ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

電子部品用接触素子の「熱処理→化学研磨→めっき」一貫生産体制の構築

茨城プレイティング工業株式会社

成果生産能力 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 国内に残った微細部品は小ロットかつ難度が高く、量産できる体制がなかった。
  • SK材専用の熱処理炉を導入し、必要な硬度を得るための熱処理条件を試行錯誤の末に確立した。
  • 生産能力 1倍→3倍。熱処理からめっきまでの一貫生産体制が整い、微細な電子部品用接触素子を高い品質で量産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名茨城プレイティング工業株式会社
所在地茨城県 北茨城市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境
従業員数48人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

1979年の創業当初はテレビ、オーディオ機器、ウォークマン、ビデオの機構部品へのめっき加工を行っていた。90年代に入りセットメーカーの生産拠点が海外へ移転し、国内では簡易で生産数の多い製品の生産が急減した。国内に残ったのは小ロットで難易度の高い製品で、電子部品用接触素子のような微細部品は熱処理・化学研磨・洗浄・乾燥などの品質と納期、コストへの顧客要求が高かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国内に残った微細部品は小ロットかつ難度が高く、量産できる体制がなかった。
  • 品質・精度化学研磨後の製品をミクロン単位の寸法で正確に管理することが、当時所有していたマイクロメーターでは難しかった。
  • 人手・技能SK材の熱処理は未経験で、微細部品への焼き入れの条件が確立していなかった。

やったこと

SK材専用の熱処理炉を導入し、必要な硬度を得るための熱処理条件を試行錯誤の末に確立した。袋穴製品の内部めっきのために真空超音波装置と特殊乾燥機を導入し、微細部品のめっきを量産できるようにした。化学研磨後の寸法測定には高性能の画像寸法測定器を導入し、複数の寸法を瞬時に個人差なく測定できるようにした。これらの設備導入と効率化により、3倍の生産能力を獲得した。

加工機SK材専用熱処理炉
加工機真空超音波装置
加工機特殊乾燥機(遠心分離乾燥機)
検査測定高性能な画像寸法測定器

事業の効果

  • 生産能力 1倍→3倍

熱処理からめっきまでの一貫生産体制が整い、微細な電子部品用接触素子を高い品質で量産できるようになった。寸法測定も個人差なく瞬時に行えるようになった。顧客からの品質、納期、コストへの高い要求に応えられる体制が確立した。今後は大口受注にも対応し、新規受注につなげる方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1979年創業からテレビ・ウォークマン部品のめっきを手がけ、国内に残った微細部品へ事業を移した経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外移転で簡易量産品が減る中、微細・複雑形状へのめっきに注目し、熱処理からめっきまで一貫体制で競合に対抗すると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    熱処理条件の未確立や寸法管理の課題を認識し、SK材専用炉や画像寸法測定器の導入で解決したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    設備導入と効率化により3倍の生産能力を獲得したと数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員48人、代表取締役が事例に登場するが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    袋穴など複雑形状への均一膜厚めっき、線径20μmの微細スプリングへの対応など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    熱処理条件の試行錯誤を経て確立したことや今後の大口受注対応方針は書かれているが、スケジュールや検証方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    微細部品の袋穴内部へ均一膜厚でめっきする加工を、加工できる会社が少ない領域として高付加価値化していると書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内の製造現場に残った小ロット・高難度製品を扱う点はうかがえるが、経済波及や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    設備導入で生産能力3倍という成果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    画像寸法測定器による個人差のない測定など技術導入はあるが、サプライチェーンのイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    国内に残る高技術・微細部品分野への転換が書かれており、構造転換との関連がわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    北茨城市の立地は示されるが、地域特性を活かして雇用や地域成長を牽引する記述は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

電子部品用接触素子へのめっき加工は難易度が高く、微細化が進むため今後も需要が期待できる。大口受注にも対応できることから、微細部品へのめっき加工を強みとしてアピールし、熱処理技術をさらに向上させて新規受注につなげていく方針だ。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。