ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

医療向け微細部品加工でのグローバルなニッチトップを目指す

株式会社エムテック

成果測定時間を6割ほど削減

この事例のポイント

  • 医療系分野から、自社で対応できない微細部品の製作を相談された。
  • 2010年度から3年間、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大学などの研究機関と連携して微細長尺加工技術を開発した。
  • 測定時間を6割ほど削減。導入した測定機と旋盤により測定時間を6割ほど削減し、生産性を5割向上させた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エムテック
所在地茨城県 ひたちなか市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金1,000万円
設立1961年

事業の背景

同社は1961年の創業以来、直径2ミリから32ミリの小物丸物の精密切削・複合加工を得意としてきた。主力の自動車部品は直径20ミリから30ミリが中心で、多いものは数十万個を生産する。リーマンショックで受注が減少したことから販路を広げる必要があり、医療用部品の販路を主に海外に求めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術医療系分野から、自社で対応できない微細部品の製作を相談された。
  • 人手・技能技術的に困難で受注を断念せざるを得ないことがあった。
  • 生産能力受注しても生産性が十分でなかった。
  • コスト・採算計測と品質評価に時間を要していた。

やったこと

2010年度から3年間、経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大学などの研究機関と連携して微細長尺加工技術を開発した。CCDカメラを搭載して旋盤を制御し、細く長い部品の成形を実現した。新たに真円度測定機、NC自動旋盤、画像寸法測定器を導入し、小型のNC旋盤で細密部品を加工し、高精度な測定器で測定した。

検査測定真円度測定機
加工機NC自動旋盤
検査測定画像寸法測定器

新しい製品・サービス:長さ0.5ミリほどの医療用微細部品

事業の効果

  • 測定時間を6割ほど削減
  • 生産性を5割向上

導入した測定機と旋盤により測定時間を6割ほど削減し、生産性を5割向上させた。医療系の微細部品を高精度で製作できるようになり、ドイツでの展示会を通じて受注に至った。現地ニーズに応えるため、ドイツ・デュッセルドルフに医療系部品の関連現地法人を設立した。今後は工場進出も視野に入れ、グローバルな販路を広げる計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2010年度の戦略的基盤技術高度化支援事業採択から微細長尺加工を継続開発し、医療系部品へ展開した経緯が具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医療系微細部品で外注でも作れない案件を受注し、ドイツ展示会で評価を得て100社超の競合の中で先行していると記載。

  • 課題の認識と解決4

    測定に時間を要する課題を認識し、測定時間を6割削減、生産性5割向上という具体的成果を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性5割向上や測定時間6割減の数字はあるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    大学・研究機関との連携や3年間の開発実績は書かれているが、人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療系微細部品の高精度化ニーズやドイツでの受注実績、ターゲットの明確さが具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後の高精度化と高効率生産システムの強化、海外展開の方向性は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,000万円や従業員30人の記載のみで、財務状況や資金調達の見込みは読み取れない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医療系微細部品で国内外に同水準の対応企業が少なく、ドイツ展示会で日本企業10社未満だったと記載されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    医療分野の進歩に伴う需要や海外販路開拓の意義は書かれるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    測定時間6割減・生産性5割向上の数字はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CCDカメラ搭載による制御や画像寸法測定器の導入は技術的特徴として読み取れるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    「製造業から創造業への変革」を掲げ医療分野へ進出する方向は読み取れるが、構造転換への言及は具体性が薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ドイツでの医療系部品の出展社数は5年前の10社以下から2015年には80社を超え、2016年には100社を超えると予想されている。今後は技術の安定化と高精度製品の高効率生産を強化し、グローバルな販路を求める。

事業者の声

同じ機械を使っていても、作る物はその会社ごとにまったく違う。それが企業文化というもの

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。