ものづくり補助金平成25年度宿泊業、飲食サービス業山形県

介護食のクオリティサービスの向上と市場ニーズへの早期対応

株式会社ベスト

この事例のポイント

  • 需要が伸びる中で繁忙期は夜中まで生産しても追いつかず、計画生産で在庫を積む体制が取れなかった。
  • 飲み込みやすさを研究し、見た目、風味、食味にこだわったソフト食の肉シリーズを開発した。
  • 肉シリーズの投入により、これまでの魚シリーズとかまぼこシリーズに加えて製品ラインが広がり、生産数が確実に伸びている。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ベスト
所在地山形県 鶴岡市
業種持ち帰り・配達飲食サービス業
技術分野材料製造プロセス,立体造形
従業員数272人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

株式会社ベストは昭和60年の設立以来、高齢者の食事と食事療法食に取り組み、「健康は食にあり」を基本理念としてきた。平成18年の経営革新計画承認を経て国の支援制度を活用し、全国展開に至っている。主力は介護食「まろやか食専科」で、事業の柱は魚シリーズであった。顧客は給食業務の受託先(学校、病院、福祉施設など)で、市場の高齢者ニーズへの対応が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力需要が伸びる中で繁忙期は夜中まで生産しても追いつかず、計画生産で在庫を積む体制が取れなかった。
  • コスト・採算製法が非常に効率悪く、人件費や光熱費がコストを押し上げていた。
  • コスト・採算こだわりの品質のため大手同業者より価格が高くなっていた。

やったこと

飲み込みやすさを研究し、見た目、風味、食味にこだわったソフト食の肉シリーズを開発した。型枠に入れて形を整え、皮には食べても安全な自然素材のインクで本物そっくりにプリントを施した。地元の食肉産地と連携して、ソフト豚肉とソフト鶏肉を製品化した。大型冷蔵庫、スチームコンベクション、プリンターを導入し、計画生産と在庫体制を可能にした。将来的には生産工程をライン化して量産化を進める計画である。

その他大型冷蔵庫
加工機スチームコンベクション
その他プリンター

新しい製品・サービス:ソフト食「まろやか食専科」の肉シリーズ(ソフト豚肉、ソフト鶏肉)

事業の効果

肉シリーズの投入により、これまでの魚シリーズとかまぼこシリーズに加えて製品ラインが広がり、生産数が確実に伸びている。新規取引先も増えており、メディア掲載や展示会出展を通じて新規取引先の確保につながっている。大型冷蔵庫とスチームコンベクション等の導入で計画生産と在庫が可能になり、量産化とコスト削減が進んで市場ニーズに対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成18年の経営革新計画承認から全国展開に至った経緯と「健康は食にあり」の基本理念が書かれ、事業の一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場ニーズ対応と高価格によるコスト課題は読み取れるが、競合比較や自社の強み分析の具体性は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    コスト削減と量産化のための設備投資は示されるが、目標数値はなく高付加価値化の計画は具体性が薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の増加や賃上げの目標値は書かれていない。生産数が伸びているという定性的記述のみ。

  • 事業を進める体制2

    従業員272名や病院との協力体制は書かれるが、補助事業の遂行体制の記述は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    見た目・風味・食味へのこだわり、誤嚥防止、病院との共同開発、新規取引先の増加など顧客ニーズと選ばれる理由が書かれる。

  • 事業化までの道筋3

    生産工程のライン化が最終目的と書かれるが、スケジュールや課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    型枠や自然素材インクで本物そっくりに仕上げる高付加価値の介護食で、こだわりによる高価格化が示される。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    庄内地方の食肉産地と地元生産者の連携がうかがえるが、雇用創出や波及効果の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    大型冷蔵庫等の投資で人件費や光熱費の効率化が述べられるが、投資額に対する効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    スチームコンベクションや大型冷蔵庫の導入は読めるが、先端デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山形県鶴岡市の食の都や庄内地域の食肉産地を活かした事業とうかがえるが、地域への経済効果の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後ますます増えると予想される市場の需要に対応するため、生産工程をライン化して量産化することを最終目的としている。見た目、風味、食味にこだわった食の提供を続けていく。

業種と困りごとが近い成果事例

京都府宿泊業、飲食サービス業平成27年度

急速冷凍技術の導入による旅館業の収益構造の改善

最先端のプロトン凍結機及びプロトン解凍機、並びに超低温冷凍庫などを導入し、食材や料理を保存できる体制を整えた。

効果:5年後に5パーセントの料理原価削減を目指した。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。