ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

回転角度位置検出センサーの軸受けガタ精度の向上、製品性能のアップの推進

会津コスモス電機株式会社

この事例のポイント

  • 軸と軸受部分はミクロン単位の高精度が求められるが、これまでその加工を外注先に任せていた。
  • CNC自動旋盤とバレル研磨機を導入し、軸受の内径をスパロール加工(金属表面をローラーで押しつぶす加工法)で仕上げた。
  • 内径寸法のバラつきを26.0%低減し、2/1000mmの高精度を保てるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名会津コスモス電機株式会社
所在地福島県 会津若松市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野精密加工,接合・実装

事業の背景

同社は東京コスモス電機の国内主要生産拠点として、電子部品や自動車用電装品の製造・販売を行っている。生産品目には自己温度制御型面状発熱体や自動車用各種センサーなどがある。主力の回転角度位置検出センサーは、日本・世界の一流自動車メーカーに搭載されており、品質向上が責務となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度軸と軸受部分はミクロン単位の高精度が求められるが、これまでその加工を外注先に任せていた。
  • 生産能力受注数が増え、メーカーからの高度な要求に応えるため、全自社生産へ踏み切る必要があった。
  • 品質・精度従来の設備では材料収縮やヒケなどにより、求められる寸法精度を出せなかった。

やったこと

CNC自動旋盤とバレル研磨機を導入し、軸受の内径をスパロール加工(金属表面をローラーで押しつぶす加工法)で仕上げた。これにより粗さがなくなり滑らかな表面に加工でき、寸法のバラつきも最小限にとどめて2/1000mmという高精度を保てた。ロータのシャフト寸法のバラつきを抑えるため電動射出成形機も導入し、内径の下穴寸法を最適な値にする試作と、ロータのシャフト径寸法精度の向上を実施した。

加工機CNC自動旋盤
加工機バレル研磨機
加工機電動射出成形機

事業の効果

内径寸法のバラつきを26.0%低減し、2/1000mmの高精度を保てるようになった。ロータのシャフト部寸法のバラつきは約44.6%低減した。寸法精度の向上により、完成品のセンサーのヒステリシスのばらつきを24.3%、出力直線性を40.5%低減できた。この技術は農機具・二輪車・モーターボートなどのエンジン周りの部品にも汎用されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    外注していた軸受部品を自社生産へ切り替えた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    自動車メーカーへの搭載や受注増加が触れられるのみで、市場動向や自社の競争優位の強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    完成品の寸法精度不足という課題を認識し、CNC自動旋盤導入後の内径バラつき26.0%低減、ヒステリシス24.3%低減など数字つきで効果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    内径バラつき26.0%、ロータ軸部44.6%、ヒステリシス24.3%低減、出力直線性40.5%低減と数値目標に近い結果が示されている。ただし将来の付加価値・賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数や人材配置、事務処理体制についての記述はなく、新設備の操業について「比較的スムーズ」とあるのみである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高精度で品質向上しつつコストを上げない価値や、農機具・二輪車等へ汎用する点は触れられるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後は社内生産を増やし生産性向上と利益増加を図るという方針は示されるが、スケジュールや課題解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高精度の回転位置検出センサーで高付加価値化を図る方向は読み取れるが、分野の普及度や高価格化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    農機具・二輪車・モーターボートへの汎用という波及はうかがえるが、国が補助する理由となる雇用や経済波及効果の記述はない。

  • 費用対効果2

    性能や寸法精度の改善率は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNC旋盤やバレル研磨など既存のノウハウを生かした改善にとどまり、先端デジタル技術や地域・サプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    会津若松市の工業団地に立地することは分かるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への寄与は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は社内生産をさらに増やし、生産性の向上と利益の増加をより一層進めていく。NC制御装置では細やかな製造条件の設定により、製造工程を増やさずに品質向上に貢献できると考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。