ものづくり補助金平成26年度製造業奈良県

電子部品実装機に搭載可能な個別支給電子部品専用治具の試作開発

株式会社吉川電機製作所

成果作業時間と作業コストを約60~70%削減

この事例のポイント

  • 試作品や多品種・小ロットの案件は増えていたが、技術的に対応が困難だった。
  • 電子部品実装機(チップマウンター)で対応できない極小サイズやバラの電子部品に対応するため、支給されるバラ部品を機械実装できるよう、より汎用性の高い高速チップマウンターを導入した。
  • 作業時間と作業コストを約60~70%削減。バラ部品の機械実装が可能になり、作業時間と作業コストが約60~70%削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社吉川電機製作所
所在地奈良県 田原本町
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
従業員数25人
資本金1,000万円
設立1964年

事業の背景

電子回路製造業は国内外の激しい競争の影響を受け、業界全体が年々縮小傾向にあった。当社でも安定した受注を得ることが難しくなりつつあった。一方で業界各社の付加価値額は増加しており、独自性や強みを発揮することが重要だと考えられた。当社は電子基板製造とエアパネル(空圧制御盤)製造の2事業を基幹事業としている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術試作品や多品種・小ロットの案件は増えていたが、技術的に対応が困難だった。
  • 生産能力極小サイズやバラの電子部品は手作業で基板に実装しており、工程のボトルネックとなっていた。
  • 人手・技能手作業の実装は作業員への負担も高かった。
  • 販路・情報発信安定した受注を得られなくなりつつあり、受身の受注体制からの脱却が必要だった。

やったこと

電子部品実装機(チップマウンター)で対応できない極小サイズやバラの電子部品に対応するため、支給されるバラ部品を機械実装できるよう、より汎用性の高い高速チップマウンターを導入した。あわせて専用の治具を試作開発し、バラ部品に対応できる環境を構築した。これにより、試作品や多品種・小ロット生産において顧客ニーズへの細やかな対応が可能な体制を整えた。

加工機高速チップマウンター
金型電子部品実装機に搭載可能な個別支給電子部品専用治具

新しい製品・サービス:電子部品実装機に搭載可能な個別支給電子部品専用治具の試作開発

事業の効果

  • 作業時間と作業コストを約60~70%削減

バラ部品の機械実装が可能になり、作業時間と作業コストが約60~70%削減された。これにより、試作品や多品種・小ロット案件へ低コストで対応できるようになった。案件の増加に対して受身から脱却し、顧客ニーズに細やかに応える体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    事業のきっかけとして受身の受注からの脱却を目指したとあるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    電子回路製造業の縮小傾向と、試作品・多品種小ロットへの対応力という自社の強みが示され、競争優位性との関連が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    課題として手作業実装のボトルネックと作業員負担が挙げられ、治具とチップマウンターで対応する方針が読み取れるが、事業計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    作業時間と作業コストを約60~70%削減できたと数字で示されており、付加価値向上の成果が具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    ISO9001:2015の取得や従業員数25名は書かれているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力への言及は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    試作品や多品種小ロット案件の増加というニーズと、低コストで対応できる点が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は展示会出展や教育訓練の確立を目指すとあるが、遂行方法やスケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    電子部品実装の中で極小サイズやバラ部品を手作業から機械実装へ移す点は見えるが、高水準の高価格化を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    電子回路製造業の縮小と国内の試作品需要の増加に触れるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は少ない。

  • 費用対効果5

    約60~70%の作業時間・コスト削減という具体的数値があり、投入額に対する効果の大きさがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献3

    高速チップマウンターと専用治具の導入で手作業を機械実装に置き換えており、技術活用は読み取れるが業界イノベーションへの広がりは薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良県田原本町に立地することと、近畿圏での展示会出展が記載されており地域性はうかがえるが、地域経済への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

近畿圏内の展示会などに積極的に出展し、新規顧客の開拓と営業力の向上を狙う。基幹2事業において社内コミュニケーション・連携を強化し、独自の教育訓練を確立して電子・機械業界の「ものづくりのスペシャリスト」の育成・増員を目標とする。

事業者の声

近年、電子基板製造業界では、次々と海外生産へシフトしています。その流れで国内においては試作品製作をはじめとする多品種・小ロット・高難度の注文・相談が増えておりますが、本事業によりニッチなニーズにおいても柔軟に対応できる「対応力」を更に向上させる事ができました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。