ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

金属加工工場向け強アルカリイオン水生成装置の開発及び商品化

不二プラント工業株式会社

成果電解水生成能力 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 主力の集塵機とクーラントタンクに加え、新たな収益の柱となる製品が必要だった。
  • 最新の炭酸ガスレーザー加工機を導入し、これまで外注していた試作部品を内製化できるようにした。
  • 電解水生成能力 1倍→2倍。炭酸ガスレーザー加工機の導入により試作部品と筐体板金を内製化し、開発スピードが速まり技術の外部流出も防げた。

事業者のプロフィール

事業者名不二プラント工業株式会社
所在地岩手県 八幡平市
業種生産用機械器具製造業
技術分野製造環境
従業員数42人
資本金3,000万円
設立1970年

事業の背景

当社は「環境」をテーマに、金属工作機械等の産業用機械に搭載される集塵機やクーラントタンクの設計・製作を行ってきた。近年は新たな収益の柱となる製品を開発するため検討を重ね、金属加工現場で切削油や洗浄剤の代替として使える強アルカリ電解水に着目した。金属加工現場では揮発性の高い有機溶剤や切削油脂の使用削減が喫緊の課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術主力の集塵機とクーラントタンクに加え、新たな収益の柱となる製品が必要だった。
  • コスト・採算内製による価格競争力を保ち、他社と差別化するため、高い能力と高品質な電解水の生成を実現する必要があった。
  • 新製品・新技術強アルカリ電解水生成装置の市場参入では後発企業となるため、製品に優位性をもたらす必要があった。

やったこと

最新の炭酸ガスレーザー加工機を導入し、これまで外注していた試作部品を内製化できるようにした。電解セルの設計と試作品製作、筐体板金の設計と効率的製造プロセスの構築を行い、それに基づいて試作開発機を製作した。電解セルの電極はチタンに白金メッキを施したものを用いていたが、コストと性能の面から課題があり、チタンに代わる4種類の金属を電気抵抗率、コスト、流通量から選定し、腐蝕性を検証しながら新材料を決定した。平成26年9月1日〜11月11日に開発と設計を行い、平成27年2月20日〜3月20日に試作機を製作して社内評価試験を実施した。

加工機炭酸ガスレーザー加工機

新しい製品・サービス:強アルカリ電解水生成装置

事業の効果

  • 電解水生成能力 1倍→2倍
  • 電解セルユニットの板金製作は約70%まで内製化が達成され、材料変更により価格コストは1/5まで削減できた
  • 材料の変更により塗装占有部分が1/10に削減された
  • 板金外注時よりも組み立て工数が約30%削減された

炭酸ガスレーザー加工機の導入により試作部品と筐体板金を内製化し、開発スピードが速まり技術の外部流出も防げた。電解セルユニットの板金製作は約70%内製化され、材料変更で価格コストは1/5に削減された。筐体板金も全て内製化され、塗装占有部分は1/10になり、組み立て工数は約30%削減された。結果として市場競争力のある製品を商品化でき、強みは長寿命と大きな生成容量、低い生成コストにある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の集塵機・クーラントタンクと同じ環境機器分野で、新たな柱となる製品を開発する経緯が書かれている。過去事業との一貫性は読み取れるが具体性は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    後発企業である点を認識し、他社比2倍の生成能力や材料変更による価格1/5削減、内製化による優位性を挙げており、強み・弱みへの言及がある。

  • 課題の認識と解決4

    課題として切削油・有機溶剤の代替需要を挙げ、電解セル内製化や材料変更で実効的に解決する計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    他社比2倍の生成能力という目標や部品コスト1/5、組立工数約30%削減が示されるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    開発・設計は本社、板金は岩手工場が担当する体制や社内人員拡充が書かれるが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金属加工現場の切削油代替、ISO環境規格対応、無臭化・油煙抑制といった顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    デモ機の無償貸出、定期訪問によるフォロー販売、海外展開の見込みなど、遂行方法と段階的な計画が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    強アルカリ電解水は一般に普及途上の分野で後発とあり、同分野で電解セル内製化により高い性能・低コストを図る点が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    ISO環境規格の実現や産業廃棄物削減、作業環境改善など社会的意義は書かれるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    電解水1リットル当たりの生成コストが低い点や工数削減は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    レーザー加工機の導入や内製化は見られるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    環境意識の高まりによる切削油代替需要と海外需要の見込みがうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

電解水生成装置の大容量化やpH値向上など製品改良を進め、用途開発に注力する。使いみちや運用方法を提案し、定期訪問を重ねて最後まで責任を持つ販売体制を確立するため、社内の人員を拡充し営業体制を整えている。将来は東南アジアや中国の環境意識の高い海外企業の需要も見込んでいる。

事業者の声

強アルカリ電解水は顧客ニーズを反映した商品として今後の需要拡大が期待される。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。