ものづくり補助金平成25年度サービス業(他に分類されないもの)岩手県

建設機械業界初、モーションセンサー内蔵林業用アタッチメントの製造・販売

筑波重工株式会社

この事例のポイント

  • 既存の林業重機のアタッチメントは、アームを曲げた際に水平を保つことが難しく、操作を誤るとバランスを崩して重機が転倒する危険があった。
  • 重力軸センサーを組み込んだモーションセンサー内蔵林業用アタッチメントを開発した。
  • アタッチメントは水平を自動で保つため、木材の水平維持やスムーズな横移動といった複雑な操作が不要となり、初心者や高齢者でも安全に作業できる環境が整った。

事業者のプロフィール

事業者名筑波重工株式会社
所在地岩手県 岩手県九戸郡洋野町
業種機械等修理業
従業員数23人
資本金500万円
設立2009年

事業の背景

当社は創業以来、他社では扱えない難しい林業機械の修理や特殊車両・大型特殊機械の架装、特装を行ってきた。顧客の9割が林業関係者である。近年は林業の担い手が減少し、従事者の高齢化が進んでいる。林業は全産業の中で労働災害発生率が最も高く、その事故のほとんどは伐採技術の未熟さに起因している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の林業重機のアタッチメントは、アームを曲げた際に水平を保つことが難しく、操作を誤るとバランスを崩して重機が転倒する危険があった。
  • 人手・技能林業の担い手が減少し従事者の高齢化も進むなか、作業効率化のために高性能林業重機に頼らざるを得ない状況になっていた。
  • 人手・技能長尺の木材を集めて運ぶ作業は複雑な操作技術が必要で、経験の浅い従事者や高齢者には困難であり、労働災害につながるケースも多かった。
  • 生産能力アタッチメントの製造には肉厚で引っ張り強さの高い高張力鋼板の切断と高精度な溶接が必要だが、従来の設備では対応が難しかった。

やったこと

重力軸センサーを組み込んだモーションセンサー内蔵林業用アタッチメントを開発した。このアタッチメントはアームを動かしても自動で水平を保ち、旋回や伸ばす・縮める動作を滑らかに行える。製造のため、エアープラズマ切断機、ガス切断機、大型FD(Full Digital)溶接機(3台)、小型FD溶接機を導入した。エアープラズマ切断機により高張力鋼板の切断が可能となり、各種溶接機により高精度な溶接ができるようになった。試作機の使い勝手や耐久性を数社に依頼して試験を行い、動きが平滑で操作が簡単との評価を得た。

加工機エアープラズマ切断機
加工機ガス切断機
加工機大型FD溶接機(3台)
加工機小型FD溶接機

新しい製品・サービス:重力軸センサー内蔵の林業用アタッチメント(モーションセンサー内蔵林業用アタッチメント)

事業の効果

アタッチメントは水平を自動で保つため、木材の水平維持やスムーズな横移動といった複雑な操作が不要となり、初心者や高齢者でも安全に作業できる環境が整った。作業効率が大幅に向上し、アタッチメントの汎用化が可能になった。県内の林業事業者への納入が始まり、操作性と安全性の評価が口コミで広がって県外の林業事業者を含む数社からの受注が見込まれている。今後は林業人口の増大と労働災害の抑制につながることが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    顧客の9割が林業関係者で、他社では扱えない林業機械の修理や架装を続けてきたと書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    林業人口減少と高齢化という外部環境に対し、他社で扱えない難しい機械の修理・架装の強みを活かしてアタッチメントを開発したと具体的に読める。

  • 課題の認識と解決4

    林業の担い手減少と労働災害の課題を示し、重力軸センサー付きアタッチメントで簡易化する計画が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれておらず、受注見込みや県外からの数社受注といった程度のみ記載されている。

  • 事業を進める体制3

    製造・販売の体制として自社の修理・架装の経験や取引先への試験依頼が書かれるが、人材や事務処理能力の具体的記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    動きが平滑で操作が簡単という数社の試験評価や県内納入、受注見込みから、顧客ニーズと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    量産化後に改良を重ねて販売体制を整え、10月に海外展示会へ出展する予定が書かれ、時期は示されているが具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    日本初の重力軸センサー内蔵林業用アタッチメントで、建設機械業界初と明記され、高付加価値の新規性が具体的に読める。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    林業の担い手不足と高齢化、林業の労働災害発生率が全産業で最も高いことを挙げ、林業人口拡大の公益性が読み取れる。

  • 費用対効果2

    投入額や付加価値増加額の数値は示されず、作業効率が大幅に向上したという定性的な記述のみである。

  • イノベーションへの貢献4

    重力軸センサーの内蔵という先端技術の活用と、産学連携による研究開発や伐採トレーニング機の開発が書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    林業の安全化と担い手拡大は書かれるが、日本経済の構造転換への言及はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及4

    洋野町など岩手県北の林業地域の特性を挙げ、県内納入と県外受注につなげて地域の林業を支える事業と読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

モーションセンサー内蔵林業用アタッチメントの量産化が可能となり、今後は改良を重ねながら販売体制を整える。10月にドイツとオーストリアで開催される林業展示会に出展し、プレゼンテーションを行う予定である。産学連携で伐採技術のトレーニング機の研究開発にも取り組み、林業の安全体制づくりをサポートして林業人口の拡大を目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。