ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

自社製粉そば粉を原料とする土産・ギフト用半生そばの開発及び商品化

株式会社川喜

成果生そば麺の日持ち日数(冷蔵) 14日→90日

この事例のポイント

  • 合成保存料を使わないそば生麺は日持ちが約3日しかなく、店頭での販売日数が1〜2日程度に限られていた。
  • 半生そば麺の製造に適したプラントとして、ミキサー、複合製麺機、島田掛け調量機を補助金で新たに導入した。
  • 生そば麺の日持ち日数(冷蔵) 14日→90日。無添加でありながら冷蔵90日、常温60日という長い日持ちの半生そば麺が完成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社川喜
所在地岩手県 釜石市
業種食料品製造業
従業員数22人
資本金4,700万円
設立1949年

事業の背景

創業以来、可能な限り保存料を使わない麺づくりを基本に、中華麺・うどん・そばを製造・販売してきた。主力のそば生麺は食品添加物の少なさが評価され、首都圏の大手百貨店や高級スーパーマーケットで高い評価を得ている。一方で合成保存料を減らすと日持ちが短くなるという弱点があり、取引先からは更に長い日持ちを求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術合成保存料を使わないそば生麺は日持ちが約3日しかなく、店頭での販売日数が1〜2日程度に限られていた。
  • 品質・精度生麺を高温蒸気で殺菌しエタノールを添加する従来の方法では、そば本来の風味が損なわれてしまう。
  • 販路・情報発信日持ちが短いために流通ロスが生じ、全国展開やギフト商品化が難しい状況だった。

やったこと

半生そば麺の製造に適したプラントとして、ミキサー、複合製麺機、島田掛け調量機を補助金で新たに導入した。そば粉と小麦粉をそれぞれ50%とした高配合の試作を3回行ったが麺がつながらず失敗したため、両粉の合計重量の2%にあたるグルテンを加えて再試作した。2軸式ミキサーで15分撹拌して帯状の麺帯にし1時間熟成させた後、島田掛け調量機で切り出して乾燥機で半生状態まで乾燥させた。岩手大学農学部の三浦靖教授の指導のもと、塩水加水量をそば粉と小麦粉の総重量の36%、乾燥機内を低温の乾燥方式とし、乾燥時間を調整して冷蔵90日・常温60日の目標を達成した。

加工機ミキサー
加工機複合製麺機
加工機島田掛け調量機

新しい製品・サービス:保存料を使わない半生そば麺「いわて南部地粉そば」

事業の効果

  • 生そば麺の日持ち日数(冷蔵) 14日→90日
  • 常温で60日の日持ちを達成した

無添加でありながら冷蔵90日、常温60日という長い日持ちの半生そば麺が完成した。形状が整った半生麺となり、そば本来の風味を試食で評価してもらえた。大手スーパーマーケットへの納入が決まり、ギフト商品として受注が期待できるようになった。日持ちが延びたことで流通ロスの減少や首都圏以外への展開も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    そば生麺の日持ち短さという弱点を課題化し、保存料を使わない半生麺への転換を図った経緯が書かれている。一貫性は読み取れるが事業全体での位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    首都圏の大手百貨店や高級スーパーから日持ち延長を求められ、ギフト商品化を目指すという外部要望と自社の無添加麺の強みが整理されている。

  • 課題の認識と解決5

    日持ちは冷蔵14日から冷蔵90日・常温60日へ、流通ロス解消と販路拡大の目標が数値で示され、課題解決の計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    冷蔵90日・常温60日という目標値が設定され、試作と乾燥条件の調整で目標を達成したと記載されており実現性が読み取れる。ただし付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    岩手大学農学部の三浦教授の指導を受けたことや、製造プラントを導入したことは書かれているが、社内の人材や事務体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無添加で長い日持ち、ギフト最適、試食で風味を評価されたといった製品価値と顧客ニーズが書かれ、選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    試作の失敗から材料見直し、加水量36%、低温乾燥などの解決方法と段階的な試行が書かれており、遂行方法が具体的に読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    合成保存料を使わない冷蔵90日・常温60日の半生そば麺は一般的な普及度が低いと読み取れ、高付加価値化を狙う内容が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    釜石・岩手の復興の一助につなげたいという記述はあるが、波及効果や雇用創出の数値などは示されず、国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金で設備を導入したことは書かれているが、投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    大学との共同研究で殺菌装置を開発した点はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は記載がない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地域の自社農場のそば粉を使い、釜石・岩手の復興に貢献したいと書かれているが、雇用や地域成長への具体的な数値は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

無添加でより長く日持ちする麺づくりを続け、流通ロスを減らして全国展開を目指す。麺商品を通じて釜石・岩手の復興の一助にもつなげたいとしている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。