ものづくり補助金平成29年度製造業広島県

地域産品を使った製品の生産ラインを省力化し生産性向上と安全な製品作りを目指す事業

株式会社御菓子所高木

成果1時間あたりの生産数量 1倍(既存生産数量比)→1.5倍(既存生産数量比)

この事例のポイント

  • 製造工程は生地・餡ともに手絞りのため、力や体力を要し、充填に時間がかかっていた。
  • 万能充填機1基を導入し、力や体力を要する手絞り充填からの時間短縮、充填の定量化、形状の均一化を目指した。
  • 1時間あたりの生産数量 1倍(既存生産数量比)→1.5倍(既存生産数量比)。万能充填機の導入により1時間あたりの生産数量が既存の1.5倍に増加し、手絞りからの省力化が進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社御菓子所高木
所在地広島県 広島市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,製造環境
従業員数91人
資本金3,000万円
設立1951年

事業の背景

若い世代や観光客からの支持が広がる広島県産レモン使用の「ひろしま檸の菓」と、広島県産酒粕使用の「ひろしま吟醸菓 酒々」を製造していた。以前は、餡を使った食感の重い羊かんやきんつばなどの伝統的な和菓子を敬遠する消費者が増え、贈答用の菓子需要が減少する傾向にあった。一方で、世界遺産やカープ人気により観光客が年々増加する広島ではみやげ市場が活況であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能製造工程は生地・餡ともに手絞りのため、力や体力を要し、充填に時間がかかっていた。
  • 品質・精度手絞りのため製品重量にバラつきが生じていた。
  • 生産能力焼成工程で2%の焼成ロスが生じていた。

やったこと

万能充填機1基を導入し、力や体力を要する手絞り充填からの時間短縮、充填の定量化、形状の均一化を目指した。焼成窯1基を導入し、菓子の焼成データを記憶させ、焼成時間・温度・火力・排気を自動で制御することで、焼成ロスの減少と製品品質の安定化を図った。大型対向型金属検出機1基を導入し、0.6mmの鉄を検出できるなど、異物混入の判定精度向上を目指した。これらの機器により、広島の地域産品と餡を融合した和洋折衷で食感の軽い製品を、より効率的かつ安全に製造する体制を整えた。

加工機万能充填機
加工機焼成窯
検査測定大型対向型金属検出機

新しい製品・サービス:広島の地域産品と餡を融合した和洋折衷の食感が軽い製品(ひろしま檸の菓、ひろしま吟醸菓 酒々)

事業の効果

  • 1時間あたりの生産数量 1倍(既存生産数量比)→1.5倍(既存生産数量比)
  • 充填精度(基準量からのずれ) 5g→0.6g
  • 食品ロス率 2%→1%

万能充填機の導入により1時間あたりの生産数量が既存の1.5倍に増加し、手絞りからの省力化が進んだ。充填量は基準量に対して+0.2グラムから+0.6グラムの範囲に収まり、充填精度が大きく向上した。焼成窯の導入で食品ロス率は2%から1%に減り、金属検出機により製品の安全性もさらに高まった。「ひろしま檸の菓」は販売開始後4年間で販売個数が76%増加し、一般投票賞を受賞するなど支持を広げている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業100年の菓子屋で広島の地域産品を活かす方向性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    贈答需要の減少と観光客増加を挙げ、広島産レモン・酒粕を使った製品で若い世代や観光客を狙う根拠が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手絞りによる重量バラつきと焼成ロス2%という課題を示し、万能充填機や焼成窯で解決する計画が読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産数量を約3.5倍、充填精度を±5gから±0.5g、焼成ロスを2%から1%以下にする数値目標が明示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員の学習・訓練を継続すると述べるのみで、補助事業を遂行する体制の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ひろしま檸の菓の販売個数増加や受賞を挙げ、地域産品と餡を融合した製品の受け入れを示している。

  • 事業化までの道筋2

    今後の課題として生産効率の目標値達成を挙げるが、スケジュールや遂行方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    和洋折衷の軽い食感の製品という位置付けは読み取れるが、市場での希少性や高価格化の数値は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域産品の活用や観光振興への言及はあるが、波及効果や雇用創出を国が補助する理由としては具体性が薄い。

  • 費用対効果4

    約3.5倍の生産性向上や食品ロス半減など、投入設備に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    焼成データの記憶による自動焼成など設備の自動化はうかがえるが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    広島の地域産品を使い、観光客や県外需要を取り込んで高付加価値の菓子を生む点が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産効率を目標値まで高めていくことが引き続きの課題である。従業員の学習・訓練を継続し、積極的な営業活動を行いながら、広島の地域産品を使った高品質で安心・安全な菓子を県外や外国人観光客にも届けていく。

事業者の声

今求められている、よりよいもの

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。