ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

脊椎固定用スクリューガイド設計事業

エーピーアイ株式会社

この事例のポイント

  • 脊椎固定の手術では、脊椎の形状に個人差があり、計画どおりの位置と角度でスクリューをねじ込むのが極めて難しい。
  • CTスキャンデータを『VGStudioMAX』で読み込み、脊椎の状態を3D化した。
  • 手術前に骨モデルとスクリューガイドで正確なねじ込みをシミュレーションできるようになり、安全性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名エーピーアイ株式会社
所在地秋田県 大仙市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
従業員数16人
資本金8,000万円
設立1983年

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能脊椎固定の手術では、脊椎の形状に個人差があり、計画どおりの位置と角度でスクリューをねじ込むのが極めて難しい。
  • 品質・精度スクリューを誤った位置や角度で入れると、脊椎周辺の神経や血管、組織を傷つける恐れがある。
  • 人手・技能医師に正確なねじ込みの熟練技術が求められており、現場からスクリューガイドの開発ニーズが出ていた。

やったこと

CTスキャンデータを『VGStudioMAX』で読み込み、脊椎の状態を3D化した。医師が決めた穴の位置と角度に合わせて、3DCAD『Freeform』でスクリューガイドと骨モデルを設計した。設計データを3Dプリンターで造形し、実際の症例で使えるレベルの骨モデルとガイドを製作した。造形した骨モデルにガイドを取り付け、指示どおりの位置と角度で取り付けられることを確認した。秋田大学、秋田県産業技術センター、秋田県立脳血管研究センターの指導を受け、ソフトの技術を短期間で習得した。

ソフトVGStudioMAX
ソフトFreeform
加工機3Dプリンター

新しい製品・サービス:脊椎固定用スクリューガイド

事業の効果

手術前に骨モデルとスクリューガイドで正確なねじ込みをシミュレーションできるようになり、安全性が向上した。手術時間の短縮や手術の安定性、低侵襲性の確保が実現できるとされる。これまでに19例の手術実績がある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    VR・MR・AR技術やCT三次元化の得意分野を活かした開発と書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    医療現場のニーズを確認したとあるが、市場規模や競合に対する自社の強みの比較は書かれておらず、競争優位性は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    脊椎手術でスクリューを正確にねじ込む難しさという課題は具体的に書かれ、手術時間の短縮などの効果も示されるが、事業計画としての数値目標は乏しい。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    19例の手術実績と医療機器承認申請を計画すると書かれ、実績は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    秋田大学等の指導で技術習得し短期間で高品質化したと書かれ、外部連携による体制はうかがえるが、社内の人材や事務処理体制は具体的でない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医師が決めた穴の位置や角度に正確にねじ込むガイドという価値、手術の安定性や低侵襲性の確保が示され、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    臨床試験を重ねPMDA指導のもとで承認取得を目指す、販路は医療商社と契約を増やすと書かれ、順序は示されるが期限や詳細なスケジュールは乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療用の患者別スクリューガイドは、個人差のある脊椎に合わせて造形する点で新しく、医療機器として高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    手術の安全性向上や医療現場のニーズへの対応は書かれるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果2

    手術時間の短縮などの効果はうかがえるが、補助金投入額に対する付加価値額や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    CTデータの3D化、3DCADと3Dプリンターの活用に加え、大学や県の研究機関との産学官連携で医療のイノベーションに取り組む点が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医療分野への進出とうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は記載されていない。

  • 地域経済への波及3

    大仙市の企業が秋田の大学や県の研究機関と連携する地域性は読み取れるが、地域の雇用や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医療機器承認申請と取得を目指し、臨床試験を重ねる計画である。医療業界のネットワークを持つ会社と協力体制を築き、学会や展示会への出展、医療機器商社や販売代理店との契約増で受注拡大を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。