ものづくり補助金平成24年度山口県

施設園芸用資材「ステンレス箔製テープヒーター」の商品完成度・生産性の向上

光メタルセンター株式会社

この事例のポイント

  • 特定の元請企業との取引に依存しており、業績が元請企業の動向に左右される。
  • 受託加工しているステンレス薄板の用途を開発し、いちごの株元を局所加温する専用のテープヒーターを商品化した。
  • 導入した設備により、空気圧での打ち抜きが安定し、手作業中心だった製造を量産できる体制になった。

事業者のプロフィール

事業者名光メタルセンター株式会社
所在地山口県 光市
業種非鉄金属製造業
技術分野金属プレス加工
従業員数53人
資本金1.5億円
設立2014年

事業の背景

当社はチタン薄板やステンレス薄板などの加工を行い、主な取引先は地元の大手鉄鋼メーカーである。元請企業の動向に業績が左右される構造から、6年前より独自事業を模索していた。いちご栽培では株元の加温に通常ボイラーでハウス全体を温める方法が使われ、燃料・材料コストが高くついていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他特定の元請企業との取引に依存しており、業績が元請企業の動向に左右される。
  • 生産能力製造工程のほとんどが手作業のため、1時間あたり約90メートルしか製造できなかった。
  • 品質・精度作業負担が大きく、安定した品質の製品を製造することができなかった。
  • 販路・情報発信既存の取引先以外への販路開拓が進まず、販路開拓が大きな課題となっている。
  • 人手・技能販売を担当する社員が2名と少人数で、営業が不足している。

やったこと

受託加工しているステンレス薄板の用途を開発し、いちごの株元を局所加温する専用のテープヒーターを商品化した。今回の補助事業では、より使いやすいように商品の完成度を高め、コストダウンを図った。大規模な栽培施設向けにもプレス加工を施し、高品質の商品を安定的かつ効率的に生産できる体制を構築した。ステンレス薄板のプレス自動送り装置、専有ミニコンプレッサー、打ち抜き機を導入し、空気圧による打ち抜きで品質を安定させた。加温部の長さや形状を変えられるようにして、ニーズに合う長さに調整できるようにした。

新しい製品・サービス:ステンレス製テープヒーター「クラウンヒーター」

事業の効果

導入した設備により、空気圧での打ち抜きが安定し、手作業中心だった製造を量産できる体制になった。株元だけを局所的に加温する仕組みで、ハウス全体を温める必要が減り、電気代やボイラーを含むトータルの燃料コストの削減が見込まれる。農業生産法人などへの納入実績もあり、一定の評価を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性いちご栽培の暖房費約50%節減や燃料コスト4~6割削減、ステンレス素材の軽量・耐食性を強みとして挙げ、競争優位性が具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決ボイラーとビニールの二重化による高コストという課題を挙げ、局所加温で解決する具体的な事業計画が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1時間あたり約90メートルしか製造できなかった課題に対し、生産性向上の目標値は明示されていないが、燃料コスト削減の数値目標は示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    イノベーションへの貢献ステンレスの加温特性を活かした新用途開発は読めるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用はうかがえない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に助成金でテープヒーターを開発し省エネ実証を経て、新事業として位置付けている流れは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    いちご栽培の暖房費約50%節減や燃料コスト4~6割削減、ステンレス素材の軽量・耐食性を強みとして挙げ、競争優位性が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    ボイラーとビニールの二重化による高コストという課題を挙げ、局所加温で解決する具体的な事業計画が示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1時間あたり約90メートルしか製造できなかった課題に対し、生産性向上の目標値は明示されていないが、燃料コスト削減の数値目標は示されている。

  • 事業を進める体制3

    専属社員2名の新商品開発チームで研究開発を進めた体制は読み取れるが、少人数で営業が不足する課題も記述されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    いちご栽培農家や農業生産法人をターゲットとし、局所加温による電気代削減という選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    販路開拓が課題として挙げられ、ホームページ充実や訪問営業の実施が示されているが、スケジュールや期限は明記されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス製テープヒーターは新分野で、いちご栽培の株元局所加温という用途が示され、普及度の低い分野への挑戦と読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    農業の燃料コスト削減という社会的意義は読めるが、地域経済や雇用創出への波及効果は具体的な記述が薄い。

  • 費用対効果4

    ビニールハウスの暖房費を約50%節減し、トータル燃料コストを4~6割削減できる費用対効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    ステンレスの加温特性を活かした新用途開発は読めるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用はうかがえない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    農業分野の省エネ化という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する具体的な記述は見られない。

  • 地域経済への波及3

    地元の大手鉄鋼メーカーの協力企業として地域に根ざす点は読めるが、地域の特性を活かした成長牽引の記述は薄い。

今後の展望

販路開拓が課題であり、ホームページの充実といちご栽培農家への訪問営業を実施していく予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。