ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

プリンタブル実装技術によるフレキシブルセンサの試作

株式会社太陽機械製作所

この事例のポイント

  • 縮小する既存の印刷事業から、より社会への付加価値の高いビジネスへの転換が必要だった。
  • 銀の櫛形電極と湿度を感知する有機材料を、フレキソ印刷によりPETフィルム上に印刷し、フレキシブル湿度センサを試作・評価した。
  • フレキソ印刷による電極形成と有機材料の塗布ができ、プリンタブル印刷湿度センサの特性も確認できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社太陽機械製作所
所在地山形県 寒河江市
業種生産用機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数106人
資本金6,900万円
設立1961年

事業の背景

同社はビジネスフォーム印刷機・コレーター、シールラベル印刷機・フレキソ印刷機、IJP用紙搬送機、カード印刷機などの設計・製造・販売を手がけている。既存の印刷事業は縮小しつつあった。一方、IoTの有力なツールとしてプリンテッド湿度センサの研究開発への期待が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術縮小する既存の印刷事業から、より社会への付加価値の高いビジネスへの転換が必要だった。

やったこと

銀の櫛形電極と湿度を感知する有機材料を、フレキソ印刷によりPETフィルム上に印刷し、フレキシブル湿度センサを試作・評価した。フレキソ印刷は凸版印刷の一種で、ゴムや樹脂でできた柔らかい版を使用する。購入したセンサ試作設備、構造評価設備、センサ評価設備により、センサの性能を評価した。印刷したセンサを乾燥させるために近赤外線装置を導入し、インキの粘性は粘度計で、印刷した電極の体積抵抗値・表面抵抗値・導電性は低抵抗率計で計測した。

検査測定粘度計
検査測定低抵抗率計
その他近赤外線装置
その他センサ試作設備
検査測定構造評価設備
検査測定センサ評価設備

新しい製品・サービス:フレキシブル湿度センサ(プリンタブル印刷による試作品)

事業の効果

フレキソ印刷による電極形成と有機材料の塗布ができ、プリンタブル印刷湿度センサの特性も確認できた。現在は各社にサンプルを提供しており、追加研究によりセンサ性能を高めている。A4サイズに100個印刷すると1時間に100万個の生産が可能になるとされ、既存工程1年分に相当する量を1日で生産できる革新技術として期待されている。今後は分速50mでの生産実証を行う。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存の印刷事業から高付加価値のビジネスへ転換を図るとあり、過去の印刷事業との関連は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの詳細は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    IoT市場の拡大や湿度センサの年平均成長率75%に触れ外部環境は示されているが、自社の強み・弱みや競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    縮小する既存印刷事業からの転換という課題認識はあるが、高付加価値化に向けた具体的な事業計画の記述は限定的。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1時間に100万個生産可能、分速50mでの生産実証を予定と数字が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    試作・評価の設備導入と各社へのサンプル提供は読み取れるが、人材や事務処理体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    安価・ウェアラブル・フレキシブルという製品価値と、ロボット・医療・福祉などの顧客分野が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    分速50mの生産実証や追加研究の予定はあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    プリンテッド湿度センサは市場が小さく年平均成長率75%と高い分野で、新市場性がうかがえる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    超スマート社会やIoT応用の市場拡大に言及し国の施策との関連はうかがえるが、雇用創出や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    既存工程1年分を1日で生産する革新性は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    プリンタブル印刷によるフレキシブルセンサでIoTや超スマート社会のイノベーションに貢献する内容が具体的に示されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出4

    印刷事業からIoT・センサ市場への進出で構造転換を図る点が、市場成長分野の数値とともに示されている。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

IDtechEX社によると、完全印刷センサの市場は2025年に80億ドル(2015年は60億ドル)となる見込みである。中でも市場の小さい湿度センサは年平均成長率75%と非常に高い。ロボット、エレクトロニクス、医療、福祉などIoT応用分野の市場拡大が予想されるため、研究と改善を重ねて事業化を進める。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。