ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

香味の劣化を最小限に抑制する新たなる「上槽システムと発酵」技術の構築

山本合名会社

成果上槽装置の段数(濾過板の枚数) 90段→100段

この事例のポイント

  • 海外への輸送過程での温度変化などにより、純米吟醸などの芳香の高い日本酒の香味が劣化し、海外消費者に本来の味や香りが伝わらず商品競争力が落ちていた。
  • 秋田県総合食品研究所と協同で6種類の新酵母の発酵試験を実施し、メチオニンの生成を最も抑制する酵母を特定した。
  • 上槽装置の段数(濾過板の枚数) 90段→100段。海外での評価が向上し、海外売上は対前年比140%に伸びた。

事業者のプロフィール

事業者名山本合名会社
所在地秋田県 山本郡八峰町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数13人
資本金150万円
設立1901年

事業の背景

当社は「白瀑」「山本」のブランドで、醸造用アルコールを添加しないこだわりの日本酒造りを行っている。近年、海外での日本酒ブームが盛り上がり、特に純米吟醸や純米大吟醸といった芳香の高い特定名称酒が人気となっている。一方、国内の高品質な日本酒市場も大幅な増加傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力海外への輸送過程での温度変化などにより、純米吟醸などの芳香の高い日本酒の香味が劣化し、海外消費者に本来の味や香りが伝わらず商品競争力が落ちていた。
  • 品質・精度香味劣化の主原因となるメチオニンなどを抑制する新酵母が必要だった。
  • 新製品・新技術従来の圧搾機では難しかった、酸化を防ぎつつモロミを短時間で効率よく上槽する新たなシステムが必要だった。

やったこと

秋田県総合食品研究所と協同で6種類の新酵母の発酵試験を実施し、メチオニンの生成を最も抑制する酵母を特定した。圧搾機メーカーの協力のもと、酸化を防ぐ自動圧搾機を開発した。樹脂材料の濾過板と流入口を広くした形状が最も上槽に適しているとの結果が出た。モロミの移動距離やポンプの回転数などを考慮し、上槽装置の段数(濾過板の枚数)を90段から100段にして、酸化を防ぐ最適なシステムを構築した。新たなシステムにおける最適な圧搾圧力を特定し、濃い味わいと苦みの少ないバランスの良い日本酒を造ることができた。

加工機薮田製モロミ自動圧搾機 BP120/100 段型

事業の効果

  • 上槽装置の段数(濾過板の枚数) 90段→100段
  • 海外売上が対前年比140%と向上した

海外での評価が向上し、海外売上は対前年比140%に伸びた。メチオニンの生成を最も抑制する新酵母を特定し、香味の劣化を抑えられるようになった。酸化を防ぐ最適な上槽システムを構築し、濃い味わいと苦みの少ないバランスの良い日本酒を造れるようになった。また、1名を正社員として雇用した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    海外の香味劣化という課題と上槽システム構築の取組は読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外での日本酒ブームや competitive の課題は触れられているが、自社の経営資源の強み・弱みとの関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    香味劣化の課題を新酵母と空気に触れない上槽システムで解決する方針が示され、海外売上の目標も具体的に読み取れる。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    海外売上が対前年比140%、輸出割合を現在3%から5年後6%にする数値目標が示されており、実現に向けた取組も具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    秋田県総合食品研究所や圧搾機メーカーとの協同体制は読み取れるが、社内の人材や事務処理体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    海外での日本酒ブームと純米吟醸など芳香高い商品の人気、香味劣化による競争力低下という顧客ニーズの裏付けが読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    新酵母の特定、段数を90段から100段にする最適化など、遂行方法と検証の段階が具体的に読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    空気に触れない上槽システムという独自の技術で、高品質な純米吟醸などの高水準の高付加価値化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国酒の輸出やクールジャパン推進への一翼という文言はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    1名を正社員として雇用したことや海外売上の増加は読み取れるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    空気に触れない上槽システムという新しい製造技術は読み取れるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献は具体的ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外市場の拡大と輸出促進という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への寄与は具体的に書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    秋田の蔵元集団NEXT5の一員として地域の日本酒業界を牽引する意思が書かれており、地域特性との関連が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外販売を積極的に拡大し、商談会や見本市に参加して認知度を上げる。5年後の輸出割合を売上全体の6%に増やす(現在3%)。高温多湿の東南アジア地域での流通を拡大させていく。

事業者の声

未来の秋田の日本酒業界は俺達が牽引するんだ!

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。