ものづくり補助金平成26年度宿泊業、飲食サービス業東京都

看板商品「煮かつサンド」の急速冷凍設備導入による全国展開の実現

成果消費期限 0カ月→3カ月

この事例のポイント

  • テレビなどで「煮かつサンド」の知名度が全国に広がったが、日持ちしないため全国からの配送希望に応えられなかった。
  • 急速冷凍によって「煮かつサンド」を冷凍販売できるよう、4種類の設備を導入した。
  • 消費期限 0カ月→3カ月。冷凍販売が可能になり、消費期限が3カ月に延びたことで、冷凍便を使って全国に販売できるようになった。

事業者のプロフィール

所在地東京都 八王子市
業種飲食店
従業員数4人
設立1957年

事業の背景

先代が昭和32年に喫茶店として創業し、現代表が平成7年に経営を引き継いでJazz Bar & Café ROMANに改称した。店内でジャズを流しライブを行うなど音楽色を打ち出し、平成26年には八王子市内に2号店を開いた。看板メニューの「煮かつサンド」は先代が30年前に考案したもので、テレビなどで度々紹介され、全国から来店者が訪れている。テイクアウトが1日の売上の半分を占める。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信テレビなどで「煮かつサンド」の知名度が全国に広がったが、日持ちしないため全国からの配送希望に応えられなかった。
  • 生産能力「煮かつサンド」は消費期限が当日中のため、販売ターゲットが東京近郊までに限られていた。

やったこと

急速冷凍によって「煮かつサンド」を冷凍販売できるよう、4種類の設備を導入した。ガスフライヤー(涼厨フライヤー・MGF-C18WJ)は18ℓの油槽を二層備え、ロース肉とヒレ肉を一度に揚げられる。真空包装機(MICRO JUMBO)は凍結前に真空包装する。液体凍結機(リ・ジョイスフリーザー)は−35℃の液体アルコールで食品を凍結させ、1時間で60個を急速凍結でき、1日最大600個の製造が可能である。冷凍ストッカー(ダイレイSD-521)は−35℃を保つ冷凍庫で4台導入し、合計1800個まで保存できる。

加工機涼厨フライヤー(MGF-C18WJ)
加工機MICRO JUMBO
加工機リ・ジョイスフリーザー
その他ダイレイSD-521

新しい製品・サービス:冷凍「煮かつサンド」

事業の効果

  • 消費期限 0カ月→3カ月
  • 液体凍結機により1時間で60個を急速凍結でき、1日最大600個の製造が可能
  • 冷凍ストッカー4台で1800個まで保存が可能

冷凍販売が可能になり、消費期限が3カ月に延びたことで、冷凍便を使って全国に販売できるようになった。大手ECサイトと自社ホームページでの販売を始め、販売量は順調に推移している。急速凍結と保存設備により大量受注にも対応でき、安全な冷凍保存によってイベントでの弁当や手土産、急な大量オーダーにも応じられるようになった。大手百貨店や鉄道会社からの出店依頼もあり、事業拡大が期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    看板メニュー「煮かつサンド」を軸に事業を展開し、冷凍販売・ECで全国展開する方針が読み取れる。経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    メディア露出後に全国から配送希望が寄せられていたことが強みとして書かれ、冷凍化で応える構図は読み取れる。競争優位の根拠は弱い。

  • 課題の認識と解決4

    当日限りの消費期限が全国展開の課題と明記され、急速凍結で消費期限を3カ月に延ばす具体的解決策と、大量受注にも対応できる点が書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。販売量は順調とあるのみで、数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    従業員4人の個人事業者で、試作を繰り返しメーカーと協力した経緯は読み取れるが、人材や事務処理体制の具体記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    看板商品の需要とメディア露出、テイクアウト売上の半分という事実が示され、全国からの配送要望というニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋4

    真空袋の穴あき事故への対処を二重包装からフリーザーバッグ併用へと段階的に改善した経緯と、海外展開やタマゴサンド等の次の計画が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    液体凍結で冷凍することで味に締まりが出て旨味が増す点を確認し、冷凍煮かつサンドという高付加価値の商品化が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の経済波及や雇用創出への言及はなく、全国販売や海外展開の可能性がわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    生産性は大幅向上、1日最大600個製造、1800個保存と設備能力の数字はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    液体凍結と真空包装という技術の活用は読み取れるが、サプライチェーンや地域イノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    八王子の地元店が看板商品を全国へ届ける形で、地域の特性を活かした事業であることは読み取れるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

大手百貨店や鉄道会社からの出店依頼があり、事業拡大が期待される。将来的にはアジアを中心に海外展開も視野に入れている。また「タマゴサンド」や「カレー」の冷凍にも取り組んでおり、タマゴサンドの解凍時の食感の課題を克服することが目下の目標である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。