ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

高効率・高性能自動加工機械の導入による次世代産地仏具生産システムの確立

株式会社保志

この事例のポイント

  • 職人の高齢化が進み、後継者がいないために廃業する協力工場が相次いでいる。
  • 木工旋盤による職人の手作業を計測・数値化し、データベース化した。
  • 職人の手作業の技術を数値化し、NC旋盤による自動加工で仏具を試作できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社保志
所在地福島県 会津若松市
業種木材・木製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,立体造形
従業員数305人
資本金6,080万円
設立1900年

事業の背景

当社は百有余年にわたり、会津の地場産業として仏壇・仏具・位牌を製造販売してきた。製造は会津若松をはじめ全国の熟練職人の手作業に頼る部分が大きい。近年は職人の高齢化が進み、後継者不足で協力工場の廃業が相次いでいる。仏具は国内生産品が好まれる商品特性がある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能職人の高齢化が進み、後継者がいないために廃業する協力工場が相次いでいる。
  • 人手・技能後継者を育成しても、職人の技術を完全に習得するには長い時間が必要である。
  • 品質・精度職人の手作業では木材に合わせて削るため、仕上がりに微妙な差が生じていた。
  • 生産能力熟練職人や協力工場の手作業に頼る部分が大きく、生産に制約があった。
  • コスト・採算社外の職人に加工や開発を委託していたため、時間とコストが課題となっていた。

やったこと

木工旋盤による職人の手作業を計測・数値化し、データベース化した。仕上がりが最適になる切削の深さや刃物送り速度を算出した。木工加工に適した旋盤用刃物を探求し、様々な先端形状を試して最適な形状を選定した。以上の試験結果をもとに、当社の仏具製品をサンプルとしてNC旋盤で試作した。手動旋盤による加工に比べ、加工時間を約59%削減できることを確認した。

加工機NC制御木工旋盤

新しい製品・サービス:内製による新製品の開発

事業の効果

職人の手作業の技術を数値化し、NC旋盤による自動加工で仏具を試作できるようになった。加工時間は手動旋盤に比べ約59%削減できることを確認した。材料の取り付けと取り外し以外は無人で作業でき、人件費削減と生産性向上につながった。仕上がりが均一になり品質が安定し、材料調達から加工まで社内で行えるようになって納期も短縮された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    百有余年の会津の地場産業での仏壇・仏具製造という歴史が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内生産が好まれる商品特性や海外展開の視野が書かれ、強みは職人技術だが、市場動向と自社資源の比較は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    職人の高齢化や後継者不足、協力工場の廃業という課題を認識し、NC旋盤導入で内製化・納期短縮・人件費削減を図る流れが書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    手動旋盤に比べ加工時間を約59%削減できることを確認したと数字で示され、目標と実績が具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    NC旋盤のプログラミングができる人材育成の研修が必要と今後の課題として触れられているが、現時点の実施体制は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    国内生産品が好まれる仏具の特性や安定した品質への言及はあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は具体的ではない。

  • 事業化までの道筋4

    計測・数値化、刃物形状の選定、サンプル試作と段階的な進め方が書かれ、今後の内製新商品開発や金属製品へのチャレンジも示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    木製仏具は一般的な分野だが、金属など他素材への展開や高付加価値化に言及がある程度で、高水準の高価格化は読み取れない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地場産業の仏具製造を国内で維持し、後継者不足による廃業を防ぐ意義が書かれ、地域産業への貢献はうかがえる。

  • 費用対効果4

    加工時間約59%削減に加え、無人作業化による人件費削減と仕上がりの均一化が書かれ、費用対効果を示す材料がある。

  • イノベーションへの貢献2

    NC制御の自動旋盤導入は省力化の技術だが、地域やサプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    伝統的な木工仏具の自動化による生産体制の確立が書かれ、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及4

    会津の地場産業として仏壇・仏具を製造し、熟練職人の技術を地域で継承・活用する点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

社内で新商品を開発する予定で、開発の内製化によりスピーディーな開発を期待している。NC旋盤のプログラミングができる人材を育成するための研修が必要である。今後は機械の増設も検討課題となり、将来は金属など木材以外の素材を使った商品づくりにも挑戦したい。

事業者の声

顧客のために存在し、社員と共に栄える

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。