ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

自動車用ミッション部品の加工タイム短縮による生産性、コスト競争力の強化

岡谷セイケン株式会社

この事例のポイント

  • 自動車の輸出が拡大し、生産数量と納期に応じた部品供給が強く求められているが、それに応えきれていなかった。
  • 複合した加工ができるNC自動旋盤を導入した。
  • トライアル加工により、面取り・バリ取りの2次工程を省略できることが実証された。

事業者のプロフィール

事業者名岡谷セイケン株式会社
所在地秋田県 横手市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数97人
資本金4,100万円
設立1966年

事業の背景

自動車メーカーの拠点の海外移転が進む中、国内生産の部品も海外への輸出が拡大している。自動車全体の生産量は増加しており、生産数量と納期に応じた部品供給が強く要望されている。加えて恒常的なコストダウン要請もある。同社は自動車用A/T部品や油圧部品などの超精密切削部品を製造している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力自動車の輸出が拡大し、生産数量と納期に応じた部品供給が強く求められているが、それに応えきれていなかった。
  • コスト・採算自動車メーカーから恒常的なコストダウン要請があり、生産数量の確保と両立させる必要があった。
  • 生産能力両立のためには1台で多工程の加工ができる加工機を導入し、可能な限り工程を減らす必要があった。

やったこと

複合した加工ができるNC自動旋盤を導入した。正面背面並列加工や軸移動オーバーラップ機能を備え、サイクルタイムの短縮による増産対応を可能にした。従来は2次加工で行っていた面取り・バリ取り工程を同一NC加工機内で行えるようにした。導入した設備は秋田工場に置き、最新設備による加工技術の向上や新製品の量産試作、海外拠点の従業員養成の拠点とした。アルミ、真鍮、炭素鋼、ステンレス鋼、その他難削材をバー材から完成まで一貫して加工している。

加工機NC自動旋盤

事業の効果

トライアル加工により、面取り・バリ取りの2次工程を省略できることが実証された。サイクルタイムが短縮し、生産数の増加が可能となった。加工寸法の安定性が非常に高く、外観仕様に耐える表面仕上げを実現した。2015年1年間で約1000万円の収益増を見込んでおり、コストダウン要求にも応えられる体制が整う見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品の増産・コストダウン要求への対応として設備導入する流れは読み取れるが、過去の取組との一貫性は文章からは判然としない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    輸出拡大や自動車メーカーの海外移転を背景に挙げているが、自社の強み・弱みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    加工工程が多く生産性が課題と示され、二次加工を省き1台で多工程加工する解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    2015年1年間で約1000万円の収益増を見込むと具体的な数字が示されており、加工タイム短縮の効果も説明されている。

  • 事業を進める体制3

    秋田工場を海外技術移転の拠点とする方針は書かれているが、導入や運用を担う人材・体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車用A/T部品や油圧部品の超精密切削部品で、顧客の増産・コストダウン要求に応える点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    面取り・バリ取りの工程統合や研磨工程廃止への対応など段階的な方針は示されているが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    精密切削部品の加工という分野で、高水準の高付加価値化を図る旨はわずかにうかがえる程度である。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    海外向け自動車部品の輸出拡大や国内生産の維持という点は読み取れるが、経済波及や雇用創出への言及は明示されていない。

  • 費用対効果4

    約1000万円の収益増、サイクルタイム短縮、二次工程省略によるコスト削減など、費用対効果が数字つきで示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    最新NC旋盤の導入と海外への技術移転は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品の輸出拡大への対応は読み取れるが、構造転換や成長分野への進出との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    秋田工場を拠点に海外へ技術移転する点はうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値創出としては具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

海外向け自動車部品の継続生産を進める。継続的な改善活動で生産性を向上させ、コストダウン要求に応えられる事業体制を維持・拡大する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。