ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

工程改善と成形金型の改良で他社との違いがひと目でわかる傷無製品の実現

株式会社共栄テック

この事例のポイント

  • 金属加工品で無キズ製品の要求が高まる中、無キズ製品の生産に積極的に取り組む企業は少ない。
  • ブランク複合設備の選定を行い、レーザー切断加工と穴あけ加工を同一設備で行える「工程統合マシン」を導入した。
  • 新たに構築した加工ラインと従来の加工ラインで製造した製品の外観を比較すると違いが明らかに確認され、加工キズの80%が解消された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社共栄テック
所在地岩手県 北上市
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工
従業員数47人
資本金1,000万円
設立2005年

事業の背景

当社は精密板金加工を中心に、設計から製品組み立てまで行っている。電子機器、通信機器、半導体製造装置、コンピューター周辺機器などの筐体や部品は板金加工で製造されることが多く、特に高い加工精度や寸法公差の少ない加工は精密板金と呼ばれる。金属加工品の無キズ製品への要求が高まっているが、加工キズの解消に取り組む企業は少ないのが現状である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度金属加工品で無キズ製品の要求が高まる中、無キズ製品の生産に積極的に取り組む企業は少ない。
  • 品質・精度ブランク設備は稼働時間とともに部品が消耗し、加工キズが付きやすい状態になる。
  • 新製品・新技術他社との差別化を図るため、加工キズを解消した無キズ製品の生産環境が必要だった。

やったこと

ブランク複合設備の選定を行い、レーザー切断加工と穴あけ加工を同一設備で行える「工程統合マシン」を導入した。メーカー推奨のメンテナンスに加え、当社独自のメンテナンス項目をリストアップして妥当性を精査し、メンテナンス内容と頻度を設定した。マシンのブラシによる素材の浮き上げ高さを定期的に確認・維持する方法を定め、加工後の受け渡し時の金属接触を防ぐため受けテーブルにカーペットを敷くこととした。材質や板厚別に加工条件を実験で設定し、ブランク加工の加工条件マニュアルを作成して操作盤に登録し、過去の好条件も登録した。治工具と曲げ工程の成形金型を自社の工作機械で整備・改良し、キズが付きにくい金型を試作して新たに起工した。

加工機工程統合マシン(ブランク複合設備)
金型曲げ工程用の改良成形金型

新しい製品・サービス:加工キズのない無キズ製品を生産する新たな加工ライン。ステンレスやアルミ製の外観部品を含む。

事業の効果

新たに構築した加工ラインと従来の加工ラインで製造した製品の外観を比較すると違いが明らかに確認され、加工キズの80%が解消された。特にキズが付きやすいがキズのない製品の要求が多いステンレスやアルミ製品への効果が大きい。これまで受注を断念していたステンレスやアルミ製品の外観部品の受注も可能になった。改良した金型の図面データを他の成形金型の改良にも活かせ、無キズ製品を保持する管理体制の構築にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の精密板金事業の延長で無キズ製品に取り組んだと読めるが、過去の取組との一貫した位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    無キズ製品を取り組む企業が少ない点に着目し、外観キズ需要への対応で差別化を図ると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    加工キズの課題を特定し、ブランク設備のメンテナンスや金型改良で解消、ステンレス・アルミの受注拡大へつなげる計画が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工キズ80%解消という実績は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員47名の規模と社内の管理体制構築は書かれるが、補助事業の遂行体制や人材の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無キズ製品への半導体・医療機器・情報機器業界からのニーズ、ステンレス・アルミ外観部品の受注可能性が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    マニュアル化、実験、治工具整備など遂行手順は書かれるが、スケジュールや中長期の検証は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    無キズ製品に取り組む企業が少ない中、同分野で高品位加工を図る点が書かれ、差別化の意図が明確である。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国内製造業の市場縮小の中で国内製造を守る意義はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数字は加工キズ80%解消のみで、投入額に対する付加価値増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれず、工程統合マシンの導入に留まる。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    精密板金の高付加価値化に言及するが、日本経済の構造転換に資する記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

半導体、医療機器、情報機器業界のキズなし製品に加え、精度が求められる部品や筐体の受注に努めたい。国内製造業全体の市場規模は縮小傾向にあるが、外観キズのない製品は海外に発注されず国内で製造されているため、加工キズを出さない工程を追究し続け受注拡大を目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。