ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

酒造り工程の重要なポイントである「上槽」の品質向上計画

合名会社川敬商店

この事例のポイント

  • 濾過板と圧搾板の材質に起因するゴム臭や金属臭が清酒に付着する懸念があった。
  • 濾過圧搾機の濾過板と圧搾板を、ゴムシート付のアルミ製板からプラスチック製板に一新した。
  • 活性炭濾過工程を省くことが可能になり、清酒にゴム臭や金属臭が残らなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名合名会社川敬商店
所在地宮城県 宮城県遠田郡美里町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金3,135万円
設立1930年

事業の背景

「黄金澤大吟醸」が全国新酒鑑評会で13年連続金賞を受賞するなど、全ての製造工程で丁寧な酒造りを心掛けている。近年は若い年代での日本酒離れが顕著である。業界では若い世代の清酒ファン獲得が重視されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度濾過板と圧搾板の材質に起因するゴム臭や金属臭が清酒に付着する懸念があった。
  • 品質・精度その対策として行っていた活性炭濾過は、清酒の旨味も削いでしまうという欠点があった。
  • コスト・採算濾過圧搾機の改善を以前から検討していたが、資金面がネックになっていた。

やったこと

濾過圧搾機の濾過板と圧搾板を、ゴムシート付のアルミ製板からプラスチック製板に一新した。プラスチック製板にはシリコンゴムシートを装着した。これにより、ゴム臭や金属臭の原因を取り除いた。従来の活性炭濾過工程は不要になった。

加工機フィルタープレス型濾過圧搾機の濾過板・圧搾板(シリコンゴムシート付プラスチック製板)

事業の効果

活性炭濾過工程を省くことが可能になり、清酒にゴム臭や金属臭が残らなくなった。清酒の後味が深くなり、ふくよかな旨味も広がった。若い世代や女性にも受け入れられやすい清酒造りが可能になった。新しい濾過板と圧搾板は軽く、女性や高齢者でも容易に洗浄でき、作業時間も短縮された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    以前から濾過圧搾機の改善を検討していたと書かれ、黄金澤の金賞受賞など過去の酒造りへの取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    若い世代や女性をターゲットにする方針と、黄金澤大吟醸の13年連続金賞という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    ゴム臭・金属臭と活性炭濾過で旨味が削がれる課題を示し、板の一新で活性炭工程を不要にする解決策が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの数値目標は見当たらず、県外での販路開拓に結び付けたいという方向性のみが書かれている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数7人と書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は限定的である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    「果実のようなさわやかな香り」「ふくよかな旨味」という価値と、女性や若者に受け入れられやすい酒質が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入した板の内容は書かれているが、中長期の検証やスケジュールに関する記述は読み取れない。

  • 財務と資金の調達2

    資金面が以前のネックだったと書かれているが、財務状況や金融機関からの調達見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    「手搾りのよう」「ワンランク上の味わい」という客の声から高品質化が読み取れるが、数値や分野での位置付けは示されていない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    日本の伝統産業である酒造りを守りたいという思いはあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    板が軽くなり洗浄の負担と時間が減ったと書かれているが、補助金額に対する効果は数値で示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    宮城県の酒造組合の助言を受けたとあるが、地域の雇用や経済成長を牽引する記述はうかがえない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

女性蔵元が中心となり、女性をターゲットにした商品提案やイベントに積極的に参加する。若い世代の清酒ファン獲得に努め、清酒の魅力をアピールする。取引先や消費者へのリサーチ結果次第で新商品の開発にも着手したい。県外での販路開拓にも結び付けたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。