ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

環境・人間工学的性能に優れるスマートフォン連携型フレキシブル有機EL 照明の開発

ヤグチ電子工業株式会社

この事例のポイント

  • 有機EL照明は高価なため普及が進んでおらず、新たな市場への進出が課題となっていた。
  • 当社の接合・実装技術と、株式会社タクラム・デザイン・エンジニアリングの立体造形・情報処理技術を融合し、スマートフォン連携型フレキシブル有機EL照明を開発した。
  • 事業終了後は開発した試作品をタクラムのスタジオで内覧会を行い、ヒアリングを進めている。

事業者のプロフィール

事業者名ヤグチ電子工業株式会社
所在地宮城県
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野情報処理,接合・実装,立体造形

事業の背景

次世代照明のLED照明は省エネ性能と耐久性能で順調に普及している一方、新たに開発された有機EL照明は高価なこともあり、いまだ普及しきれていない状況だった。有機EL照明の有望市場として、ギャラリーや美術館、博物館などで使用されるハイエンド照明が挙げられていた。当社はこれまで大手メーカーからの依頼に頼っていたが、取引先を広げて様々な製品を作るようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術有機EL照明は高価なため普及が進んでおらず、新たな市場への進出が課題となっていた。
  • 販路・情報発信大手メーカーからの依頼に頼ってきたため、売り上げが顧客まかせになる危険があった。

やったこと

当社の接合・実装技術と、株式会社タクラム・デザイン・エンジニアリングの立体造形・情報処理技術を融合し、スマートフォン連携型フレキシブル有機EL照明を開発した。有機EL照明をスマートフォンから制御する専用アプリ、汎用無線通信(WiFi)に基づくプロトコルおよびマイコン制御プログラムを開発し、有機EL発光パネルの照明コントロール基板をDMXコネクタおよびDMXケーブルを介してネットワークに接続した。設備として基板実装印刷機、高密度実装用カセット、探査機および電源装置一式を導入した。開発では高密度実装技術を導入し、3Dプリンタを使ったラピッドプロトタイピングから最終試作まで行い、意匠性を阻害しない小型軽量の電源基板・制御基板の実現に取り組んだ。

加工機基板実装印刷機
その他高密度実装用カセット
検査測定探査機
その他電源装置一式

新しい製品・サービス:スマートフォン連携型フレキシブル有機EL照明

事業の効果

事業終了後は開発した試作品をタクラムのスタジオで内覧会を行い、ヒアリングを進めている。まずは意匠登録等の権利を取得し、展示会等でプロモーションを行ったうえで、マーケティング調査やテスト販売に進みたいとしている。販売先はまず国内外のギャラリー等を考えており、有機EL照明パネルの低価格化が見込まれるため、低価格な商品開発も視野に入れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    長年培った接合・実装技術を活かすと書かれ、過去の技術との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    市場が熟していない有機EL照明は将来性が高く、大手依頼から自社製品を増やす方針と、接合・実装技術の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    大手依頼に頼ると売上が顧客まかせになる危険を課題として挙げ、自社製品を増やす方向が示されているが、財務効果や数値目標はない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    タクラムとの連携や技術者のアイデアを活かす社風は書かれているが、補助事業の遂行体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    環境・人間工学的性能に優れ独創的デザインという特徴や、ギャラリー・美術館向けというターゲットは書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋4

    特許取得後に展示会、マーケティング調査、テスト販売へ進める段階的な流れと、試作追加の検討が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    有機EL照明は普及しきれていない新分野で、ハイエンド照明に絞り高付加価値を狙う点が事例に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    有機EL照明は省エネで将来性が高いと書かれるが、国が補助する理由となる波及効果や雇用創出の記述はわずか。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    スマートフォンやネットワークを活用する新たなシステム、サービスへの展開可能性が書かれているが、具体的な貢献内容は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    有機EL照明という成長が見込まれる新市場への進出が書かれ、構造転換との関連はうかがえる。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

有機EL照明パネルの低価格化が進めば一気に普及すると考えられ、ビジネスチャンスが生じると見込んでいる。今後は自社開発製品を増やしていきたいとしている。

事業者の声

補助事業は開発には欠かせないありがたい制度なので、これからも積極的に活用していきたいと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。