ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

IT化・自動化による特殊縫製作業プロセスの革新

株式会社 プロジェクトIPA

成果1着あたりの生産時間 16時間→7時間

この事例のポイント

  • 生地裁断の工程のノウハウを経営者だけが持っており、作業属人化している。
  • 厚みのある生地の裁断工程の一部を、アパレルコンピュータシステムと自動延反機の導入によりIT化・自動化した。
  • 1着あたりの生産時間 16時間→7時間。製造ライン工程の見直しと裁断作業の自動化により、1着あたりの生産時間が16時間から7時間に短縮され、年間で生産可能着数…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 プロジェクトIPA
所在地秋田県 東成瀬村
業種繊維工業
技術分野情報処理
従業員数9人
資本金100万円
設立2009年

事業の背景

株式会社プロジェクトIPAは、多品種少量生産で特殊素材による特殊縫製を手がけている。防火服はCEマーク(EU加盟国への輸出基準要件を満たすことを証明するマーク)販売業者に納品しており、高い耐熱性・運動機能性・快適性等の基準をクリアする生産技術を持つ。小ロットながら高度な技術を要し単価も高い消防服等の特殊縫製の受注を増やし、同業他社との差別化を図りたいと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能生地裁断の工程のノウハウを経営者だけが持っており、作業属人化している。
  • 生産能力生地裁断に1着あたり8時間程度かかり、作業効率上のネックとなっていた。
  • 人手・技能経営者が生地裁断作業に掛かりきりとなり、経営や営業活動の面でも非効率だった。
  • 納期・工程消防服等の特殊素材はほとんどが輸入品で予定通り入荷しないことが多く、メーカーの希望納期に対応しにくかった。

やったこと

厚みのある生地の裁断工程の一部を、アパレルコンピュータシステムと自動延反機の導入によりIT化・自動化した。裁断作業の一部を従業員と共有して多能工化し、代表者個人に依存しない生産体制を作った。あわせて、難燃性の糸で縫い目を丈夫に縫い合わせるミシン、蛍光テープ等を強く貼り付けるためのアイロン、ボタンやファスナーの強度を確保するドット打ち機を導入し、製造ラインの工程を見直した。本縫自動糸切ミシンも導入し、裁断から縫製、部品付けまでのトータルの作業時間を短縮した。

その他アパレルコンピュータシステム(マーカープロッタ)
加工機自動延反機
加工機本縫自動糸切ミシン
加工機ドット打ち機
加工機難燃性の糸に対応したミシン
その他貼付用アイロン

新しい製品・サービス:特殊素材を使った救助服、レスキュー隊特注ベスト、森林作業用衣服などの安全配慮型作業服

事業の効果

  • 1着あたりの生産時間 16時間→7時間

製造ライン工程の見直しと裁断作業の自動化により、1着あたりの生産時間が16時間から7時間に短縮され、年間で生産可能着数が100着以上増加した。残業時間が減り、納期短縮が可能になったことでより多くの受注につながった。事前に縫製パターンを受け取って作業に早く取りかかれるようになり、メーカーの希望納期にも対応できるようになった。裁断作業を従業員と共有したことで経営者の負担が減り、営業活動等に専念する時間が生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    特殊縫製の受注増加による他社との差別化を取組のきっかけとし、消防服等の特殊縫製を手がける事業との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    消防服はCEマークを取得した販売業者へ納品し、高い耐熱性等の基準をクリアする高度な生産技術を有していると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    生地裁断の属人化・非効率を課題として明示し、裁断工程のIT化・自動化で1着16時間を7時間に短縮する具体策がある。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産時間が1着16時間から7時間に削減され、年間100着以上の生産可能着数増加という実績に基づく数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制3

    裁断作業の一部を従業員と共有し多能工化を進めたとあるが、従業員数9人の体制や事務処理面の記述は具体性が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    消防服の高度な基準対応や納期短縮による受注増が記載され、選ばれる理由と顧客ニーズが具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ミシンやアイロン等の工程見直しと今後の展開が書かれるが、スケジュールや中長期の検証内容は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種少量の特殊縫製で高度な技術を要し単価が高いとあるが、市場の普及度や高価格化の水準を示す記述は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    消防服等の特殊素材は輸入品が多く、新分野の安全作業服を開発するとあるが、波及効果や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    生産可能着数が年間100着以上増加し、残業時間の減少と納期短縮による受注増が数字つきで示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    アパレルコンピュータシステムや自動延反機の導入はあるが、地域やサプライチェーンへの貢献としては記述が限られる。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    東成瀬村の地域性への言及は薄いが、特殊縫製の高付加価値化と新分野商品開発の方向性は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

防火服の販売を手がける納入先と共同で新たな難燃素材や特殊縫製を使った商品を開発し、特殊縫製の売上比率増加と売上拡大を図る。救助服やレスキュー隊特注ベスト、森林作業用衣服など輸入品が大半を占める新分野で、日本人に合った寸法の安全に配慮した作業服の商品開発を具体化する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。