ものづくり補助金平成26年度製造業山梨県

穴明NC制御の精度向上および回路形成技術の応用による高速信号伝送プリント基板の開発

株式会社 平山ファインテクノ

成果残り量のばらつきは±28.3μmとなり目標を達成

この事例のポイント

  • 高多層プリント基板の穴明け後の不要部残り量にばらつきがあり、電気特性と安全性の観点から不要部を極力除去する必要があった。
  • 機械メーカーと共同で、バックドリル機能付きの6軸ドリル穴明機を新たに導入した。
  • 残り量のばらつきは±28.3μmとなり目標を達成。高多層の高速信号伝送プリント基板を高品質かつ低コストで製品化できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 平山ファインテクノ
所在地山梨県 川崎市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野機械制御,精密加工
従業員数157人
資本金9,000万円
設立1954年

事業の背景

同社はプリント基板の設計・製造を手掛け、少量多品種の製品を得意としている。電子機器の高速・大容量化により、信号を伝送するプリント基板への要求は高まり、大きな成長も見込まれている。プリント基板の製造は現在アジア圏に移行しているが、高多層や高機能など付加価値の高い基板では国内の高い技術が求められており、20層以上の高多層プリント基板は今後の需要拡大が期待されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度高多層プリント基板の穴明け後の不要部残り量にばらつきがあり、電気特性と安全性の観点から不要部を極力除去する必要があった。
  • 生産能力現有する穴明設備では加工精度のばらつきなどの問題を解決することが難しかった。
  • 品質・精度他社と同じ精度では差別化できず、他社実力値の1/2である140μm±60μmを目標にする必要があった。
  • コスト・採算従来のビルドアップ工法は層数増加に比例してコストが上がる。

やったこと

機械メーカーと共同で、バックドリル機能付きの6軸ドリル穴明機を新たに導入した。この穴明機はドリルの先端をセンサーとして使い、接触時の導通信号をCNC装置が読み込んで加工深さを検出する。これにより高い深さ精度での加工を実現した。バックドリル工法では、同社独自の電着レジストを用いて表面の凸凹がない外層銅メッキ後にバックドリル加工を行い、穴明け深さ精度を上げた。加工後のスルーホールの導通信号で全穴の加工深さを検査する方法も確立した。

加工機バックドリル機能付き6軸ドリル穴明機

新しい製品・サービス:高多層プリント基板の高速信号伝送プリント基板

事業の効果

  • 残り量のばらつきは±28.3μmとなり目標を達成
  • バックドリル工法により従来工法に対して工程数の半減が可能

高多層の高速信号伝送プリント基板を高品質かつ低コストで製品化できるようになった。不要部残り量のばらつきは±28.3μmとなり目標を達成し、伝送損失の低減、電気的接続信頼性の確保、伝送信号品質の安定化を実現した。全穴の検査が業界で初めて可能になり、検査記録も残せるため信頼性の高い製品を提供できる。今後は20層以上の高多層プリント基板の受注拡大が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    事例には過去の取組として多層基板の高速伝送への取組が示されるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高速・大容量化の需要拡大と、少量多品種を得意とする自社の強みを踏まえ、他社の1/2の目標値で差別化した点が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    ビルドアップ工法のコスト増という課題を、工程数の半減を可能にするバックドリル工法で解決する計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    仕上がり目標値を他社実力値の1/2の140μm±60μmとし、残り量ばらつき±28.3μmで目標達成したと書かれている。

  • 事業を進める体制2

    開発を担当した技術部生産技術課や機械メーカーとの共同開発が書かれるが、人材や事務処理体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ニーズとして高多層基板の市場や受注拡大の期待は書かれるが、顧客ターゲットの整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    開発の経緯は書かれるが、今後のスケジュールや中長期の課題検証は記載がほぼ読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    20層以上の高多層基板で他社が追随できない精度を実現し、高付加価値化を図る点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    高速・大容量化の需要拡大や国内技術の必要性は触れられるが、波及効果や雇用創出の記載は乏しい。

  • 費用対効果3

    工程数の半減やコスト低減の方向性は書かれるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    全穴の深さ検査を業界で初めて可能にした点が書かれ、製造プロセスの革新性はうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高速・大容量通信機器の需要拡大に触れるが、日本経済の構造転換との関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    山梨県上野原工場の所在は書かれるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

20層以上の高速伝送高多層プリント基板の受注拡大が期待でき、新規顧客にも加工精度をアピールして受注拡大を進めていく。

事業者の声

他社が追随できない品質が実現できたことは大きな成果です。20層以上の高速伝送―高多層プリント基板の受注拡大が期待できます

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。