ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

エラストマー加工技術を応用した医療教材の開発と生産体制の確立

株式会社 レジーナ

この事例のポイント

  • 理美容教材の需要が少子化の影響で減少し、売上が落ちている。
  • 独自のエラストマー加工技術を応用し、人肌の質感や弾力性を再現した特殊素材(バイオスキン)を秋田工場で製造し、医療手技教材の開発を行った。
  • 逃げる血管モデルは、皮膚表面や部位の感触が人体に近く、注射の針痕が目立たず反復練習ができる教材として開発された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 レジーナ
所在地秋田県 仙北郡美郷町
業種その他の製造業
技術分野立体造形
従業員数39人
資本金4,500万円
設立1970年

事業の背景

主力は理美容教材(マネキンヘッド)で、少子化の影響により売上が減少した。コスト競争の中で生産工程の大半を中国に移管したため、秋田工場の稼働率が下がった。これまで培った植毛・成形技術とエラストマー加工技術を活かせる新たな製品として、医療分野への参入を検討した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力理美容教材の需要が少子化の影響で減少し、売上が落ちている。
  • 生産能力生産工程の大半を中国に移管したことで、秋田工場の稼働率が低下している。

やったこと

独自のエラストマー加工技術を応用し、人肌の質感や弾力性を再現した特殊素材(バイオスキン)を秋田工場で製造し、医療手技教材の開発を行った。大型のモデル製作に対応するため、熱加工用精密恒温器と角型真空定温乾燥器を導入し、大型エラストマー製品の一体成型を可能にした。人肌に近い質感を調整するため、2液式自動計量混合吐出機で0.01g単位の吐出量制御を行う体制を整えた。エラストマーの積層加工と皮膚表面成型技術により、注射や触診で皮膚と血管の複合した感触が体感できる逃げる血管モデル、褥瘡切除練習モデル、下肢モデル、内視鏡用結腸モデルを開発し、縫合・注射・褥瘡切除の練習に使える医療教材保持具も開発した。

加工機2液式自動計量混合吐出機
加工機精密恒温器
加工機角型真空定温乾燥器

新しい製品・サービス:医療手技教材(逃げる血管モデル、褥瘡切除練習モデル、下肢モデル、内視鏡用結腸モデル、医療教材保持具)

事業の効果

逃げる血管モデルは、皮膚表面や部位の感触が人体に近く、注射の針痕が目立たず反復練習ができる教材として開発された。褥瘡切除練習モデルは、国内初の人の壊死組織に近いモデルとして肉芽組織やポケット部まで再現された。下肢モデルは皮膚感覚のリアルさが高い評価を受けた。平成28年より事業化を開始し、平成29年度は売上約2,000万円を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    理美容教材で培った植毛・成形技術とエラストマー加工技術を活かし医療分野へ参入する流れが、既存の経営資源と結びつけて具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    少子化による理美容教材の売上減少と中国移管による稼働率低下は読み取れるが、市場規模や競合に対する優位性の数値はない。

  • 課題の認識と解決4

    理美容教材の需要減少という課題を認識し、医療教材の事業化と平成29年度売上約2,000万円の見込みで解決を図る流れが具体的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    平成29年度の売上約2,000万円という数値目標が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員39人や秋田工場の存在はわかるが、補助事業を遂行する人材や事務体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    看護師養成学校向けのニッチ市場を対象とし、皮膚感覚や血管の動きを人体に近づけた点が選ばれる理由として具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    平成28年に事業化、顧客要望への仕様見直しとクレームゼロという課題解決の方針は示されるが、詳細なスケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療教材はニッチ市場とされ、国内初の褥瘡切除練習モデルなど新規分野での高付加価値製品であることが示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    今後予想される外科医師不足への対応や医療分野の発展への貢献が挙げられているが、波及効果の数値はない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、費用対効果を示す数値は書かれていないため、わずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献3

    2液式自動計量混合吐出機による0.01g単位の制御など、デジタル的な精密制御が示されるがイノベーションへの波及は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    医療分野という成長が見込まれる分野への進出が明記されているが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    秋田の拠点で事業を行うことはわかるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

顧客から当初想定しなかった要望が寄せられ、本格的な販売には至っていないが、早急に仕様の見直しや調整を行い、クレームゼロを実現して販売につなげていく。医療教材開発商品を新たな収益事業に育成し、看護師養成学校向けのニッチ市場から参入して新たな事業の柱にしていく。

事業者の声

未来に向かってあなたと共に

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。