ものづくり補助金平成24年度新潟県

携帯用新型ネイルニッパーの開発

株式会社諏訪田製作所

成果外部委託していた従前と比較すると、3分の1まで期間短縮できた。

この事例のポイント

  • 既存のネイルニッパーは切れ味は良いが携帯に不向きで、プロの職場や家庭に置かれたままになっている。
  • 3Dプリンターを導入し、デザイン検討と機構・構造解析を現物に近い形で行えるようにした。
  • 外部委託していた従前と比較すると、3分の1まで期間短縮できた。3Dプリンターにより完成度の高いサンプルを作れるようになり、問題点の把握が容易になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社諏訪田製作所
所在地新潟県 三条市
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数51人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

当社既存のネイルニッパーは切れ味は抜群だが携帯には不向きで、プロの職場や家庭に置かれたままになっていた。携帯つめ切りの市場は折り畳む「クリッパー」型が中心で、切れ味の良いニッパー型の携帯品は世界で初の試みとなる。現在のつめ切り市場は性能・品質・デザインで大差がなく、安価な海外製品か国産のミドルレンジ品が多く、高級品市場は良いものを長く使うライフスタイルへの変化により伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存のネイルニッパーは切れ味は良いが携帯に不向きで、プロの職場や家庭に置かれたままになっている。
  • 生産能力ハンドル部分の素材の研磨・磨きがすべて手作業のため月産30〜50個しか生産できず、注文から納品まで2〜3か月待ちの状態である。
  • 納期・工程外部に委託していた設計・試作の工程があり、開発期間が長かった。

やったこと

3Dプリンターを導入し、デザイン検討と機構・構造解析を現物に近い形で行えるようにした。NC旋盤機とサーボプレス機による部品試作、マシニングセンターによる形状試作、組み立て・仕上げ加工試作を行い、3Dスキャナーで再解析してフィードバックを繰り返した。携帯用の新型ネイルニッパーとして、ハンドル部分に軽量な素材と形状を採用し、既存のつめ切りより軽量化した。

その他3Dプリンター
加工機マシニングセンター
加工機NC旋盤機
加工機サーボプレス機
検査測定3Dスキャナー

新しい製品・サービス:携帯用新型ネイルニッパー「マスターピースコレクション」

事業の効果

  • 外部委託していた従前と比較すると、3分の1まで期間短縮できた。

3Dプリンターにより完成度の高いサンプルを作れるようになり、問題点の把握が容易になった。マシニングセンターなどで設計部門も自社で行えるようになり、最適な形状を選定でき、技術者の習熟高度化にも繋がった。開発期間は外部委託時と比べ3分の1まで短縮された。新製品は軽量化に成功し携帯性が向上し、金属ではない素材のハンドルという新しい付加価値も提供している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存のネイルニッパーの切れ味や定評に触れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    携帯品は世界初の試み、中国製や国産ミドルレンジとの比較で市場分析が書かれ、強みとの関係がうかがえるが具体的な数値は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    既存ユーザーの不便や注文後2〜3か月待ちという課題認識があり、月産30〜50個から新設備で増産する方針が書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    月産数の引き上げを目指すとあるが、具体的な目標数値や付加価値額、賃上げの目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    設計を外部委託から自社で行えるようになり、社内デザイン・製造部・開発チームの役割分担が記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽量で携帯できる点、金属の冷たさや滑りにくさの解消、天然木など7種類の展開、ネイルサロンや個人顧客の人気が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    設計から試作、再解析、試作品検討までの工程が段階的に記載され、開発期間を3分の1に短縮した実績も示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    携帯用ニッパー型は世界初の試みで、高級つめ切り市場で高付加価値を狙う点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    既存顧客の買い替えや新規需要の掘り起こしは書かれるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    3Dプリンター導入で開発期間を3分の1に短縮したとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3Dプリンターやマシニングセンターを使った設計の内製化が書かれ、デジタル技術の活用は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は不明。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    新潟県三条市の事業者であることや「2017年にいがた百年物語」選定の記述はあるが、地域経済の牽引に関する記載は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は新設備を導入し月産数を引き上げ、注文から納品までの待ち期間への対応を図る。

  • 目標:ハンドル部分の手作業により月産30〜50個しか生産できず、今後は新設備導入により月産数を引き上げる予定。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。