日本でも2008年から2009年に急拡大して以降、成長を続けているが、製品の多くは欧米からの輸入品で、国産ブランドも原料は海外からの輸入に頼っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力当時の抽出装置は小規模で生産量が少なく、国内外の化粧品原料卸や大企業からOEMによる大量生産体制の確立を求められていた。

やったこと

まず小型の抽出ろ過器で抽出方法とろ過方法を確認し、ろ紙の選定を行った。使用するろ紙によって結果が大きく左右されることを確認した。次に、ろ過状態を常に見られるようすべてガラス製とした中型の抽出ろ過器を設計・製作し、適切なろ過速度を実現するとともに、吸引圧に耐える強度を持たせた。大量抽出や大量ろ過の試作を繰り返して適切化を進め、技術を確立した。また、抽出ろ過器の滅菌乾燥処理を行うため、大型高温乾燥装置を導入した。

新しい製品・サービス:ネロリ原料(甘夏ミカンの花の芳香成分)の量産

事業の効果

独自の抽出技術を確立したことで、以前に比べて製造能力が約20倍となった。抽出精度も向上し、安定して高品質な製品を製造できるようになった。作業効率も上がり、自社商品の売上増にもつながった。さらに、独自のろ過抽出方法について特許申請を行った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    当初は芳香蒸留水と化粧水の製造で、抽出技術の開発と量産体制の確立へ段階的に進んだ経緯が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    世界で唯一ネロリの量産体制を確立したと記載され、オーガニック国際認証の甘夏の花という原料の特化性が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決3

    抽出装置が小規模で生産量が少ないという課題を認識し、中型抽出器や乾燥装置の導入で解決を図った流れが書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造能力が約20倍になったと数字で示されるが、賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数3人と記載があるが、補助事業を遂行する体制や人材確保の具体的な記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    OEMで国内外の化粧品メーカーから多くの注文が入っていると書かれ、需要の裏付けと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    小型から中型、大型への段階的な試作とろ過条件の検証を繰り返した経過が書かれ、課題解決の方法が読み取れる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ネロリの抽出は世界で唯一の技術と記載され、同分野で高水準の高付加価値化を図る取組であることが読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国産ブランドの原料が海外輸入に頼る現状への言及はあるが、国が補助する積極的な理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    製造能力が約20倍になり作業効率も上がったと書かれ、費用対効果がうかがえるが金額の記載はない。

  • イノベーションへの貢献2

    特許申請や抽出技術の確立は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献はわずかにうかがえる程度である。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    オーガニック化粧品市場の拡大に触れており、成長分野への進出がわずかに読み取れる。

  • 地域経済への波及3

    水俣市の事業者で地域の特性を示す原料を使うことは読み取れるが、雇用や地域経済への効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

国内外の化粧品メーカーからOEMでの原料供給の注文が多く入っており、オーガニック原料としての需要は今後も見込まれている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。