ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

レーザーハンダ付けロボット導入による受注獲得計画

株式会社ウェーブクレスト

成果手作業製品に比べ引っ張り強度のばらつきが少ないことが確認された。

この事例のポイント

  • 電子機器の小型化に対応するため、レーザーハンダ付け技術を用いた実装基板の割合を高める必要があった。
  • レーザーハンダ付けロボットを導入し、メーカーを何度か訪問して使用条件や動作環境を含めた仕様を話し合った。
  • 手作業製品に比べ引っ張り強度のばらつきが少ないことが確認された。レーザーハンダ付けロボットは熟練技術者の手作業製品と同等の接合が可能で、仕上がりのばらつきが出ず品質の安定した製品を製…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ウェーブクレスト
所在地岩手県 宮古市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
従業員数40人
資本金3.1億円
設立1969年

事業の背景

当社は基板実装の受託製造を行い、小ロットから大ロットの量産品まで自動機・手動の一貫生産体制で対応している。主要取引先は事務用プリンターで高品質製品を販売する企業で、当社製造のプリンター部品(実装基板)は月産70〜80万個に及ぶ。近年は電子機器の小型化に伴い内蔵部品も小型化している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度電子機器の小型化に対応するため、レーザーハンダ付け技術を用いた実装基板の割合を高める必要があった。
  • 新製品・新技術今後主要取引先で生産が始まる新製品の部品受注を確保するため、基板実装技術を確立し品質向上を図る必要があった。
  • 人手・技能ハンダ付けの仕上がりが技術者のスキルによりばらつく問題があった。

やったこと

レーザーハンダ付けロボットを導入し、メーカーを何度か訪問して使用条件や動作環境を含めた仕様を話し合った。設置後、工場で試作を繰り返し、熟練技術者が手作業で作った製品とロボットの試作品を、周辺温度(熱影響)、X線による接合度合いの検査、引っ張り強度の測定の3項目で比較評価した。引っ張り強度は標準偏差により比較した。

ロボットレーザーハンダ付けロボット

新しい製品・サービス:レーザーハンダ付けロボットによる基板実装技術(新製品の部品受注に対応)

事業の効果

  • 手作業製品に比べ引っ張り強度のばらつきが少ないことが確認された。

レーザーハンダ付けロボットは熟練技術者の手作業製品と同等の接合が可能で、仕上がりのばらつきが出ず品質の安定した製品を製造できることが確認された。ハンダゴテによる熱影響で部品が劣化するのを防ぎ、人手では不可能な極小部品の局部的なハンダ付けも可能になり、生産技術の幅が広がった。技能がなくても操作でき、技術者育成期間の削減や、コテ先などの消耗品コスト・タクトの削減により工場全体のコスト削減にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    基板実装の受託製造を続けてきた経緯があり、新製品受注と自動車分野参入を視野に入れた導入と読めるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    小ロットから量産まで対応する一貫生産体制や熟練技術者の不足が書かれるが、市場動向と自社の強みを比べた分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    熱影響による品質低下や技術者不足という課題を挙げ、月産70〜80万個の量産体制への目途を示しており、課題と取組の対応が読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    月産70〜80万個や量産体制への目途は書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員40名、工場長と総務課主任の名前を挙げ、試作と評価を社内で実施した体制が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    熱影響の少なさや品質の安定、引張強度のばらつきの少なさを試験結果で示し、顧客ニーズへの対応が明確である。

  • 事業化までの道筋3

    メーカー訪問、試作、評価の進め方は書かれるが、スケジュールや中長期の課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達2

    資本金の増資には触れるが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    レーザーハンダ付けは近年登場した新しい技術で導入工場が少ないと書かれ、差別化の狙いも示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の人員不足への対応や雇用の維持に触れるが、波及効果や雇用創出の規模は具体的に示されていない。

  • 費用対効果3

    ランニングコストやタクトの削減、技術者育成期間の短縮が書かれるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新技術を率先して取り入れたと書かれるが、サプライチェーン全体への貢献や新しいビジネスモデルは示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    岩手県宮古市の沿岸地域で人員確保が難しい状況に触れるが、地域の経済成長への牽引は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新製品の部品受注は発注を検討中であり、今後は他の発注先との取引拡大や自動車産業への進出を目指す。沿岸地域では人員確保が難しい状況が続くため、基板実装の自動化は生産量の低下を防ぐ上で必要であり、生産体制と利益拡大に寄与すると考えている。

事業者の声

競争力維持のためには、先取りの技術革新が必要

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成26年度

カバーケースの進化にチャレンジ

代表取締役社長をリーダーに全社一丸の体制をとり、成形機用コンベアを含むインバーターコンプレッサー、新型の射出成形機、デジタルマイクロスコー…

群馬県製造業平成29年度

冷凍マグロ専用刺身醤油の試作開発

鰹節の厚さと抽出温度を管理するため、ガス式スチームコンベクション、小型鰹節削り機、プレハブ冷蔵庫、冷蔵ユニット、小型軽量充填機、打栓機を導…

効果:製造ロット 32.5kg→65kg

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。