ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

洗濯しても縮まない服をつくるための、生地整形技術の試作開発

本吉スーツ有限会社

成果16素材33種類で幅丈ともに変化がないことが確認された

この事例のポイント

  • 生地は伸縮性があり、反物を芯棒に巻く際に伸びが発生し、縮み防止加工を施しても効果が薄い。
  • 省エネ型ボイラーを導入し、大量の蒸気をホフマン機を介して生地に当て、生地本来の寸法より不自然に伸びている状態を解消する生地整形技術を開発した。
  • 16素材33種類で幅丈ともに変化がないことが確認された。生地整形技術により、16素材33種類では幅丈ともに変化がなく、残りの34素材105種類でも無加工と比べて縮率がはるかに…

事業者のプロフィール

事業者名本吉スーツ有限会社
所在地宮城県 気仙沼市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数27人
資本金2,800万円
設立1980年

事業の背景

当社はニット衣服製造で培ったノウハウと設備を持つ縫製加工工場で、希少なカットリンキング技術を有し、サンプル作成から本生産まで衣料品の製造に一貫して対応している。衣料業界は非常に厳しい状況で、大手メーカーも事業を縮小している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生地は伸縮性があり、反物を芯棒に巻く際に伸びが発生し、縮み防止加工を施しても効果が薄い。
  • コスト・採算生地を安定させるための大量の蒸気を従来型のボイラーで発生させるとコストがかかりすぎる。
  • 品質・精度洗濯後に縮むことは現状では避けられず、製造現場では縮むことを見込んで大きめに製造している。

やったこと

省エネ型ボイラーを導入し、大量の蒸気をホフマン機を介して生地に当て、生地本来の寸法より不自然に伸びている状態を解消する生地整形技術を開発した。50素材138種類の生地で試験を行い、無加工の生地と生地整形技術を施した生地の洗濯後の縮率を測定した。その結果、16素材33種類では幅丈ともに変化がなく、残る34素材105種類では無加工と比べて縮率がはるかに小さいことが確認された。

その他省エネ型ボイラー
加工機ホフマン機

新しい製品・サービス:洗濯しても縮まない服(独自の生地整形技術を活用した服)

事業の効果

  • 16素材33種類で幅丈ともに変化がないことが確認された

生地整形技術により、16素材33種類では幅丈ともに変化がなく、残りの34素材105種類でも無加工と比べて縮率がはるかに小さくなった。従来の縮み対策と比べて格段に優れた技術を確立し、洗濯後の縮みを最小限に抑え、メーカーブランドの信頼性確保と消費者ニーズへの対応を実現した。一方で、生地整形技術を施した商品の価格転嫁が今後の課題である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    反物×ニットの縫製ノウハウを活かした技術開発という一貫性は読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    希少なカットリンキング技術と、40〜50代女性をターゲットにした高付加価値ブランドへの営業展開が具体的に書かれ、競争優位性が示されている。

  • 課題の認識と解決3

    洗濯後の縮みという課題と、今後の最大の課題である価格転嫁が明示されているが、事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    洗濯後の縮みを最小限にすることは示されているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員27人の縫製工場という情報はあるが、補助事業を遂行する体制や人材配置は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    縮みに悩む消費者ニーズと40〜50代女性という顧客ターゲット、競争優位性の理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    量産前の生地縮みテストという解決方法は示されているが、スケジュールや体制は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    洗濯しても縮まない服は一般的な分野ではなく、高付加価値化・高価格化を図る取組として具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    衣料業界の厳しさへの言及はあるが、国が補助する経済波及や雇用創出の理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    縮率が無加工と比べ大幅に小さくなったという効果は示されているが、補助金に対する付加価値増加の費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    省エネ型ボイラーの導入は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    気仙沼市本吉町の地域企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

縮まない服はメーカー、消費者ともに必要性の高い技術であり、40〜50代女性をターゲットとした高付加価値商品を展開するブランドへの営業展開に注力し、新たな受注獲得を図る。

  • 目標:生地によってはその時点で最大12.7%の縮みが発生した

事業者の声

デフレムードも解消されつつあるので、今後は再び良いものを求める時代になると期待しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。