ものづくり補助金平成25年度建設業京都府

大型モーターの整備・再生技術の向上による新市場への挑戦(負荷試験装置の導入)

株式会社大平電機

この事例のポイント

  • 大型モーターの修理後に負荷運転試験ができず、修理結果を完全に再現できない。
  • 110KWまでの大型モーターの修理・再生技術の向上を目指し、大型モーター用の負荷試験装置を導入した。
  • 負荷試験装置の導入により、修理後の大型モーターの技術的な信頼性が向上し、大手モーターメーカーと同レベルの技術力で勝負できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大平電機
所在地京都府 綾部市
業種設備工事業
技術分野測定計測
従業員数18人
資本金2,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は昭和29年に自動車の電装部品の修理から始まり、平成元年に社名を株式会社大平電機に変更した。大型回転機を中心に電気工事や制御盤の設計・製作まで業務を広げてきた。モーターは小型化、精密化が進み、大型モーターは小型化、分散化の方向にあるため、大型モーターを得意とする修理サービスはニッチな分野である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型モーターの修理後に負荷運転試験ができず、修理結果を完全に再現できない。
  • 新製品・新技術大手モーターメーカーと同レベルの技術力で勝負できる修理・再生技術を備えていない。
  • コスト・採算数千万円以上する負荷試験装置は、設備投資できる余裕がなかった。

やったこと

110KWまでの大型モーターの修理・再生技術の向上を目指し、大型モーター用の負荷試験装置を導入した。装置は負荷試験装置本体と制御装置、回生コンバータからなる。試験するモーターをベルトで結合し、装置本体を発電機として機能させて負荷を与え、制御装置で負荷を0%から100%まで無段階に変化させられる。回生コンバータを介して電力を試験用モーターの電源にフィードバックするため、試験運転の電力を大幅に減らせる。運転時の回転数、音や振動、トルク、電流などを測定する。

加工機大型モーター負荷試験装置(負荷試験装置本体、制御装置、回生コンバータ)

新しい製品・サービス:大型モーター負荷試験装置を用いた、大型モーターの負荷試験対応の修理・再生サービス。

事業の効果

負荷試験装置の導入により、修理後の大型モーターの技術的な信頼性が向上し、大手モーターメーカーと同レベルの技術力で勝負できるようになった。試験運転の電力を大幅に減らせ、負荷運転のコストダウンにもつながっている。大手メーカーからの引き合いが多数寄せられ、モーターの修理の受注は確実に増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    電装部品の修理から大型モーター修理へと事業の根幹を続けてきたことは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大型モーターは小型化・分散化で市場がニッチだが、大手メーカー並みの技術力で勝負すると明記され、競争優位の狙いが読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    無負荷試験では修理結果を再現できないという課題認識は具体的だが、高付加価値化の数値目標や計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注は確実に増えていると述べられるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    若手技術者の採用や技術レベル向上への取組、認定メンテナンス会社としての実績が書かれており、体制の一端がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大型モーターの負荷試験を求める大手メーカーの声や、負荷試験の対象と運転環境に応じた測定内容が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    設置後の社内テストや今後の制御装置開発への応用は書かれるが、遂行スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達2

    数千万円の高額装置を導入するための設備投資余裕がなかったと書かれるが、資金調達の見込みは示されていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大型モーターの修理・負荷試験は大手メーカーの独占的な設備で、ニッチな分野であると明記されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    モーターが生産ラインの復旧に重要という点はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    回生コンバータで試験電力を大幅に減らせる点や、受注増が語られ、費用対効果の一端は読み取れるが数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    モーターの小型化・精密化など市場動向に触れるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    綾部という地域での大型モーター修理事業は示されるが、地域経済の成長や雇用創出への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大型モーターの制御技術と組み合わせ、インバーター制御の大型モーターシステム全体の保守点検や、新しい制御装置の開発、商品化などに応用展開できると考えている。

事業者の声

「大平電機さん、そこまでやるのか」「それならうちのモーターの修理を頼もう」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。