ものづくり補助金平成25年度製造業青森県

回転陽極X線管用部品「CY-7364-4」の生産プロセス改善による競争力強化

大蔵工業株式会社

成果工程数 6工程→3工程

この事例のポイント

  • 回転陽極X線管用部品は新興国向け需要が高まる中で、シェア拡大のために市場から製品価格の低減が求められていた。
  • 本事業に必要な最新の複合加工機を導入し、回転陽極X線管用回転体部品「CY-7364-4」の製造における工程集約化を図った。
  • 工程数 6工程→3工程。複合加工機の導入により、NC旋盤、マシニングセンタ、ボール盤で行っていた第1~4工程が一工程に集約され、全体工程も3工…

事業者のプロフィール

事業者名大蔵工業株式会社
所在地青森県 川崎市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野精密加工

事業の背景

弊社は旋盤用部品等製造業として創業し、現在はX線装置部品と自社開発の紙枚数計数機、帯掛機などを製造している。主要製品の回転陽極X線管用部品は、新興国向け需要が高まる中、シェア拡大には製品価格の低減が求められていた。当該製品の製造は従来6工程で、NC旋盤、マシニングセンタ、ボール盤の3機種を使用していたため工程間の繋がりが悪く、仕掛品の滞留も発生していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算回転陽極X線管用部品は新興国向け需要が高まる中で、シェア拡大のために市場から製品価格の低減が求められていた。
  • 生産能力当該製品は従来6工程からなり、NC旋盤、マシニングセンタ、ボール盤の3機種を使用していたため工程間の繋がりが悪く、仕掛品の滞留が生じてリードタイムが延びていた。

やったこと

本事業に必要な最新の複合加工機を導入し、回転陽極X線管用回転体部品「CY-7364-4」の製造における工程集約化を図った。導入設備の操作講習に参加した後、導入設備を使用した製造工程を構築するためテスト加工を行った。テスト加工では、従来の第1~4工程を一工程に集約できたものの想定より加工時間が大幅に延びたため、機械動作システムを見直して最短動作に変更し、穴面取り加工を円弧から突き加工に変更し、工具の材質を考慮して切削条件を上げた。外径仕上工具のチップ寿命が短命だったため、4種のチップをテストして最良品を選定し、工具を1本追加して各工具への負荷を分散した。外径仕上加工用予備工具の自動補正が適切に機能しなかったため、加工方法を見直してプログラムを変更し、自動計測及び補正のタイミングを変更した。連続加工時の端材による機械破損の可能性には、端材落下部に別作保護カバーを設置した。長尺材使用で主軸最高回転数が制限されサブ主軸側の端面加工の仕上りが悪かったため、加工プログラムをメイン主軸側とサブ主軸側に分け、双方に主軸最高回転数を設定した。

加工機複合加工機

事業の効果

  • 工程数 6工程→3工程

複合加工機の導入により、NC旋盤、マシニングセンタ、ボール盤で行っていた第1~4工程が一工程に集約され、全体工程も3工程に短縮された。製造工程の集約に伴い加工所要時間の短縮も果たした。製品「CY-7364-4」のコストを削減し低価格の提示が可能となったことで、得意先T社の価格低減要請に応じられるようになった。今後は新興国向け需要拡大への参画や、S社・H社への展開、欧州のX線管メーカーへの売り込みによる受注・取引拡大を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    旋盤用部品製造から始まりX線装置部品を主力とする歩みと、回転陽極X線管用部品の主力化が書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    新興国需要の高まりとシェア拡大の必要性、欧州X線管メーカーとの取引実績が書かれ、外部環境と強みは読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    6工程で工程間の繋がりが悪く仕掛品が滞留していたという課題を、工程集約で3工程に短縮した点が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    価格低減やリードタイム短縮は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    操作講習への参加やテスト加工による課題対応は書かれるが、人材や事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    得意先T社の価格低減要請や新興国需要への参画など顧客ニーズは書かれるが、選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋4

    テスト加工で見つかった技術的課題と対応策が表で具体的に整理され、課題解決の方法が明確に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    X線管用部品は新興国需要で拡大しているとあるが、同分野での高付加価値化・高価格化を図る記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    新興国需要の拡大や取引拡大によるサプライチェーン上の位置づけがうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    工程集約によるコストと加工時間の削減、価格提示の可能性が書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面20%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

得意先T社の新興国向け需要拡大計画への参画により取引量の増大を図る。同タイプの部品を扱うS社、H社にも成果を活用して受注拡大を目指す。欧州のX線管メーカーとの取引実績を活用し、コスト削減した当該製品を海外市場へ売り込み、取引品目の拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。