ものづくり補助金平成25年度製造業青森県

凍結乾燥法による高品質即席食品の試作開発と自動包装器の導入

株式会社はとや製菓

この事例のポイント

  • 青森・函館間の新幹線開通を受け、両地域の商圏を対象とした冷凍乾燥食品の商品開発が課題となっていた。
  • 地域特産素材(いかの塩辛、サケ、ホタテ、海峡マグロ)の成分・色・味・テクスチャ等の基本性状を把握する特性試験を行った。
  • いかの塩辛の生臭みや塩分の課題は、減塩・ゴロ無しの素材に変更して改善した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社はとや製菓
所在地青森県 青森市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境

事業の背景

弊社は青森県で和菓子及び洋菓子の製造・販売を行い、近年はりんごのソフトスナックやカップスープなど冷凍乾燥食品事業も展開している。レトルト食品や冷凍乾燥食品は単身世帯の増加により需要が高く、東日本大震災以降は備蓄食料としても関心を集めている。平成28年3月に青森・函館間の新幹線が開通したことにあわせ、両地域の商圏を対象とした冷凍乾燥食品の開発が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術青森・函館間の新幹線開通を受け、両地域の商圏を対象とした冷凍乾燥食品の商品開発が課題となっていた。

やったこと

地域特産素材(いかの塩辛、サケ、ホタテ、海峡マグロ)の成分・色・味・テクスチャ等の基本性状を把握する特性試験を行った。いかの塩辛はみそ味、ゆず入、調味加工無しの3種で加工の検証を行い、フリーズドライ加工後に官能試験(味・香・外観)を実施した。社内で官能試験と配合試験を繰り返し、ご飯120g・お湯130cc相当分に適合する調味料と素材の配合量を決定した。導入した自動包装機、インクジェットプリンタ、インクジェットコンベア、ベルトコンベアを用いて動作検証を行い、製品化を想定したテスト製造と実証試験を実施した。

加工機自動包装機
その他インクジェットプリンタ
その他インクジェットコンベア
その他ベルトコンベア

新しい製品・サービス:冷凍乾燥食品「のっけ丼茶漬け」(いかの塩辛、サケ、ホタテを素材とした高級志向のお茶漬け)

事業の効果

いかの塩辛の生臭みや塩分の課題は、減塩・ゴロ無しの素材に変更して改善した。ホタテとサケは素材の味を十分に引き出せた。椎茸のフリーズドライを追加して試作品の完成度を高めた。海峡マグロは脂の影響でフリーズドライ化が困難となり断念した。導入設備によりコンパクトな包装が可能となり、効率的で安全な量産体制を確立した。軽量で保存性が高いため土産品としての需要も見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    冷凍乾燥食品事業を既に展開し、りんごスナックやカップスープを手がけてきたことは書かれているが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    新幹線開通による青森・函館双方の商圏を狙う点や地域特産素材の活用は読み取れるが、競争優位の根拠となる強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    単身世帯増加と備蓄需要という課題認識と、試作・量産体制の確立は書かれているが、売上や付加価値の目標値はない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社内での官能試験や配合試験を繰り返した点はうかがえるが、人材や事務処理体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高級志向のお茶漬けで、軽量・保存性が高く土産需要が見込めると、製品の特長と想定顧客が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    いかの塩辛の課題を減塩素材に変更、海峡マグロは断念、粉末後の固形化が課題と、課題と解決策が具体的に整理されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    冷凍乾燥の地域特産素材を使った高級志向のお茶漬けで、一般的な普及度が高くない分野に挑んでいる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地域特産素材の活用や土産品・道の駅での販路など地域波及はうかがえるが、雇用や経済効果の数字はない。

  • 費用対効果2

    導入設備でコンパクトな包装が可能になったとあるが、投入額や付加価値増加の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動包装機やインクジェットプリンタを使った量産体制はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    単身世帯の増加に伴う個食化や一層の市場拡大への言及はあるが、構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    青森・函館の地域特産素材を使い、新幹線海峡路線を活かした青函コラボ商品として地域性が明確に示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

青函コラボレーション商品として、土産店や道の駅、デパートや大手スーパーでの販売も検討している。単身世帯の増加に伴う個食化を背景に、冷凍乾燥食品の一層の市場拡大が期待できる。今後の課題は海峡マグロの素材化と、フリーズドライ後の粉末の固形化である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。