ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

高性能三次元測定機導入による自動車設計開発用部品等の受注拡大

株式会社千田精密工業

成果測定可能ワークサイズ(X) 500mm→1,200mm

この事例のポイント

  • 大型の試作部品について、自社では切削加工はできるものの加工精度の品質保証を自社で行えず、受注機会を逃していた。
  • 大型の試作部品等の高精度切削加工に対応するため、大型の高性能三次元測定機を導入し、加工精度の品質保証を自社内で行う体制を構築した。
  • 測定可能ワークサイズ(X) 500mm→1,200mm。大型の高精度三次元測定機の導入により、エンジン・ミッションのような1mを超える大物部品や複雑な曲面形状の部品について、…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社千田精密工業
所在地岩手県 奥州市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,測定計測
従業員数118人
資本金8,000万円
設立1979年

事業の背景

当社は半導体製造装置の部品加工を中心に、航空機部品、自動車用金型などの精密金属部品加工を行い、高い金属切削技術を有している。その技術が評価され、国内の大手自動車メーカーなど数社から、設計開発段階にある部品の試作品の加工を依頼されることも多い。これらの試作品はブロックからの削り出しで作られ、発注元からは高精度の切削加工技術に基づく製品と品質を保証する測定データが求められる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型の試作部品について、自社では切削加工はできるものの加工精度の品質保証を自社で行えず、受注機会を逃していた。
  • 品質・精度現有の三次元測定機は測定可能ワークサイズが小さく、複雑な形状の品質測定が困難で、製品の品質保証ができなかった。
  • コスト・採算岩手県工業技術センターなどに製品を持ち込んで測定することもあったが、発注元からの短納期要求に対応しきれなかった。
  • 人手・技能使い慣れない測定機の扱いに戸惑うなど、測定に関する課題があった。

やったこと

大型の試作部品等の高精度切削加工に対応するため、大型の高性能三次元測定機を導入し、加工精度の品質保証を自社内で行う体制を構築した。導入した大型測定機の測定可能ワークサイズは、X=1,200mm、Y=1,200mm、Z=1,000mmで、従来機のX=500mm、Y=400mm、Z=400mmから拡大した。曲面が多数ある複雑形状部品の測定にも対応できる。測定機のオペレーターの人材育成にも力を入れ、習熟した社員は4名おり、速やかに精度測定ができる体制を整えている。

検査測定大型高性能三次元測定機

事業の効果

  • 測定可能ワークサイズ(X) 500mm→1,200mm
  • 測定可能ワークサイズ(Y) 400mm→1,200mm
  • 測定可能ワークサイズ(Z) 400mm→1,000mm

大型の高精度三次元測定機の導入により、エンジン・ミッションのような1mを超える大物部品や複雑な曲面形状の部品について、加工精度の品質保証を自社内で行えるようになった。測定データの品質保証書の作成まで一貫して行えるようになり、測定にかかるリードタイムを大幅に短縮できた。工程の途中でも測定機で確認できるため、高精度の切削加工を安定的に行えるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に切削加工技術が評価され大手自動車メーカーから試作部品の依頼を受けてきたことが書かれ、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    受注機会を逃していた理由として測定可能ワークサイズ(500×400×400mm)の不足が具体的に示され、強みと弱みが明確に対比されている。

  • 課題の認識と解決4

    品質保証の自社化で測定リードタイムを大幅に短縮し、大物試作部品の受注拡大につなげる計画が明示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    受注拡大を図るとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制4

    習熟した社員4名がおり、測定機オペレーターの人材育成にも取り組んでいることが具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    衝突実験用部品やモーターショー展示部品など高精度試作需要が見込まれ、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の運用や社内体制の方向性は述べられているが、スケジュールや中長期の検証内容は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大型の高精度試作部品の測定対応という高水準の取組とされるが、分野の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    ILC関連産業の集積や東北地域の自動車関連産業の振興に貢献すると述べられているが、波及効果の定量的な根拠は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかに効果がうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    三次元測定機による品質保証の高度化は読み取れるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体のイノベーションとしての記載は乏しい。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    自動車関連や航空機分野への対応は書かれているが、日本経済の構造転換に資する具体的な進出の説明は薄い。

  • 地域経済への波及4

    岩手県奥州市の地域企業として東北の自動車関連産業を盛り上げ、地域産業の発展に寄与する意図が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業の成果を取引先の大手自動車メーカー等にアピールし受注につなげるとともに、東北地域の自動車関連産業を盛り上げたい。衝突実験用部品やモーターショーの展示会部品、デザイン決定のプレゼン用部品など高精度を求められる試作部品の需要が見込まれ、ILC関連産業の集積にも地域企業を牽引して貢献したい。

事業者の声

加工の途中段階でも精度を測定できるようになり、よりよい製品をつくれる環境が整った

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。