ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

地元の新鮮食材を活かしたオリジナル餃子で地域ブランドを確立し、国内外へ発信

有限会社磐城飯店

成果製造数(1時間あたり) 1,000個→3,000個

この事例のポイント

  • 従来の餃子成形機は1時間あたり1,000個、1種類の生産しか対応できず、地元スーパーの取扱商品の製造だけで精一杯だった。
  • 全自動餃子成形機を導入し、1台で2種類の餃子製造に対応できるようにした。
  • 製造数(1時間あたり) 1,000個→3,000個。全自動餃子成形機の導入で製造数が3倍になり、ラベル印刷の生産性は約2.5倍、包装の生産性は2倍に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社磐城飯店
所在地福島県 いわき市
業種食料品製造業
従業員数30人
資本金300万円
設立1995年

事業の背景

当社は昭和45年に中華料理店として始まり、平成5年に餃子卸売に一本化し、平成7年に有限会社磐城飯店を設立した。主力は餃子の製造・卸で、地元スーパーの取扱商品が主な取引先である。東日本大震災と原発事故の後、福島県内の農家や水産業が大きな打撃を受け、地場産品の活性化を望む思いがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の餃子成形機は1時間あたり1,000個、1種類の生産しか対応できず、地元スーパーの取扱商品の製造だけで精一杯だった。
  • 新製品・新技術新商品の研究・開発・製造を行う時間が取れなかった。
  • 品質・精度餃子の品質維持が2日と短く、販売エリアが限定されていた。
  • 集客・繁閑東日本大震災と原発事故以降の風評被害により、販路拡大が壁となっていた。

やったこと

全自動餃子成形機を導入し、1台で2種類の餃子製造に対応できるようにした。この機械により1時間あたり3,000個の生産が可能になった。製品のラベル印刷には自動ラベルプリンターを、包装には高性能のシュリンク包装機を導入した。あわせて、いわき産食材を使った新商品の試作開発にも着手し、ブランド椎茸入りのしいたけ餃子、シシトウ入りの唐辛子餃子、地元水揚げのカジキマグロ餃子など8種類を試作した。モニターの試食とアンケートの結果、7種類の地元産野菜を使った「7つの野菜餃子」と、唐辛子とニンニクを効かせた大人向けの「唐辛子餃子」の2種類が高評価を得て、商品化に向けて開発を継続することになった。

加工機全自動餃子成形機
その他自動ラベルプリンター
加工機シュリンク包装機(高性能)

新しい製品・サービス:地元産食材を使ったオリジナル餃子(7つの野菜餃子、唐辛子餃子など)

事業の効果

  • 製造数(1時間あたり) 1,000個→3,000個
  • ラベル印刷の生産性は1時間あたり約2.5倍になった
  • セミオート包装の新設備により1時間あたりの生産性が2倍に向上

全自動餃子成形機の導入で製造数が3倍になり、ラベル印刷の生産性は約2.5倍、包装の生産性は2倍に向上した。静電気による毛髪混入や密封漏れといった品質面の課題も改善され、品質と安全性が向上した。また、地元産食材を使った新しいオリジナル餃子を開発する体制が確立できた。商品化の実現にはもう少し時間がかかる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和45年の中華料理店からの餃子卸一本化と内製へのこだわりが書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    1時間1,000個・1種類だった従来の制約や、品質維持2日で販売エリアが限定される課題に対し、地元産食材を使う差別化方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    生産性が1,000個から3,000個へ3倍、ラベル印刷2.5倍、包装2倍と数値で課題解決の成果が示され、課題と対応が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性3倍などの実績は数値で示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、今後の目標の実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制2

    従業員30名や内製体制は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記載は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    既存主顧客の堅持と新規顧客獲得を狙い、地元産食材の餃子を試作し試食アンケートで2種類が高評価を得たと書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    商品化まで開発を継続し、販売チャンネルや非加熱から加熱商品への展開を想定と書かれているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    地元産食材を使ったオリジナル餃子や8種類の試作など差別化を図る内容だが、分野全体の普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    東日本大震災や原発事故後の風評被害を受けた地元農家・水産業への貢献が書かれ、地域活性化の意義は読み取れるが、雇用や波及効果の数値はない。

  • 費用対効果3

    設備導入による生産性の向上倍率は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動餃子成形機やシュリンク包装機の導入は書かれるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はうかがえる程度である。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    いわき産食材を使う地域貢献や、いわきブランド・福島ブランドの発信を目指す点が具体的に書かれ、地域特性の活用が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地元産食材を使った新商品の開発を継続し、販路拡大を目指す。メイン顧客である地元スーパーとの取引を堅持しつつ、福島県産食材を使った6次化のオリジナル餃子やシュウマイの試作開発を続け、近い将来の商品化につなげたい。冷凍・生から加熱商品(レンジアップ)の製造も視野に入れ、ネット通販や地元量販店・物産店での販売、餃子専門店の展開を想定している。

事業者の声

中華料理店時代から愛されていた自慢の餃子

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。