ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

常温乾燥機及び製粉機を活用した食品の乾燥微粉末化と応用

有限会社木村屋

この事例のポイント

  • 地元農家から持ち込まれる農作物を製品化したかったが、賞味期限の点から製品化できなかった。
  • 常温乾燥機及び製粉機を活用し、製菓原料として需要はあるものの活用が困難だった農作物、酒粕、地域内の農産物等を乾燥微粉末化して製品開発に応用する事業を行った。
  • 農作物を粉末化することで、旬の時期に大量に出回る規格外品も無駄なく製品に活用できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社木村屋
所在地山形県 鶴岡市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数148人
資本金3,960万円
設立1944年

事業の背景

明治二十年創業の老舗和菓子店で、従来から県内産の農産物を活用したお菓子の製造開発を考えていた。地元農家などから農作物が持ち込まれていたが、賞味期限の点から製品化には至らなかった。そこへ山形大学工学部発のベンチャー企業ナチュラルプロセスファクトリーから、農作物を乾燥させ粉末にできることを紹介された。ただ、これまで粉末化を提案する業者は費用がかかりすぎ、取引には至らなかった経緯がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術地元農家から持ち込まれる農作物を製品化したかったが、賞味期限の点から製品化できなかった。
  • コスト・採算農作物を粉末にできる業者はあったが費用がかかりすぎ、取引に至らなかった。
  • 品質・精度枝豆は他の農産物に比べ菌が繁殖しやすく、衛生管理面で課題があった。
  • 生産能力旬の時期に大量に出回る栄養価の高い農産物の規格外品が、廃棄処分されていた。

やったこと

常温乾燥機及び製粉機を活用し、製菓原料として需要はあるものの活用が困難だった農作物、酒粕、地域内の農産物等を乾燥微粉末化して製品開発に応用する事業を行った。旬の時期に大量に出回る農産物をそのまま乾燥し粉末化することで、廃棄されていた規格外品を有効活用できるようにした。庄内特産のだだちゃ豆は、茹でてむき豆にして冷凍する方法が主だがコストが高く、枝豆は菌が繁殖しやすいため、常温乾燥による粉末化で衛生管理面の課題にも対応した。乾燥微粉末は食品の風味、色、味を損なわずに製品開発へ応用できることを確認し、和菓子やパンなどへの展開を試作中である。

加工機常温乾燥機
加工機製粉機

新しい製品・サービス:レモン、トマト、だだちゃ豆などを乾燥粉末化した素材を使った製品(レモンを使った製品はイベント試食のあと店頭で試験販売中)

事業の効果

農作物を粉末化することで、旬の時期に大量に出回る規格外品も無駄なく製品に活用できるようになった。粉末にすると素材の風味や色合いが活かされ、濃縮して多くの量を使えるため、製品の品質を高めつつ商品開発の幅が広がった。枝豆のような衛生管理上の課題があった素材も常温乾燥で扱えるようになり、新たな取引の可能性が生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来から県内農産物を使った菓子開発を考えていたと書かれ、過去の構想との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明確に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地元農産物の規格外品活用や風味を生かせる点は書かれているが、市場や競合に対する自社の強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    賞味期限や原料コストという課題が挙げられ、乾燥微粉末化で解決する方針は書かれているが、高付加価値化の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、製品化の成否も試験販売段階と述べるにとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員148名や創業以来の製造販売の経験は書かれているが、補助事業を遂行する具体的な体制や人材配置は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    風味・色を損なわず粉末化できる点や試食で自然の味と好評だった点は書かれ、顧客ターゲットは曖昧である。

  • 事業化までの道筋3

    試作中、市場調査をしながら検討するという段階的な進め方は書かれているが、具体的なスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    農産物の常温乾燥・微粉末化を菓子に使う取組として新規性は感じられるが、一般的な普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地元農産物の規格外品の有効活用や地域の資源活用、地元還元が書かれ、地域経済への効果がうかがえる。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投資額や付加価値増加の数値は書かれておらず、コスト面は既存業者より安いという程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    大学発ベンチャーとの連携や常温乾燥・粉末化技術の応用は書かれているが、サプライチェーンへの波及は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    山形県の人気おみやげ品の約7割が県外で加工製造されている調査結果を示し、地元特産品を地域で製品化する方針が明確に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地元産の野菜や果物を使った商品開発を進め、地域の資源を有効活用した商品や地域の魅力を発信できる商品を開発していく。山形県の調査では山形の人気のおみやげ品の約7割が県外で加工製造されているため、地元の特産品を自社工場でおみやげやギフト菓子として製品化し、地元に還元していくことを目指す。

事業者の声

自然の味がする。本物感がある

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。