ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

要介護者向け持ち運び可能な簡易歩行運動支援器具の開発

有限会社宮本製作所

成果理学療法士の対応人数 3名→1名

この事例のポイント

  • リハビリで使われる平行棒や機械を使った歩行運動では理学療法士が通常3名必要で、患者の歩行軌跡を適切に維持し続けることが難しい。
  • 歩行運動を再現する試作機の設計をひたちなか市の巧企画に委託した。
  • 理学療法士の対応人数 3名→1名。加工部品の寸法精度を3ミクロン以内に保てることを確認し、精密測定による製品の信頼性が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社宮本製作所
所在地茨城県 ひたちなか市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数13人
資本金300万円

事業の背景

有限会社宮本製作所は機械加工を主力とする従業員13人の会社である。歩行運動支援器具はもともと筑波大学からの依頼でHITSが開発を進め、その後青研メンバーが研究を引き継いだ。平成26年に同社が正式な補助事業として取り組むことが決まった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術リハビリで使われる平行棒や機械を使った歩行運動では理学療法士が通常3名必要で、患者の歩行軌跡を適切に維持し続けることが難しい。
  • 新製品・新技術実際の歩行は上下・前後の動きに体重移動に合わせた足首の動きが加わり複雑な軌跡となるため、それを再現する機構が必要である。
  • 品質・精度既存のプロトタイプは稼働時の騒音が大きく、病院の担当者から低騒音化の要望があった。
  • 人手・技能機械加工業である同社は自社製品を作った経験がなく、部品を組み立てる作業は社員にとって初めての経験だった。
  • 品質・精度加工部品の寸法を精密に測定する設備がなく、精密機械加工から精密測定・組立までを一貫して行う体制が整っていなかった。

やったこと

歩行運動を再現する試作機の設計をひたちなか市の巧企画に委託した。歩行の機構は電気制御ではなく、これまで蓄積してきた加工技術を活かしてオリジナルのカム機構を採用した。加工寸法精度5ミクロン以内を目標に、CAD/CAMとマシニングセンタを使って部品を加工した。新たに導入した三次元測定機で加工部品を測定し、加工寸法精度3ミクロン以内を確認した。三次元測定機は1ミクロン単位で計測でき、測定室を新設して空調設備を完備し、一定温度を保てる環境を整えた。また、歩行運動と足首運動に連動する特注のアクチュエーターを組み込んで試作機を完成させた。

新しい製品・サービス:小型・軽量で持ち運び可能な簡易歩行運動支援器具(試作機)

事業の効果

  • 理学療法士の対応人数 3名→1名

加工部品の寸法精度を3ミクロン以内に保てることを確認し、精密測定による製品の信頼性が高まった。三次元測定機により耐久試験での摩耗状態まで把握できるようになり、材質の見直しや再試作にも役立つ。測定室と測定技術の社員研修により、今後は通常の機械加工でも測定を活用できる体制が整った。理学療法士1名で対応できることを目指し、少人数での歩行リハビリにつながる効果も見込んでいる。

今後の展望

今後は長時間稼働時の耐久試験、摩擦の確認、臨床試験を進めて完成度を高める。病院や介護施設、デイケア施設への導入を見据え、小型・低価格化を図るとともに、リハビリで使用するために薬事法上の医療機器承認を取る体制も整える。

事業者の声

自分の足で歩けるようになってほしい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。