ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

新型設備の自動機械導入による高品質製品の製作技術確立事業

日貿産業株式会社

この事例のポイント

  • 労働集約型の縫製業で人手不足が深刻であり、人手不足による生産性と技術力の低下が懸案となっていた。
  • 生地メーカーから納入された生地の原反を裁断前に最新のスポンジングマシンで伸ばし、生地に内在する収縮、伸張、歪みを解消した。
  • スポンジングマシンにより生地の収縮や歪みが解消され、縫製が均一化して作業時間が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名日貿産業株式会社
所在地秋田県 横手市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数136人
資本金9,900万円
設立1960年

事業の背景

株式会社日帝産業(横手市)はトップアパレルの一流ライセンス商品を中心に生産する縫製会社で、レディース物の高級コート・ジャケット・ブラウスなどをメインとしている。海外縫製工場でのアパレル生産が多数を占めるなか、縫製品質や少量・短納期の柔軟対応を重視し、同社と取引するアパレルメーカーは多い。自社一貫生産(受注、縫製パターン作成、裁断、縫製、プレス検品、出荷)を強みとしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能労働集約型の縫製業で人手不足が深刻であり、人手不足による生産性と技術力の低下が懸案となっていた。
  • 人手・技能縫製未経験者を熟練オペレーターに育てるには相応の歳月が必要で、熟練者の勘や経験に頼るものづくりから脱却する必要があった。
  • 生産能力熟練者に依存した生産体制のため、自社一貫生産の強みを活かしつつも生産性の向上が課題となっていた。

やったこと

生地メーカーから納入された生地の原反を裁断前に最新のスポンジングマシンで伸ばし、生地に内在する収縮、伸張、歪みを解消した。各工程に最新のスポンジングマシン、パターンシーマー、人体プレス機を導入した。縫製データの作成、型押さえ作成、各部署への振り分けなど生産システムの構築に力を注いだ。可能な限りのパーツを自動縫製にし、未経験者でも精度の高い製品生産を可能にした。

事業の効果

スポンジングマシンにより生地の収縮や歪みが解消され、縫製が均一化して作業時間が短縮された。パターンシーマーの導入で一部工程の脱技能化が進み、未経験者を早期に戦力化できるようになった。ワークシェアにより工程間の時間ロスが低減し、製造リードタイムが短縮された。未経験者でも精度の高い製品を生産でき、生産性が向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自社一貫生産や熟練者依存からの脱却が書かれており、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    トップアパレルの一流ライセンス商品を中心に生産し、縫製品質や少量・短納期対応で取引が多いと書かれ、強みは読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    人手不足による生産性低下と技術力低下を課題として挙げ、自動機械導入で未経験者でも高品質生産できる体制へ向けた対策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    ワークシェアや製造リードタイム短縮は書かれているが、付加価値や賃上げの目標値や数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    生産システム構築に力を注いだこと、未経験者の早期戦力化が書かれ、体制の一端はうかがえるが人材や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高品質・少量短納期の柔軟対応で取引先が多いと書かれ、選ばれる理由は読み取れるが顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ウールの縮絨加工の自社化や人体プレス機による直接店頭搬入対応など今後の活動予定が書かれ、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    縫製業は一般的な分野で、高級コート等の高水準品を扱うとあるが、新市場性を裏付ける記述は少ない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    労働集約型縫製業の人手不足という課題は書かれているが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    均一化による作業時間短縮やリードタイム短縮が書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    スポンジングマシンやパターンシーマーなど自動化設備の導入は書かれるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    秋田県横手市の創業企業として長年操業してきたことが書かれ、地域との関係はうかがえるが成長牽引の記述はない。

今後の展望

ウールなどを加工する段階でスポンジングマシンを活用し、生地メーカーでの縮絨加工を待たずに自社で縮絨加工から縫製まで行えるため、さらなる短納期が期待される。トレンチコートを得意とするラインでは、メーカー倉庫への搬入が減り店頭直接搬入が増えており、人体プレス機が出荷形態の変化にも寄与すると期待されている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。