ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業青森県

地域の農畜産物を利用したソーセージの製造

美保野グリーン牧場株式会社

成果1ロットの生産量 30kg→80kg

この事例のポイント

  • 手作業での製造のため生産量に限界があり、増加する受注要望に応じることが困難だった。
  • ソーセージ製造の各工程に必要な設備を導入した後、テスト製造を行った。
  • 1ロットの生産量 30kg→80kg。各工程の最大加工量が増え、手作業だった工程が機械化されたことで、1ロットあたりの生産量も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名美保野グリーン牧場株式会社
所在地青森県 八戸市
業種飲食料品卸売業
技術分野製造環境
設立1973年

事業の背景

弊社は1973年(昭和48年)の設立以来、業務用の食肉卸や冷凍食品、冷凍マグロの販売に取り組んできた。近年は新規分野として食肉加工に進出し、主に豚肉の加工食品を生産している。青森県八戸市産の銘柄豚「美保野ポーク」を原料とした生ハムやつくね等は評判が高く、2013年(平成25年)に「八戸美保野ポーク」の商標を出願・登録し、同原料の製品に適用している。さらに青森県産「津軽海峡の塩」を調味料とし、保存料等を一切使用しないソーセージの製造・販売を開始したところ、県内外のスーパーや百貨店から高評価を得て増産の要望が多く寄せられた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業での製造のため生産量に限界があり、増加する受注要望に応じることが困難だった。

やったこと

ソーセージ製造の各工程に必要な設備を導入した後、テスト製造を行った。ミンチ工程ではジャイアントステンレスミンチを導入し、大量の処理能力と短縮ロールの採用により、肉が熱を吸収しないため詰まりを防止でき、みずみずしさや天然の色を失わずに加工できるようにした。練り工程ではサイレントカッター(ナイフスピード・回転数が高い)と、マイコン制御により室温や水温に左右されず1年中安定した氷を供給できるチップアイス製造機を導入した。浄水器は用途、設置スペース、使用水量に合わせられ、ミネラルイオンを残して有機塩素化合物を除去できるものを導入した。混合工程ではMの羽根を標準装備したフードミキサーを、充填工程ではロータリー式で送肉し定量充填と捻りを一連で自動的に行うオートスタッファーを導入し、作業員1名での腸詰作業を可能にした。包装工程では、PID制御とロング熱板により高品質シールを実現し、脱気・シール・印字を一工程に集約できる自動梱包機パワーシーラーを導入した。

加工機ジャイアントステンレスミンチ
加工機サイレントカッター
その他チップアイス製造機(製氷機)
その他浄水器
加工機フードミキサー
加工機オートスタッファー
その他自動梱包機パワーシーラー

新しい製品・サービス:「津軽海峡の塩」を調味料とし、保存料等を一切使用しないソーセージ

事業の効果

  • 1ロットの生産量 30kg→80kg
  • 月間生産量 2t→12t
  • 製造工程数(ミンチから充填まで) 4工程→2工程

各工程の最大加工量が増え、手作業だった工程が機械化されたことで、1ロットあたりの生産量も向上した。ミンチ工程から充填工程が4工程から2工程に集約されたため、少人数での製造が可能になった。試食評価では、肉の食感や旨味が従来の手作り製品と同様に美味であると高く評価された。従来の品質を保ちながら生産量を大幅に増やし、ソーセージ製造工程の機械化による増産体制の確立という目的を達成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の食肉卸・冷凍食品から食肉加工へ進出し、八戸美保野ポーク製品の増産が経営の方向性として示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地域ブランド商標の登録、県内外の百貨店やスーパーからの高評価と増産要望など、強みと外部需要が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で月間約2tの生産量に限界があったという課題に対し、機械化で約12tへの増産を図る具体的な計画になっている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    月間約2tから約12tへの増産、売上200万円/月を平成29年600万円、平成32年1,200万円/月とする数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    少人数製造が可能になったとあるが、体制や人材、事務処理能力の確保については記載がうかがえない程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    青森県産の津軽海峡の塩・無添加の安心安全、地域ブランドを強みとし、生活協同組合など想定顧客も具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    試作と試食評価、既存取引先への販売見込みが書かれているが、中長期の検証や遂行スケジュールは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    無添加の津軽海峡の塩を使ったソーセージで高評価を得たとあるが、分野全体の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の農畜産物を利用した製品で、地域ブランドの推進に触れているが、経済波及や雇用創出の記載は乏しい。

  • 費用対効果3

    生産量が1ロット30kgから80kgに向上し、少人数化も実現したと書かれているが、投資額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    食肉加工への進出により事業領域を広げたとあるが、市場成長分野や構造転換への言及は限定的である。

  • 地域経済への波及4

    青森県八戸市産の銘柄豚を原料とし、地域ブランドを推進して県内外に販路を広げる地域資源活用型の事業である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ソーセージ製品は1,000円/kgで販売しており、月間売上高を平成29年に600万円、平成32年に1,200万円とすることを目指している。主なユーザーは既存取引先の青森県内の百貨店やスーパーに加え、以前から引き合いのあった「生活協同組合さっぽろ」と「パルシステム千葉」を想定している。さらに日本ハムグループでソーセージの製造・販売に携わってきた社員のコネクションにより、「イオン岡山店」での販売も見込まれている。

  • 目標:月間売上高 200万円→1,200万円

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。