ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

〝1本杖〟用の医療補助先端器具の製品化に向けた耐久試験設備導入と自立システムの開発

有限会社タツミ工機

成果耐久試験の前後で歪は0.05mm以内と確認された

この事例のポイント

  • 一本杖は先端のゴムがすり減って片減りし、滑りやすくなり転倒や骨折などの事故リスクが生じている。
  • 一本杖の取り外し可能な先端器具を開発し、試作品のゴム底面には滑りにくいゴム「RBセラミックソール」を、内部には滑りやすく耐摩耗性に優れるゴム複合材を装着した。
  • 耐久試験の前後で歪は0.05mm以内と確認された。一本杖の先端器具の耐久性と安全性が試験で実証され、障がい者や高齢者が使いやすい機能をクリアしたと判断できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社タツミ工機
所在地福島県 いわき市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,測定計測

事業の背景

同社は油圧機器部品の試作やミクロン精度の微細加工などを短納期で手がける金属加工業者で、いわき市に拠点を置き産学官連携にも意欲的である。障がい者や高齢者が用いる一本杖は、接地面の滑りにくさなど安定性が強く求められる医療補助器具である。わが国の一本杖市場は年間40億円を超え、さらに拡大すると見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度一本杖は先端のゴムがすり減って片減りし、滑りやすくなり転倒や骨折などの事故リスクが生じている。
  • 新製品・新技術一本杖の先端器具について、使う人の不安を和らげる機能性・耐久性・安全性を裏付けるデータが不足していた。

やったこと

一本杖の取り外し可能な先端器具を開発し、試作品のゴム底面には滑りにくいゴム「RBセラミックソール」を、内部には滑りやすく耐摩耗性に優れるゴム複合材を装着した。外観素材はジュラルミンとした。可動式耐久試験機と輪郭形状測定機を導入し、試作品へ荷重負荷50kgを40万回かけて耐久試験を行った。耐久試験の前後の寸法的な歪を輪郭形状測定機で測定し、データ解析の結果を開発にフィードバックした。障がい者の協力を得てモニター試験を実施し、リアルな使用実感も反映した。

検査測定可動式耐久試験機
検査測定輪郭形状測定機

新しい製品・サービス:取り外し可能な一本杖用の医療補助先端器具「アンクルステッキたつみ」

事業の効果

  • 耐久試験の前後で歪は0.05mm以内と確認された
  • 荷重負荷50kgで40万回の耐久試験

一本杖の先端器具の耐久性と安全性が試験で実証され、障がい者や高齢者が使いやすい機能をクリアしたと判断できた。既存マーケットには性能的に同等の競合商品が見当たらず、技術面と販売戦略の両面で他社との差異性が大きなアドバンテージになると見込まれる。今後はハイスペック化と低価格化を図って量産体制を整え、性能面の競争力を打ち出して販売促進に努める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組として産学官連携や素材開発への言及はあるが、経営戦略上の位置付けは事例からは明確に読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存マーケットに性能同等の競合が見当たらず、差異性が優位だと述べられているが、自社の経営資源との関係は具体的でない。

  • 課題の認識と解決3

    一本杖の先端器具で滑りや耐久性の課題を認識し、量産体制や低価格化を図る方針が書かれているが、事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    耐久試験で歪0.05mm以内、年間市場40億円超と数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    産学官ネットワークや試験設備の導入、障がい者モニターの協力が書かれているが、人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    RBセラミックソールで滑りにくさを示し、モニター試験の実感やターゲット(小売・通販・医療福祉施設等)が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    開発工程と今後の活動計画(量産体制、展示会、メディア出稿)は述べられているが、スケジュールの詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    一本杖の先端器具で既存マーケットに同等競合がなく、性能面で差異性が大きいと明記されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    障がい者や高齢者の歩行支援という社会的意義はうかがえるが、国が補助する理由を示す記述は限定的である。

  • 費用対効果2

    耐久試験の数値はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    産学官連携や耐久試験機の導入はあるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    いわき市に拠点を置き産学官連携に意欲的とあり地域性はうかがえるが、雇用創出や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

百貨店・ホームセンター・ショッピングモールなどの小売業態、インターネット通販、介護用品ショップ、医療・福祉施設などでの販売を想定し、全国規模または地域に根ざした安定需要とOEM供給を見込む。耐久試験データを商品に添付して信頼性を訴え、展示会や見本市、メディア出稿で認知度を高める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。