ものづくり補助金平成28年度製造業大分県

木工・布張り技術の高度化で取り組む「木で育むキッズコーナー」事業

有限会社坂本工芸

成果従来と比べて約15%の工期短縮

この事例のポイント

  • キッズコーナー向け製品は、設置環境に合わせた複雑な造形や子どもが激しく扱っても壊れない強度など、従来より高い水準が求められ、サイズも大きくなることが多い。
  • 木板切削用にNCルーター加工機を導入し、職人が帯のこなどで複数の工程を要していた作業を、タッチパネル操作による加工に置き換えた。
  • 従来と比べて約15%の工期短縮。CAD/CAMソフトと設備の連動により、切削や裁断の直接の加工時間が短縮されたほか、すみ出しや型取りなどの間接作業の手…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社坂本工芸
所在地大分県 日田市
業種家具・装備品製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数16人
資本金300万円
設立1995年

事業の背景

有限会社坂本工芸は、業務用イスを中心に手がける家具製造業者で、レストランやホテルなどの商業関連施設向けにオーダーメードで受注している。リピーターからの受注を基盤に取引先を広げるなかで、大型ショッピングモールなどに設置が広がる遊戯スペース「キッズコーナー」向け製品の依頼が増えてきた。職人技を生かした技術力が強みである一方、新分野の需要に対応する体制づくりが課題となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術キッズコーナー向け製品は、設置環境に合わせた複雑な造形や子どもが激しく扱っても壊れない強度など、従来より高い水準が求められ、サイズも大きくなることが多い。
  • 生産能力オーダーメイドの受注体制のなかで、新分野の依頼を含めた全体の生産性とのバランスを取る必要があった。
  • 人手・技能木板の切削と布地裁断の工程は手作業で進めていたため、依頼に応えるための自動化が課題となった。

やったこと

木板切削用にNCルーター加工機を導入し、職人が帯のこなどで複数の工程を要していた作業を、タッチパネル操作による加工に置き換えた。布地裁断には自動積層裁断機を導入し、手作業の工程を置き換えた。両設備に設計データを反映させるためCAD/CAMソフトも導入した。NCルーター加工機では2メートルを超える木板の切削加工が可能になった。

新しい製品・サービス:木製のキッズコーナー向け製品(遊具や家具など)

事業の効果

  • 従来と比べて約15%の工期短縮

CAD/CAMソフトと設備の連動により、切削や裁断の直接の加工時間が短縮されたほか、すみ出しや型取りなどの間接作業の手間も省けた。工期は従来と比べて約15%短縮された。2メートルを超える木板の切削が可能になり、布地のズレによるムダも低減した。現場経験の少ない従業員でも加工できる体制となり、手作業中心だった現場の安全面も改善した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性職人技の強みを生かしつつ、大型ショッピングモール向け需要の高まりを踏まえ、NCルーターや自動積層裁断機で対応力を高めている。
  • 4
    課題の認識と解決従来手作業の工程を自動化し、約15%の工期短縮を実現。課題の生産性バランスに対する具体的な解決策になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け設置環境に合わせた複雑な造形や子どもが扱っても壊れない強度という顧客要求を整理し、対応力を示している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標工期短縮15%や2メートル超の加工は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    業務用家具の受注体制を基盤に、リピーターから広がったキッズコーナー向け製品へ展開する一貫した流れが書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    職人技の強みを生かしつつ、大型ショッピングモール向け需要の高まりを踏まえ、NCルーターや自動積層裁断機で対応力を高めている。

  • 課題の認識と解決4

    従来手作業の工程を自動化し、約15%の工期短縮を実現。課題の生産性バランスに対する具体的な解決策になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工期短縮15%や2メートル超の加工は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく薄い。

  • 事業を進める体制3

    現場経験の少ない従業員でも加工できる体制を整え、設備の操作性も確保されており、遂行体制の記述がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    設置環境に合わせた複雑な造形や子どもが扱っても壊れない強度という顧客要求を整理し、対応力を示している。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備や成果は書かれているが、導入スケジュールや課題の解決方法の具体的な記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    業務用家具の中で、キッズコーナー向けの複雑造形・高強度の高水準製品に対応する点が示されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    商業施設への遊戯スペース設置が広がる中、新たな雇用や需要の創出につながる取組として位置付けられている。

  • 費用対効果2

    工期短縮や歩留まり改善は触れられているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    CAD/CAMと設備の連動により従来難しかった立体加工を可能にし、デジタル技術の活用が明確に書かれている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    大分県日田市の地域事業者として、地域の製造業で受注を広げ雇用を維持する事業であることが読み取れる。

今後の展望

機械加工と職人技を両立させ、キッズコーナーに付随した遊具や家具などの受注を取り込む機会が広がりつつある。CAD/CAMによって、これまで難しかった立体加工も可能になった。今後も既存取引先との信用関係を軸に新たな受注を広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。