ものづくり補助金平成25年度製造業長野県

次世代自動車ノイズ対策用の大容量チョークコイル製造装置の開発導入

株式会社日誠イーティーシー

この事例のポイント

  • 車載モーター用ステーターの製造では、巻線作業と溶接(はんだ付け)作業を別々のバッチ作業で行っており、生産性が低かった。
  • 車載モーター用ステーターの巻線工程とはんだ付け工程の自動化・連動化に取り組んだ。
  • 巻線作業とはんだ付け作業を連続工程で行えるようになり、バッチ作業の切り替えによる生産性の低下が解消された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社日誠イーティーシー
所在地長野県 上田市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野精密加工
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1980年

事業の背景

同社は1980年創業で、モーターおよびコイル製品を家電、車載部品、医療機器、アミューズメント機器など多様な分野に供給しており、コイル事業が売上の9割を占める。部材調達から巻線・組立・完成、専用治具や省力化設備の設計・製作、薄膜粉体塗装までを一貫して手がけることが強みである。かつては量産品の受注が主体だったが、バブル崩壊で仕事が激減し、会社存続の危機に直面したため、数を追わず高品質で日本になければ困る会社を目指す方針へ転換した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力車載モーター用ステーターの製造では、巻線作業と溶接(はんだ付け)作業を別々のバッチ作業で行っており、生産性が低かった。
  • 人手・技能機械へのセットが手作業のため、作業者による不良が発生していた。
  • 品質・精度手作業によるセットが原因で不良が生じ、品質が安定しなかった。

やったこと

車載モーター用ステーターの巻線工程とはんだ付け工程の自動化・連動化に取り組んだ。巻線とはんだ付けの自動機と治具を試作・開発し、別々のバッチ作業だった二つの工程を連続工程として一体化した。機械へのセットを自動化することで手作業を減らし、不良の発生を抑えた。試作と評価を重ねて、高品質、低コスト、リードタイム短縮を両立する自動化ラインを確立した。

事業の効果

巻線作業とはんだ付け作業を連続工程で行えるようになり、バッチ作業の切り替えによる生産性の低下が解消された。機械へのセットが自動化され、手作業による不良が減り、品質が高まった。加工の流れが一体化したことで低コストとリードタイム短縮も実現し、高品質で安定した自動化ラインが確立された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    量産受注から高品質の専門メーカーへ方針転換し、「日本になければ困る会社をめざそう」と明記している。過去の経験を設計に生かす点も読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    部材調達から完成、治具設計、薄膜粉体塗装まで一貫して手がけ、高品質かつ短納期に対応する強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    巻線と溶接の別工程や手作業のセットによる不良・生産性低下を課題として認識し、連続工程化で解決する方針が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員35人で一貫体制を持ち、大手メーカーとの共同研究や試作対応を行っていると書かれているが、補助事業の体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高品質、短納期、顧客ニーズにきめ細かく応える点と、不良が出ない設計提案が選ばれる理由として具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後も助成金を活用し自動機の開発に挑戦する考えが示されているが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    数を追わず高品質な専門分野に特化する方針は読み取れるが、一般的な普及度や高価格化の具体的な数字は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    国内生産による高品質なものづくりを次世代に残す姿勢はうかがえるが、経済波及や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    巻線とはんだ付けの自動化・連続化による省力化設備の開発が書かれているが、サプライチェーンへの波及は記載がない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    量産品中心から高品質な専門分野へ転換し、事業規模を縮小して生き抜いた構造的な方針転換が書かれている。

  • 地域経済への波及2

    本社所在地が上田市であることは書かれているが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記載は薄い。

今後の展望

今後も各種助成金を積極的に活用し、最先端分野で求められる機能を実現する製品づくりのための自動機の開発に挑戦していく考えである。

事業者の声

中国などの海外製品とはコストで勝負にならず、かといって海外に出るのもリスクが大きすぎる。悩みに悩みながら、事業規模を縮小して生き抜いてきました。そして、数を追わず、日本になければ困る会社をめざそうと取り組んできたのです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。