ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

専用製袋機導入による検品精度向上と生産力強化および販路拡大

秋田印刷製本株式会社

成果製品検査時間が42%削減できた。

この事例のポイント

  • 一般的な紙製封筒は糊加工部分の重なりがプリンタの印字・給紙に不具合を起こすケースがある。
  • 新規に専用製袋機を導入し、効率的で平面性が良く紙歪みの少ない封筒を製造できるようにした。
  • 製品検査時間が42%削減できた。センサーカメラの導入で、糊付け部分の不良品の擦れや途切れの発見率が格段に上がった。

事業者のプロフィール

事業者名秋田印刷製本株式会社
所在地秋田県 秋田市
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御
従業員数49人
資本金3,000万円
設立1950年

事業の背景

ビジネスフォーム印刷への取り組みを通して培った技術対応と、お客様のニーズを尊重したアイデアの提案を基本に事業を行ってきた。プリンタ出力に対応した、糊付けの重なりのない二つ折り型封筒(主に薬袋)を製造し、封筒業界の仕様とは競合しないアイデアで商品を提供している。地元企業とのコラボ企画や新商品開発にも取り組み、従来の印刷業の枠にとらわれない事業展開を行っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度一般的な紙製封筒は糊加工部分の重なりがプリンタの印字・給紙に不具合を起こすケースがある。
  • 生産能力折り機に糊付け装置を設置した兼用機で製造しているため非効率で、大ロット受注に対応できていない。
  • 人手・技能製袋後の検査が手作業のため、作業時間・検査時間・製品精度などに課題がある。
  • コスト・採算顧客から品質向上とコスト削減が求められていた。

やったこと

新規に専用製袋機を導入し、効率的で平面性が良く紙歪みの少ない封筒を製造できるようにした。糊付け不良検知機能付きのセンサーカメラを搭載し、高速で動く紙に塗布された糊付け部分を連続で撮影して画像認識で判別することで、周囲の温度・湿度・ノイズの影響を受けずに検査スピードを上げた。製袋機には独自のカスタマイズとして、検査機器・糊タンクのサイズ変更、糊付け検査用センサーカメラの設置、プレス機能の強化、折り加工ローラーの改良を施した。封筒を四六半切りサイズ(560mm×940mm)に大型化し、汎用性を高めた。

加工機専用製袋機
検査測定カメラセンサーユニット
検査測定検査装置

新しい製品・サービス:四六半切りサイズ(560mm×940mm)の大型プリンタ出力用封筒

事業の効果

  • 製品検査時間が42%削減できた。
  • 新規受注が年間約90件増加した。

センサーカメラの導入で、糊付け部分の不良品の擦れや途切れの発見率が格段に上がった。後工程は汚れと曲がりの検査のみとなり、製品検査時間が42%削減でき、糊付け不良に関するクレームも発生していない。専用製袋機の導入で紙歪みと紙シワが減り、整備・清掃の時間が短縮されたほか、糊タンク増量で補充回数が半減し、プリンタ印刷時のカスレやニジミも低減した。短納期と大ロット受注が可能になり、1点あたりの受注引受可能量が200%に増加し、新規受注が年間約90件増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ビジネスフォーム印刷の技術やアイデア提案を基本とする事業展開が書かれ、折り機兼用の製造方法を専用製袋機に切り替える流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    プリンタ出力対応の二つ折り封筒(薬袋)を独自に製造し、封筒業界の仕様と競合しない点は読み取れるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の製袋後検査が作業・検査時間の課題と明記され、検査時間42%削減、年間約90件の新規受注増など、課題と成果が数字で結びついている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    糊タンク補充回数の半減、1点あたり受注引受可能量200%増、新規受注年間約90件増など数値目標に近い成果が示され、実現の見込みが読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    設備の導入やカスタマイズを自社で行ったことはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    プリンタ出力対応の糊重なりのない封筒、薬局や病院への拡販、短納期・大ロット対応など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展開として薬袋の拡販や大型封筒の製造、アイデア商品の展開が書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    糊重なりのない二つ折り型封筒の製造、封筒サイズの四六半切り大型化など、業界仕様と異なる独自製品で高付加価値化を図る点が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地元企業とのコラボ企画や社会貢献の姿勢はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    新規受注が年間約90件増加、検査時間42%削減、受注引受可能量200%増など、投資に対する成果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    カメラによる画像認識で糊付けを判別する先端技術の活用は読み取れるが、サプライチェーンやイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    秋田市の企業で地元企業とのコラボ企画が書かれているが、地域の特性を活かした付加価値や地域経済への牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

これまで数量や納期の問題で受注できていなかった薬局や病院などへアプローチし、プリンタ出力対応薬袋の拡販を進める。定型封筒より大きなプリンタ出力用封筒で新たな需要を獲得する。封筒をベースにした汎用性のあるアイデア商品を展開し、新規受注を2倍に増やす。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。