ものづくり補助金平成25年度建設業北海道

非破壊検査による配管劣化診断と建築物長寿命化へのコンサルティング事業

札幌施設管理株式会社

この事例のポイント

  • 配管診断は部分的な方法しかできず、画像も不明瞭なことが多いため、総合診断の結果が曖昧になりがちだった。
  • 補助金を活用して高精度X線解析装置を導入し、X線透過検査によるデジタル解析を主とした診断解析法の研究開発を行った。
  • 撮影した場でその場で確認できるため、失敗なくスピーディにデータが得られるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名札幌施設管理株式会社
所在地北海道 札幌市
業種設備工事業
技術分野測定計測
資本金1,200万円
設立1976年

事業の背景

札幌施設管理株式会社は1976年設立で、公共インフラ設備の維持管理を出発点とする建物・設備の維持管理会社である。業界全体が厳しい状況にあるため、業務経験や顧客との関係を基盤に、今後20〜30年を見据えた事業づくりが必要とされていた。建築物は50年以上もつのに対し建物設備の寿命は15〜30年が目安とされ、長く使うほど管理リスクが高まる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度配管診断は部分的な方法しかできず、画像も不明瞭なことが多いため、総合診断の結果が曖昧になりがちだった。
  • 生産能力配管の劣化を数値で捉えて耐用年数を推定する手法がなく、いつどの箇所を更新すべきか判断しにくかった。

やったこと

補助金を活用して高精度X線解析装置を導入し、X線透過検査によるデジタル解析を主とした診断解析法の研究開発を行った。従来のフィルム撮影に替えて、デンタルX線写真用イメージングプレートを用いた高精度撮影を行い、パイプ内の腐食を厚みで捉えて数値化した。取得画像をデジタル処理し、透過濃度の解析によって管の肉厚、つまり腐食量をデータ化した。デジタル技術により劣化ランクの判定と耐用年数の推定も可能にした。1600件の検査データを分析して診断技術を確立し、「配管劣化評価方式」として特許を取得した。

  • 検査測定高精度X線解析装置イメージングプレートデジタル撮影装置

新しい製品・サービス:配管劣化評価方式による配管寿命診断・コンサルティング事業

事業の効果

撮影した場でその場で確認できるため、失敗なくスピーディにデータが得られるようになった。非破壊検査のため設備を停止せずに稼働したままリスク診断ができる。温泉施設では劣化を多数発見して全面改修につながり、詳細な診断により予算が円滑に承認され、破損や事故のリスク管理に役立った。劣化部分だけを順次改修できるため、建物の長寿命化と改修費の圧縮につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    建物や設備の維持管理業を手がけ、建物劣化調査事業を続けてきたとあり、過去の取組との一貫性はうかがえる。経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来の配管診断は部分的で曖昧になりがちだったと課題を述べ、独自の解析技術と1600件の検査データを強みとして示している。外部環境の分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    従来の診断の課題を示し、X線デジタル解析で肉厚や耐用年数を数値化して劣化部分だけを改修する、コスト圧縮につながる計画が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。改修費の圧縮という効果はうかがえるが、数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    設備系の技術者を増やし、非破壊検査データを長年蓄積した技術者の知識を活かしたとあり、人材体制の記述がある。事務処理能力は不明。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    温泉施設で劣化が多数発見され全面改修につながった事例、東京都庁への提案など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の遂行方法やスケジュール、中長期の課題解決手順は記載がなく、特許技術の採用拡大を目指すという方向性のみが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    配管の寿命診断という分野は一般に普及していない印象だが、普及度について具体的記述はない。X線デジタル解析による高精度化は述べられている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    災害時の経験から安心安全に寄与すると述べ、医療機関や公共施設の事故予防を挙げている。波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    稼働中に非破壊で検査でき、改修費を圧縮できると述べているが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    高精度X線のデジタル解析と独自の判定方式を特許化し、建物の長寿命化に応用する先端的な取組が具体的に示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    建物設備の長寿命化やインフラ保全に触れているが、市場成長分野への進出や構造転換との関連は明確には書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    北海道の企業として道内での実績を今後還元すると述べ、地域との関わりは読み取れるが、雇用創出や地域成長への具体的効果は示されていない。

今後の展望

北海道以外からの要望が多く、そこで実績を積んで道内の顧客にも還元したいと考えている。特許技術を設備設計業務のジャッジングにも用いる方針である。

  • 目標:1600件の検査データを分析して診断技術を確立した

事業者の声

中小企業が研究開発にかける予算は限られます。今回の挑戦は、補助金という力がなければ不可能でした

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。