ものづくり補助金平成25年度製造業福井県

連続ロール圧延加工技術確立による高級腕時計用材料の製造工程短縮の実現

ヤマウチマテックス・エンジニアリング株式会社

成果リードタイムが約3割削減

この事例のポイント

  • 従来のチタン異型線は、高強度のため加工に多くの工程数が必要で、熱処理などを含めてリードタイムが長かった。
  • 従来の生産方式とは異なる連続ロール圧延加工の生産技術を確立した。
  • リードタイムが約3割削減。連続ロール圧延により熱処理などの工程数が減り、チタン異型線のリードタイムが約3割削減された。

事業者のプロフィール

事業者名ヤマウチマテックス・エンジニアリング株式会社
所在地福井県 福井市
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工
従業員数52人
資本金2,500万円
設立2010年

事業の背景

同社は眼鏡材料のチタン加工で30年以上の実績があり、国内眼鏡市場でリム、丁番などに使われるチタン製異型線で高いシェアを持つ。10年ほど前から眼鏡材料の開発製造ノウハウを生かして高級腕時計市場に進出し、国内のバンドメーカー向けにチタン異型線を提供してきた。高級腕時計のバンドは加工しやすいステンレスが一般的で、チタンは強度・軽さ・耐食性などに優れるものの加工工程が多いことが課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のチタン異型線は、高強度のため加工に多くの工程数が必要で、熱処理などを含めてリードタイムが長かった。
  • 品質・精度従来の生産方式で作ったチタン異型線は、顧客先で光沢処理が必要だった。
  • 新製品・新技術ステンレス製バンドが主流の高級腕時計市場で、付加価値の高いチタン製バンド材料を提供する必要があった。

やったこと

従来の生産方式とは異なる連続ロール圧延加工の生産技術を確立した。原材料の純チタンは高強度でゆっくり時間をかけて圧延する必要があるが、連続ロールで圧延することで、熱処理工程などを削減した。これにより光沢性・審美性の高いチタン異型線の製造を実現し、顧客先での光沢処理を不要にした。現在、同社が製造する高級バンド用異型線の半数は新生産方式に移行している。

新しい製品・サービス:連続ロール圧延加工によるチタン異型線(高級腕時計用バンド材料)

事業の効果

  • リードタイムが約3割削減

連続ロール圧延により熱処理などの工程数が減り、チタン異型線のリードタイムが約3割削減された。光沢性の高い異型線を供給できるようになり、顧客先での光沢処理が不要になった。高級腕時計バンドの付加価値を高め、国内高級腕時計メーカーのブランド力向上に寄与すると見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    眼鏡材料のチタン加工で30年以上の実績があり、腕時計バンド市場へ10年ほど前から進出したとあるが、経営戦略上の位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    光沢性の高いチタン異型線を顧客に供給でき、顧客先での光沢処理が不要になったと、強みと競争優位性が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    高強度チタンの多工程加工が課題とされ、連続ロール圧延で熱処理工程を削減しリードタイムが約3割削減されたと具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    リードタイムが約3割削減と数値目標の成果が示され、現在は高級バンド用異型線の半数が新生産方式に移行しているとある。

  • 事業を進める体制2

    従業員数52人や創業からの歴史は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ステンレス製バンドに対抗する付加価値の高いチタン製バンド材料を提供し、国内高級腕時計メーカーのブランド力向上に寄与すると書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望としてブランド向上への寄与は書かれているが、中長期の課題検証や遂行スケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス製が一般的な高級腕時計バンドに対し、光沢性と審美性を高めたチタン異型線で高付加価値化を図る点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内高級腕時計メーカーのブランド力向上への寄与は書かれるが、波及効果や雇用創出の具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果3

    リードタイム約3割削減という効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値額増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    連続ロール圧延という新生産技術の確立は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に記述されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    高級腕時計市場やグローバル展開、自動車・航空宇宙への進出視野が書かれるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    福井の地域企業として眼鏡用チタン加工を手がけ、国内高級腕時計の高級化を支えるとあるが、地域経済への効果の記述は薄い。

今後の展望

ステンレス製バンドを使うスイスをはじめとする海外メーカーに対抗する、付加価値の高いチタン製バンド材料を提供し、国内高級腕時計メーカーのブランド力向上に寄与していく。

事業者の声

つくれない異型線はない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。