ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

高信頼性計測機器の導入による研究開発力の強化

東電化工業株式会社

成果FTIRの導入で基板上の微小異物(10μm)を分析し、原因物質の特定が可能になった

この事例のポイント

  • メーカーの加工途中で基板に付着した有機物の残渣がメッキ品質に悪影響を与えることがあるが、分析して原因を究明する手段が不足していた。
  • 付着した有機物の特定や原因対策の究明、メッキ前処理液やメッキ液にプリント基板から溶出した有機不純物の分析ができるフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を導入した。
  • FTIRの導入で基板上の微小異物(10μm)を分析し、原因物質の特定が可能になった。FTIRの導入により基板上の微小異物を分析して原因物質を特定できるようになり、メーカー側での混入を証明できるため、補償…

事業者のプロフィール

事業者名東電化工業株式会社
所在地秋田県 大仙市
業種金属製品製造業
技術分野測定計測
従業員数92人
資本金9,400万円
設立1982年

事業の背景

東電化工業はプリント基板への金メッキによる表面処理を主な業務としている。取引先は全国60社以上におよび、九州からも多くの企業が当社の技術力を頼って足を運ぶ。当社売上の約75%はプリント基板に依存している。自動車業界などにおけるAI、IoTの進展が著しく、当社では難素材へのメッキ処理にも力を入れている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度メーカーの加工途中で基板に付着した有機物の残渣がメッキ品質に悪影響を与えることがあるが、分析して原因を究明する手段が不足していた。
  • 集客・繁閑外部の分析機関の機器を借りていたため移動の手間がかかり、会社都合で分析できない場合もあった。
  • 品質・精度メッキ後に品質問題が生じた際、基板要因かメッキ要因か判別できず、メーカー側から補償請求されるケースがあった。
  • 新製品・新技術大手メーカーと肩を並べて開発に携わるためには、社内により高精度な解析装置が必要だった。

やったこと

付着した有機物の特定や原因対策の究明、メッキ前処理液やメッキ液にプリント基板から溶出した有機不純物の分析ができるフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を導入した。さらに、メッキ液中の金属不純物を測定し、メッキ液の金属濃度を日常的に管理できるICP分析装置(ICP)を導入した。

  • 検査測定フーリエ変換赤外分光光度計FTIRICP分析装置

事業の効果

  • FTIRの導入で基板上の微小異物(10μm)を分析し、原因物質の特定が可能になった

FTIRの導入により基板上の微小異物を分析して原因物質を特定できるようになり、メーカー側での混入を証明できるため、補償請求されるケースは大きく減少した。ICPの導入でメッキ液中の不純物分析が容易になり、精度と効率化に大きく貢献している。パワー半導体向けの受注も表面処理の提案が奏功して引き合いが拡大しており、導入設備の貢献が大きい。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    研究開発に力を入れてきた実績と、FTIR・ICP導入による分析体制強化が書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先60社以上、九州からも依頼がある技術力と、大手メーカーと肩を並べる開発体制の必要性が書かれ、強みの活用はうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    補償請求が大きく減少したこと、パワー半導体向け受注が拡大したことが書かれ、課題解決と受注拡大のつながりが読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。補償請求の減少と受注拡大の記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    社内で必要な知識経験を身につけられる体制、全社一丸の体制が書かれているが、事務処理能力の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    メーカーの基板品質問題を分析で証明できる点が選ばれる理由として書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    パワーモジュール部品の研究開発が完成直前という段階は書かれるが、中長期の遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    難素材へのメッキ処理やパワー半導体向け表面処理に力を入れている点が書かれ、高度化の方向性はうかがえる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    パワー半導体やEV関連の業界動向に触れるが、波及効果や雇用創出の記述は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補償請求ケースが大きく減少したという成果は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    表面処理の提案や分析機器の導入が研究開発を進める点はうかがえるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    パワー半導体や自動車業界の成長分野で受注が拡大している点がうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    大仙市の地域企業であることは書かれるが、地域経済への波及効果や雇用創出の記述は書かれていない。

今後の展望

大手メーカーと進めてきたパワーモジュール部品の研究開発が完成直前にあり、当社が提案した表面処理方法が採用されている。今後も全社一丸となって、お客様に選ばれ続けるものづくりに取り組んでいく。

事業者の声

今頑張ってくれている社員こそが、会社を支えてくれる大切な仲間。一人でも欠けたら困る、そう思っています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。