ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

三陸産昆布の加工処理工程の革新による販路拡大事業

株式会社大平昆布

成果昆布処理能力 60kg/人・日(手作業)→kg/時(ライン)→70kg/人・日(手作業)→kg/時(ライン)

この事例のポイント

  • 三陸産昆布は漁獲量が少なく、生産者の収穫後の加工方法が確立されておらず、砂や石等の異物が付着しやすい。
  • 砂粒から金属片まで異物を除去する異物除去ラインを導入した。
  • 昆布処理能力 60kg/人・日(手作業)→kg/時(ライン)→70kg/人・日(手作業)→kg/時(ライン)。異物除去ラインの導入により処理時間が大幅に短縮され、コストが削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大平昆布
所在地宮城県 栗原市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数23人
資本金3,200万円
設立1948年

事業の背景

株式会社大平昆布は宮城県内唯一の昆布専門業者で、海藻の加工品を主力とし、売上の約6割を加工品が占める。同社の加工品は無添加であることが特徴で、高付加価値商品として全国のメーカーから注目されている。日本の昆布漁獲量は約9割が北海道、残りの約1割が三陸であり、同社は地元の三陸産昆布の取扱いを増やしたいと考えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力三陸産昆布は漁獲量が少なく、生産者の収穫後の加工方法が確立されておらず、砂や石等の異物が付着しやすい。
  • 品質・精度三陸産昆布は品質が良いにもかかわらず、異物混入が多いために評価されてこなかった。
  • 人手・技能仕入れた三陸産昆布の異物を手作業で除去しており、効率が悪くコストもかかっていた。

やったこと

砂粒から金属片まで異物を除去する異物除去ラインを導入した。装置は30cm程度にカットした昆布の折れ曲がった部分に溜まりやすい砂等を除去し、次にドラムで回して石等を除去し、金属探知機で金属類を除去し、最後に目視で異物を取り除く構成である。同社独自の工夫として、昆布にまとわりついた糸くずやビニール片などの軽い素材も除去できる仕組みを加えた。処理能力は1時間あたり70~80kgで、以前の手作業の1日1人あたり60kgから大幅に短縮された。各生産組合に赴き食品安全教育も開始し、四半期に一度の異物混入防止勉強会を開催している。

その他異物除去ライン

事業の効果

  • 昆布処理能力 60kg/人・日(手作業)→kg/時(ライン)→70kg/人・日(手作業)→kg/時(ライン)

異物除去ラインの導入により処理時間が大幅に短縮され、コストが削減された。手作業では見逃していた付着物も除去できるようになり、商品の安全性が一層高まった。ラインは業界初の導入で、異物が理由で使用を控えていた食品メーカーや問屋への販路拡大と、生産者からの継続的な仕入れが期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    昭和23年の創業から行商、卸問屋、一次加工への変遷を経て、売上の約6割を加工品が占めるまでに至った一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    宮城県内唯一の昆布専門業者であり、三陸が地元で地の利を活かして関西との取引を優位に進める方針が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業では1日1人60kgがやっとだった課題に対し、処理能力1時間70~80kgの異物除去ラインで解決を図る構成が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    処理時間短縮やコスト削減は述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数23名や生産者との勉強会は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無添加の加工品に対し、食品メーカーや自然派化粧品メーカーが高付加価値商品として選ぶ理由が事例に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    四半期に一度の異物混入防止勉強会やサプライチェーン全体での異物削減方針は示されるが、スケジュールの詳細は少ない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金3,200万円のみ記載されており、資金調達の見込みや財務状況の説明は読み取れない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    三陸産昆布の異物除去を業界初の試みとして導入し、無添加で高付加価値商品を提供する点が示されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    生産者の事業継続や利益還元、三陸産の価値向上に貢献する点は述べられているが、雇用創出などの波及効果は数字で示されていない。

  • 費用対効果4

    1時間70~80kgの処理能力と、従来の1日1人60kgとの比較で処理時間の短縮とコスト削減が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    生産者との勉強会を通じてサプライチェーン全体で異物削減を目指す取組は書かれているが、デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    食用以外の化粧品分野への可能性が示唆される程度で、成長分野への進出や構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    三陸産昆布の品質を活かした加工で、地元の生産者の利益還元や取引の拡大に結びつける地域的な事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

信頼を回復し高値で取引できる状況を作り、異物を理由に使用を控えていた食品メーカーや問屋にも販路を拡大するとともに、生産者から継続的に仕入れができる状況をつくって生産者の事業継続や利益還元にも貢献したい。

事業者の声

昆布というと北海道産のイメージが強いのですが、三陸産は漁獲量こそ少ないものの、非常に品質が良い。三陸の真昆布のアミノ酸含有率は、利尻・羅臼産に匹敵、あるいはそれ以上というデータがあるほどです。当社は三陸が地元の問屋ですから、地の利を活かして良質な三陸産昆布の仕入れを増やし、昆布の一大消費地である関西に対して、取引を優位に進めたいという思惑があります

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。