ものづくり補助金平成24年度岩手県

高速自動裁断機(CAM)の導入により、作業の単純化・製品の均一化・短納期化と雇用拡大の実現

株式会社一戸ファッションセンター

成果裁断時間(30枚重ね2型) 60分→7分

この事例のポイント

  • 生地の裁断に多くの人員と時間を要していた。
  • 新規に導入した高速自動裁断機は、生地を3cmまで重ね、吸引搬送裁断装置で生地を吸引したまま送って裁断する仕組みである。
  • 裁断時間(30枚重ね2型) 60分→7分。裁断の時間短縮と省力化により生産性と品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社一戸ファッションセンター
所在地岩手県 一戸町
業種繊維工業
技術分野切削加工
従業員数53人
資本金1,000万円
設立1990年

事業の背景

当社は岩手県北地域でアパレル事業者が集積する地域にあり、地元の女性技術者を中心に素材や仕様にこだわった婦人服を製造している。主な製品はブラウス、ワンピース、スカート、ジャケット、コートである。ブラウスやワンピースなどの婦人服の生地は柔らかく繊細な素材が多く、扱い方の難しい生地が増えてきている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生地の裁断に多くの人員と時間を要していた。
  • 品質・精度伸び縮みするストレッチ素材や異素材の組み合わせなど扱いの難しい生地が増え、裁断機にエラーが生じて緊急停止や故障を起こすこともあった。
  • 人手・技能従来の裁断機は延反工程に2人、裁断工程に2人の計4人を配置しなければならなかった。

やったこと

新規に導入した高速自動裁断機は、生地を3cmまで重ね、吸引搬送裁断装置で生地を吸引したまま送って裁断する仕組みである。生地巾1.2m×長さ4.5mの生地に婦人服型を2型入れ30枚重ねの場合、従来の裁断機は手作業で約1時間必要だったが、高速自動裁断機は約7分で終えられる。芯貼りのあるパーツをまとめて表地に芯地を貼り付けてから裁断することで、10着あたり約1時間の時間短縮が図られている。CCDカメラを搭載し、生地の曲がりを感知すると自動調整するため、裁断時の生地のずれは起こらず、裁断の仕損じもなくなっている。さらに、延反から裁断まで1人で作業でき、欠勤対策として3名の社員に操作を習得させている。

加工機高速自動裁断機(CAM)

事業の効果

  • 裁断時間(30枚重ね2型) 60分→7分
  • サンプル裁断能力 3型/日→6型/日
  • 裁断工程の作業人数 2人→1人

裁断の時間短縮と省力化により生産性と品質が向上した。裁断時間は大幅に短縮され、裁断の仕損じもなくなった。省力化された人員を縫製現場に配置でき、生産性向上につながっている。捻出された時間は社員教育に充てられ、技術力向上と新規取引先開拓、業績向上へつなげていく計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の縫製・婦人服製造に裁断工程の効率化を組み合わせ、社員教育や取引先開拓につなげる方針が示されている。過去の取組との一貫性は読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種小ロット生産や高級ブランド縫製の受注実績を踏まえ、高速自動裁断機で裁断速度と精度を高める強みづくりが具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決5

    裁断時間が手作業約1時間から約7分に短縮、サンプル裁断が3型/日から6型/日へ増えたなど、課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    10着あたり約1時間の時間短縮や裁断人員の2人から1人への削減が数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    社員一人ひとりが3工程を1年以上教育されており、3名に裁断機操作を習得させ欠勤に備える体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    あらゆる婦人服の生地を迅速・正確に裁断する点や、高級ブランドの縫製実績は示されるが、顧客ターゲットとニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後に社員教育や製品企画へ注力する方針は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    婦人服の多品種小ロット生産で高級ブランドを手がける点は触れられるが、分野の普及度や高付加価値化の水準を示す記述は少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    岩手県北地域のアパレル事業者集積に触れているが、雇用創出や経済波及効果を国が補助する根拠としては書かれていない。

  • 費用対効果3

    裁断工程の効率化で人員配置が改善し生産性が上がったとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CCDカメラによる生地の曲がり自動調整などデジタル技術の活用は書かれているが、地域やサプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県北地域の集積や地元の女性技術者を中心とした体制に触れており、地域特性を活かした取組がうかがえるが、成長効果の数値は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

裁断の効率化で捻出された時間を社員教育に充て、技術力を高めて、メーカーの信頼獲得、新規取引先開拓、業績向上につなげていく。今後も社員のスキルアップに注力し、製品の企画開発に挑戦して付加価値を高め、魅力ある職場環境の整備に努めたい。

事業者の声

アナログからデジタルへの移行が進み、縫製の現場も変化してきている

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。