ものづくり補助金平成28年度製造業山梨県

スマートフォン用部品金型の高精度化・短納期化のための生産体制改善計画

ユージーエム株式会社

成果加工時間(試作1) 240分→144分

この事例のポイント

  • 取引先から安定供給と短納期化を求められており、金型の起工から生産までの時間を短くする必要があった。
  • ものづくり補助事業を活用して三井精機工業製のジグ研削盤J300Gを導入した。
  • 加工時間(試作1) 240分→144分。新しい設備の導入により、高精度の加工を短時間で行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名ユージーエム株式会社
所在地山梨県 横浜市泉区
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野精密加工
従業員数257人
資本金4,520万円
設立1957年

事業の背景

ユージーエム株式会社は、スマートフォンやパソコン、ゲーム機に使われる小型の精密コネクターやスイッチなどを製造している。工場は横浜市、山梨県忍野村、中国広東省の3か所にあり、山梨事業所は1978年に金型工作部門の拡充のため忍野村に移転して始まった。スマートフォンは先進国で普及が進み、今後は新興国での出荷台数の伸びが期待されており、主要取引先からはコネクター部品の納期短縮と納入数の増加が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程取引先から安定供給と短納期化を求められており、金型の起工から生産までの時間を短くする必要があった。
  • 品質・精度従来のジグ研削盤でノック穴を加工すると、プレート間の位置合わせに影響する予期せぬピッチずれが起き、最大6µmの誤差が出ることがあった。
  • 人手・技能±3µm以上の誤差には作業員が顕微鏡で測定して修正作業を行っており、大きな負担になっていた。
  • 納期・工程従来の研削盤ではノック穴の加工に作業時間がいずれも240分かかっていた。

やったこと

ものづくり補助事業を活用して三井精機工業製のジグ研削盤J300Gを導入した。新たに導入した機械は自動測定が可能で、先端にダイヤモンドが散りばめられた砥石の付いた軸を超高速回転させて研削と研磨を行う。試作としてストリッパープレート(試作1)とダイスプレート(試作2)の2種類のプレートを用意し、ノック穴の研削加工を行って位置精度と加工時間を測定した。型サイズ500mm超のプレート、型サイズ450mmから500mmのプレートでもずれが生じず、より短い時間で加工できることを確認した。

加工機ジグ研削盤(三井精機工業製 J300G)

新しい製品・サービス:自動測定が可能なジグ研削盤(三井精機工業製 J300G)

事業の効果

  • 加工時間(試作1) 240分→144分
  • 加工時間(試作2) 240分→151分
  • 位置精度 6µm→1.8µm

新しい設備の導入により、高精度の加工を短時間で行えるようになった。位置精度は金型で要求される精度を上回る±1.8µmが確認され、修正作業の負担も減らせる見込みである。金型研削加工工程の短縮が可能になり、顧客の短納期の要望に応えられる体制を構築できた。これまで納期が合わずに断っていた仕事も社内に取り込めるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    山梨事業所は研削加工技術と経験を蓄積してきたとあり、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    取引先からの安定供給・短納期要求と小型部品の精度要求を踏まえ、ジグ研削盤導入で高精度・短納期を実現し、他社との差別化につながると述べている。

  • 課題の認識と解決5

    位置精度±1.8µm、作業時間240分から試作1で144分、試作2で151分へ短縮と数字で課題解決効果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    作業時間を240分から144分・151分に短縮し、±1.8µmの精度を確認したと数値で目標達成の根拠が示されている。

  • 事業を進める体制3

    山梨事業所で長年の研削加工経験があり、若手育成や採用にも触れているが、補助事業の遂行体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小型精密コネクターの高精度化・納期短縮という取引先ニーズ、スマホ市場の拡大を根拠に、選ばれる理由として他社との差別化を述べている。

  • 事業化までの道筋2

    導入機の活用により納期短縮分の受注を取り込む方針はあるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小型精密コネクター金型は同分野での高精度化を図る取組と読めるが、普及度や高価格化の数値的根拠は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    スマホ市場の拡大や山梨事業所での地域雇用創出・地域経済への貢献が述べられているが、波及効果の定量的な裏付けは薄い。

  • 費用対効果3

    作業時間の短縮や納入数増加は読み取れるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ジグ研削盤の自動測定機能は述べられているが、サプライチェーンへのイノベーション貢献としての記述は限定的である。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    スマホ市場の成長や新興国での需要拡大に触れているが、日本経済の構造転換への言及はうかがえる程度にとどまる。

  • 地域経済への波及4

    山梨事業所で地域の雇用を創出し、ものづくり人材輩出と地域経済発展に貢献すると述べ、地域の特性を活かした取組と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

山梨事業所で地域の雇用を創出し、ものづくりの人材を輩出して地域経済の発展に貢献していく考えである。導入機をさらに活用し、新しい金型にも取り組んでいく予定である。

事業者の声

「1人1台スマホを所有する時代です。中にある部品は普段全く見えませんが、誰もが知っている製品に使われていることに大変誇らしい思いがあります」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。