ものづくり補助金平成25年度製造業高知県

新クリーム製造方法による新商品開発と、品質向上・コストダウンおよび技術蓄積

株式会社 スウィーツ

成果生産効率 1倍→2.8倍

この事例のポイント

  • 一般の製菓メーカーでは使いこなしにくいため、クリームを自社で生産できず、独自クリームを開発して他社と差別化する必要があった。
  • フレッシュクリームマシーンを含むクリーム製造設備を導入し、雪ヶ峰牧場のジャージー乳を使った独自クリームの試作と開発を行った。
  • 生産効率 1倍→2.8倍。ピロー包装機の導入により主力商品を自動包装に切り替え、生産効率が大きく向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 スウィーツ
所在地高知県 南国市
業種食料品製造業
従業員数35人
資本金2,000万円
設立2006年

事業の背景

当社は菓子製造会社で、カタログギフト商品やOEMの売上が大半を占めていた。平成24年7月に経営革新計画の承認を受け、冷凍技術を活かした「アイスで食べるスイーツシリーズ」を開発し、夏場に落ち込むスイーツ市場の活性化と自社ブランド構築に取り組んできた。競合の多いチルド商品ではなく冷凍商品で差別化を図っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術一般の製菓メーカーでは使いこなしにくいため、クリームを自社で生産できず、独自クリームを開発して他社と差別化する必要があった。
  • 生産能力商品数と生産量を増やすには製造工程の効率化と品質向上が必要だった。
  • 品質・精度素材の異なる商品群を金属検知機だけで網羅的に検査することが難しく、一段階上のリスクマネジメント体制と競争力強化が求められていた。

やったこと

フレッシュクリームマシーンを含むクリーム製造設備を導入し、雪ヶ峰牧場のジャージー乳を使った独自クリームの試作と開発を行った。一般の製菓メーカーでは困難とされた配合や製法を深く研究し、独自クリームの開発に成功した。ピロー包装機一式を導入し、ラインアップと包材を検討しながら試作を行った。X線検査装置一式を導入し、検知器のレベル1〜5それぞれの基準値を設定して異物混入テストを実施した。基準値を小さくすると誤検知が増え、大きくすると検知漏れが起きるため、各レベルで最適な基準値を導き出した。

加工機クリーム製造設備一式(フレッシュクリームマシーン)
加工機ピロー包装機一式(自動個包装機)
検査測定X線検査装置一式(異物混入検査機器)

新しい製品・サービス:ジャージー乳の独自クリームを使ったエクレア、シュークリーム、アイスブリュレ、ロールケーキ、シューラスク、クリーム大福などの新商品ラインナップ

事業の効果

  • 生産効率 1倍→2.8倍
  • 従業員数 1倍→1.3倍

ピロー包装機の導入により主力商品を自動包装に切り替え、生産効率が大きく向上した。X線検査装置の導入で品質管理レベルが大きく上がり、アルミカップ入りのアイスブリュレも自信を持って提供できるようになった。独自クリームによって他社製品と差別化でき、作業効率、品質、価格競争力が高まった。事業後の商品展開が広がり売上も伸び、従業員数も増えて新たな成長段階に入った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成24年7月に経営革新計画の承認を受け、アイススイーツシリーズを開発してきた経緯が書かれており、過去の取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    競合の多いチルド商品ではなく、自社の強みである冷凍技術を活かす方針と、雪ヶ峰牧場のブランド力に言及している。数値による裏付けは乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    課題として品質向上、コストダウン、リスクマネジメント体制構築の3点が挙げられている。設備導入で生産効率が約2.8倍になったと書かれ、実効性がうかがえる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産効率が約2.8倍、売上高は順調に伸び、従業員数は1.3倍になったと書かれている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    パティシエの技術力の蓄積や人材育成には触れているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    雪ヶ峰牧場のジャージー乳を使った独自クリームや、アイスブリュレの表面の食感など、製品の差別化要素が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    リスクマネジメント体制の構築、品質向上、商品ラインナップ充実の方向性は示されているが、スケジュールや解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ジャージー乳を使った独自クリームを特殊ノウハウで開発し、一般の製菓メーカーでは使いこなせなかった製法を実現したと書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域食材の高知県田野町の塩や雪ヶ峰牧場の素材を活かし、新たな雇用も生み出すと書かれているが、経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    設備導入で生産効率が約2.8倍になり、従業員数が1.3倍になったと数字で示されており、費用対効果の根拠がある。

  • イノベーションへの貢献2

    X線検査装置によるリスクマネジメント強化は書かれているが、先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルの活用はうかがえない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    冷凍技術を活かした夏場のスイーツ市場の開拓や、海外市場への展開が視野に入ると書かれている。構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    高知県の地域食材(田野屋塩二郎、雪ヶ峰牧場のジャージー乳)を活用し、新たな雇用創出にもつながると具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入に至らなかったエンローバーなどの設備で補強し、さらなる商品開発を図る。パティシエの技術力を重視して自動化と住み分けることで、大量生産にはない付加価値と新たな雇用を生み出す。リスクマネジメント体制を整え、大手取引先との信用構築を進め、国内外に市場を広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。