ものづくり補助金平成25年度製造業青森県

安全安心・高品質な水産加工品を製造するための検査・包装工程の高度化

ぜんぎょれん八戸食品株式会社

この事例のポイント

  • 水産加工品の加工時に石や金属片などの異物が混入し、異物除去が不十分であった。
  • X線異物検出機とX線異物検出機を導入し、金属探知機と併用していた既存設備では発生する多種多様な異物を完全に除去することが困難と判断し、X線の透過画像から金属以外の異物も高感度に検…
  • X線異物検出機により、軟質・低コントラストの異物も高精度に検出できるようになり、異物除去率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名ぜんぎょれん八戸食品株式会社
所在地青森県 八戸市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,測定計測

事業の背景

弊社は八戸漁港で水揚げされるイカ、サバを冷凍加工・販売しており、生協、JA、量販店などで一般消費者向け・業務用に供給している。食の安全と安心への関心が高まり、消費者は品質に加え安全性を選択基準とするようになっている。水産加工のクレームの多くは異物混入と品質劣化によるもので、弊社の全クレームの35%が異物混入によるものであり、業界では50%に及ぶと言われている。弊社の売上の生協のPB商品は85%程度を占める。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度水産加工品の加工時に石や金属片などの異物が混入し、異物除去が不十分であった。
  • 品質・精度加工後に品質が劣化しやすく、真空包装工程の高度化が課題となっていた。
  • 人手・技能既存の真空包装機は商品ごとに段取りを要し、不具合発生時の対応に時間がかかり、メンテナンス時期を知らせる機能もなかった。
  • 生産能力真空漏れが発生すると作業停止時間が一日30~45分に及び、高品質な加工品を供給する上での大きな課題となっていた。

やったこと

X線異物検出機とX線異物検出機を導入し、金属探知機と併用していた既存設備では発生する多種多様な異物を完全に除去することが困難と判断し、X線の透過画像から金属以外の異物も高感度に検出する方式を採用した。真空包装機はしめさば・しめさば昆布締め商品の真空包装工程にてピロー包装と連動させ、シール不良自動停止装置や自己診断機能、メンテナンスお知らせ機能を活用した。X線異物検出機はヤリイカ加工時の冷凍・包装・検品工程で石、金属の錆、ウニのとげ、網の破片等の除去に試用し、新型高感度センサによる軟質・低コントラストの検出と、被検査品の形状及び微小異物検出技術を組み合わせた複合アルゴリズムでの微調整機能により高精度な検出を可能にした。

検査測定X線異物検出機
加工機真空包装機

事業の効果

X線異物検出機により、軟質・低コントラストの異物も高精度に検出できるようになり、異物除去率が向上した。真空包装機により、トラブル箇所や原因・対策の把握が速やかにでき、今後は商品製造時の不良品発生率を抑えられる見込みである。異物除去率と品質が向上した商品は、クレームや商品回収のリスクが軽減され、同業他社との差別化と優位性の保持につながる。生産増加にも結びつき、収益性の向上が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の金属探知機とX線異物検出機の併用という取組の延長線上に今回の導入があると読めるが、中長期の経営戦略との位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    生協PB商品が売上の85%程度を占めると書かれ、生協を中心に既存市場でのシェアアップを目指す方針が示されている。強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    異物によるクレームが全体の35%、業界では50%に及ぶ課題と、真空漏れによる作業停止が1日30~45分という具体的な課題が示され、設備で解決する流れになっている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、生産増加や収益性向上が見込まれるとの定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは生協やJAなどの具体的な取引先で、異物除去と品質向上による差別化が商品価値として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備の機能による課題解決は書かれているが、導入スケジュールや中長期の検証過程についての記述はほとんどない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    イカ加工品の市場規模は示されているが、導入設備の分野が新市場や高付加価値化に当たるかは読み取れない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    食の安全への社会的関心の高まりやアジア市場への展開が書かれ、社会的意義はうかがえるが、国が補助する理由としての波及効果は具体的でない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額は書かれておらず、費用対効果を判断する数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    新型高感度センサや複合アルゴリズムの活用は書かれているが、地域やサプライチェーン全体への貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    八戸漁港の水揚げを原料にした地域の水産加工として位置付けられているが、雇用や地域経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

引き続き生協を具体的なユーザーとして既存市場でのシェアアップを目指すとともに、冷凍保存が可能で長時間の流通網に対応できることから、アジアを中心とした海外市場への展開も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。