ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

再生医療向け高機能マイクロチューブポンプの製品開発

株式会社アイカムス・ラボ

成果吐出圧 100kPa→200kPa

この事例のポイント

  • 再生医療分野に特化した高機能なマイクロチューブポンプを商品化するには、小型化、微小流量の高精度化、耐薬品性や耐久性の向上が必要だった。
  • 岩手大学との共同研究で、耐アルカリ性・耐酸性を有するチューブ材料を用い、内径0.5mm、外径1mmのマイクロチューブを成型する金型を開発した。
  • 吐出圧 100kPa→200kPa。培養液を人の手を介さず自動で交換でき、細胞へのストレスを抑えられる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイカムス・ラボ
所在地岩手県 盛岡市
業種その他の製造業
技術分野接合・実装
従業員数28人
資本金4,227万円
設立2003年

事業の背景

当社は超小型ギア付きモーターのマイクロアクチュエーターとその応用製品を開発・製造・販売している。減速機の歯車にプラスチック製を用い、不思議遊星歯車方式で部品数を抑えて低価格化を実現している。本補助事業の製品開発は、数年前にある大学の研究室からの依頼に端を発している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術再生医療分野に特化した高機能なマイクロチューブポンプを商品化するには、小型化、微小流量の高精度化、耐薬品性や耐久性の向上が必要だった。
  • 品質・精度培養液の微小な流れを高精度に制御し、細胞へのストレスや雑菌混入のリスクを抑える必要があった。
  • 生産能力培養液交換の作業時間が長く、作業者の負担が大きかった。

やったこと

岩手大学との共同研究で、耐アルカリ性・耐酸性を有するチューブ材料を用い、内径0.5mm、外径1mmのマイクロチューブを成型する金型を開発した。定電流駆動の制御基板を開発し、吐出圧を市販品の100kPaから200kPaまで上昇させ、気泡除去に必要なトルクを向上させた。ポンプ部は凹凸嵌合でワンタッチ交換でき、交換式のディスポーザブル方式とした。流路部分は分子接合技術で細胞毒性のある接着剤を使わず、使い捨てカセットタイプとした。電子線滅菌法に耐える材料を選定し、製品梱包後でも滅菌できるようにした。産業技術総合研究所との共同研究で細胞培養実験を行い、特性を実証した。

加工機マイクロチューブポンプ(培養液自動交換システム CytoAuto)

新しい製品・サービス:培養液自動交換システム「CytoAuto」

事業の効果

  • 吐出圧 100kPa→200kPa

培養液を人の手を介さず自動で交換でき、細胞へのストレスを抑えられる。コンタミネーションのリスクが減り、培養液交換の作業時間が大幅に低減して作業者の負担が軽くなる。使い捨てカセット方式により研究費用や製造コストの削減につながり、再生医療の高品質な細胞を低価格で提供するニーズに合う。細胞を凍結せずに培養しながら搬送できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    小型歯車開発やマイクロチューブポンプ試作という過去の取組からの流れは読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許技術の不思議遊星歯車や精密歯車金型、岩手大学との共同研究など自社の強みが具体的に示され、他社比較の小型性も書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    培養液の作業負担や気泡制御といった課題の認識は読めるが、高付加価値化や成長の定量的な計画までは示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げに関する目標値は書かれておらず、わずかに販売拡大の方向性がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    開発部グループマネージャーが関わったと書かれ、共同研究先もあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    再生医療における高品質な細胞を低価格で提供するニーズに合致し、ディスポーザブルで投与精度が高い点など選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    製品化後の細胞採取から投与までの精密医療機器開発や海外販売の計画は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    再生医療向けで培養液自動交換という新たな製品であり、世界初として注目されていると書かれ、高付加価値化の方向性が読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    再生医療分野のニーズや海外展開による関連会社設立が書かれるが、雇用創出や波及効果の定量的な記述は少ない。

  • 費用対効果2

    研究費用やコストの削減、作業時間の大幅低減とあるが、補助金投入額に対する効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    細胞を凍結せず培養しながら搬送できる点や精密医療機器の一連の流れを網羅する開発計画が示され、イノベーションへの貢献がうかがえる。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    ライフサイエンス分野への重点展開と再生医療分野への進出が書かれ、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    岩手県盛岡市の企業であることは書かれるが、地域の特性を活かして雇用や地域成長を牽引する記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ライフサイエンス分野に重点を置き、細胞採取・分析・培養・搬送・投与までを網羅する精密医療機器の開発を進める。細胞移植装置も開発中で、関連会社を設立し海外への直接販売を開始している。

事業者の声

再生医療バリューチェーンを構築したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。